ロシアのウクライナへの侵攻を考える参考に
2022/03/24 16:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉱物資源などにより、世界の動きは、ゆっくりとだが確実に大きく変化していることを示す内容だった。シェールガス、シュールオイルの産出により、アメリカが最大の資源産出国となり、輸入国から輸出国に変わったことにより、地政学の再均衡が生まれている。それらは、世界市場を根底から変え、世界市場の心理をも変えてしまっている。ロシアのウクライナへの侵攻の理由を知る鍵が、エネルギー・気候変動による世界地図の変動にある気がする。そして、米国が強固に制裁に動くことが可能になった理由も。
ロシアには資源がある。
2022/02/24 18:54
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
プーチンが今まさに、ウクライナを自分のものにしようとしている、どうして、ヨーロッパの対応は生ぬるく感じるのか、それは、ロシアに資源があるからなのだ
21世紀初頭の地政学を捉え直す
2022/05/08 16:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かばおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
500ページを超える大著であるが物語ベースに各章が進み、文章もわかりやすく読みやすい。
本書を一言でまとめれば、エネルギーをめぐる各国の力関係や関係性が、シェール革命やエネルギー転換によって変化しており、この地政学的でカップリングが21世紀初頭の地政学である、ということだと思う。
現在ウクライナとロシアの事実上の戦争状態にあるため、関心はやはり第2章にむくが、ウクライナの西側志向によってロシアは欧州に首根っこを掴まれる思いをしたのではないか。一方、欧州はこれまで対ロ政策では腰が引けていたが、独がノルドストリームIIの停止を決定したことによれば供給多様化にもある程度目処がついたのだろうか。とすれば状況はやはりロシアの不利なのだろう。
また、日々実感はするものの、日本では気候変動についてはメディアで取り上げられていないと思う(せいぜい天気予報くらいか、)。自然災害の多い国なのだから、炭素排出の削減についても具体的な議論を進めるべきだと思った。
個人的にはインド・太平洋地域の記述がもう少しあればと思うが、それを差し引いても昨今の世界の状況を俯瞰するには最適な一冊と思う。
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分量は多いが、スラスラ読める。石油を通じた世界の流れが分かりやすく書かれているため、イメージしやすく非常に勉強になる。
こういう内容を高校とかで学ぶと面白いし、大学で何を学ぶかのヒントにもなると思う。
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過去の変遷は振り返って整理することはできても、未来の予測は極めて困難だとあらためて思う。シェール革命やコロナウイルスなど、突発的な事象で世界は大きく変化する。変化に対応できるか、変化を楽しめるか、そんなマインドを大事にしたい。
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ダニエル・ヤーギンの「石油の世紀」は名著だと思っていたところ、この新刊。ロシアとウクライナの戦争を理解するためにも必要な本だと思って購入。
再エネを追いかけているだけでは理解できない、生々しいエネルギーの地政学。とても勉強になる。
そして中東がここまでぐちゃぐちゃになったのは、むしろ21世紀に入ってからだということがわかり、愕然とする。
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シェール革命 軽くて品質の良い原油
米国の原油輸入 2019年 ペルシャ湾11% カナダ50%
品質の低い重質油用の米国の製油施設
2015年輸出禁止解禁 輸入量 2008年 総供給量の60%が 2019年3%以下に
LNG輸入から輸出へ 2018年世界最大の産油国へ
ロシア 石油と天然ガス 歳入の40~50%、輸出収入の55~60% GDPの30%
原油価格の急落 1991年12月 ソ連死亡宣言
ウクライナ=辺境の地 中世 キエフ大公国 1994年ブダペスト覚書で核放棄
欧州への天然ガス80%がウクライナ経由 関税
2011年 ノルドストリーム開通式 天然ガス35%ロシア産 EU全エネルギー9%
東方シフト
中国とロシア「パワー オブ シベリア」2019年開通
カザフスタンの石油の20%が中国向け
中国 輸出 対露350億ドル 対米4100億ドル
「トゥキディデスの罠」覇権国と新興国の戦争 アテネとスパルタ
中国 石油の75%を輸入 世界エネルギー消費の25% 85%が化石燃料
太陽光パネル 中国で70%生産 2010年から9年間で85%価格低下
ソーラーウェハー95%が中国製 ポリシリコン生産量の60%
2019年 設備容量 642ギガワット 10年前の14倍 実際の発電量はその20%
風力発電
2019年 618ギガワット 40%アジアのうち3/4中国 95%が陸上 利用率25%
2010年から9年間で50%価格低下
原子力発電
2011年福島の後、2019年の間 ドイツ17基停止、中国34基新設
インド
半数が「バイオマス=汚い」非商業エネルギーを利用 商業電力の75%が石炭
すべてのエネルギー源を組み合わせる独自の考え
薪オーブン→プロパンガス ディーゼルエンジン車→天然ガス
太陽光パネルに関税で障壁
海洋ゴミの90%はアジアとアフリカの10河川から
薬や試薬の99%は石油由来の原料から
石油需要のピークは2030年代半ば?
風力タービン1基=鉄1500トン、コンクリート2500トン、プラスチック45トン
電気自動車一台のバッテリー 23万キロの原料を採掘
実質ゼロ 「カーボンニュートラル」
1.炭素回収 植樹 回収エンジニアリング
2.水素 エネルギー密度高い 再生可能エネルギーでグリーン水素を作る
3.電力貯蔵 リチウムイオンバッテリーのコストと廃棄 レアアース
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2022/3/23読了。思いもしなかったロシアプーチン大統領によるウクライナ侵攻には唖然としたが、実は2014年のロシアのクリミヤ地区侵攻から今日まで紛争の火種は顕在化していた。日本で平和に暮らしている人間にはただ分からなかっただけなのだが…。今回の戦争を目の当たりにして本書を手に取り地政学リスクを背景に政治状況の変化(強国の覇権争い)の中で資源がどう利用されているのか…これが権力に利用され悲劇を生んでいることも知ることになるのだが、世界地図を傍らに置き非常に感慨深く考えさせられた。この分野の第一人者だけあって分かりやすくかつ読みやすかった。
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読み応えのある本。
地域ごとの資源、産業ごとの資源。多角的にとらえています。
今のウクライナ、ロシアの話も分かりますし、ISなど中東情勢も分かります。
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ロシアとウクライナの戦争を契機に資源価格が高騰している背景をより深く知りたくて、本書を読んだ。地政学の第一人者である著者が、アメリカ、中国、ロシア、中東のエネルギー事情を丁寧に紐解いており、分かりやすかった。
日本は東北大震災以降、原発稼働を最小限にしているため、電力供給を火力発電に多く依存している。火力発電の燃料となる石炭・天然ガスは輸入していることから、海外の紛争や政治リスクは、エネルギー供給を不安定化させ、日本にとっても重要な問題である。
本書で面白かった点のまとめ
①アメリカはシェールオイル・ガスの発展により、世界有数の石油・天然ガスの輸出国となった
・紛争リストが高い中東に天然資源の輸入を依存するのは、アメリカ経済にとって打撃を被る可能性がある。そのため、シェールオイル産業の発展で、自国内で天然資源のサプライチェーンを構築できたことは、経済安全保障において重要。
・アメリカがイラン核合意でイランの石油輸出に制裁を課すことができたのも、アメリカのシェールオイルガスで供給が増えたから。
・とはいえ、中東諸国の石油産油量は世界トップであり、石油価格は中東諸国の動向によっても影響される。石油価格の高騰はアメリカ経済にとっても負の影響があるため、中東諸国への介入をアメリカがゼロにすることは考えにくい。
②中国の東シナ海の進出は、天然資源の確保と航路を抑えることが目的
・中国が東シナ海進出の歴史的根拠としているのは、第一次世界大戦時に中国が作った地図。欧米と日本に領土割譲をされていた、当時の中国は、軍事力では欧米諸国には叶わないため、自国領土の正当性を地図で示し、その地図において、現在の東シナ海までを中国領土としていた
③ロシアとウクライナの対立
・EUROとロシアの綱引き状態にあるウクライナの紛争は2004年の大統領選挙にまで遡り、2004年のオレンジ革命(不正選挙に対する民主化運動)に対してプーチンは反発していた。そのため、ウクライナを経由していたガスパイプラインから天然ガスをロシアは抜き取った。まさに報復
④イラン・イラク戦争を巡る構図
・イラン革命前は、サウジアラビアとイランは共産主義国への対策で協力していたが、イラン革命でイスラム原理主義に回帰し、ジハードの名の下へ革命輸出をしている
・シーア派が主流のイランでは、同じくシーア派のシリア、イエメン、レバノンをテロリズムで支援する。
・イラン革命後にフセインと対立し、イラン・イラク戦争。対立の背景は、ホメイニ師はバース党(イラクの与党でスンニ派)を国民の多数派であるスンニ派を虐げていると糾弾し、フセインはイラン国境付近にある石油油田の確保を狙った。
・サウジアラビアはイランの革命輸出を危惧し、イラン・イラク戦争ではイラクの金銭支援をしていた
・イラン・イラク戦争の長期化したことで、フセインがさらなる領土獲得と石油資源を求めてクウェートへ侵攻
⑤イラクに侵略する革命国家イラン
・2001年のイラク戦争のきっかけになったのは、アメリカがイラクが核開発をしている疑惑��あると考えられたことだ。開戦の根拠である大量破壊兵器はイラン国内で見当たらず、フセインは後に「イラクに対抗する手段として、破壊兵器の保有をちらつかせた」と述べた
・イラク戦争後のイラクにもイランは進出し、シーア派の革命輸出の拠点にし、そこからサウジアラビアや湾岸諸国への進出を狙った。既にイラク指導部には、イランの息が掛かったシーア派工作員がいる
・アメリカはイラクから撤退しているため、イランの侵略が進むイラクは一層のカオス
・中東の大国であるサウジアラビアは、王国でもあるため、革命国家であるイランとは対立関係にある
⑥レバノンはイランの革命輸出モデルケース
・政治武装組織ヒズボラはイランの手引により、レバノンで組成されたシーア派コミュニティ。ヒズボラは、イランによる武力訓練も受け、2020年には連立与党政権になった。
⑤ISIS
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エネルギーを主役に歴史的観点や経済、政治動向を踏まえた国ごとの考え方、戦略がコンパクトにまとまっていて有益。ただ、コンパクトと言いながら鈍器レベルの分厚さ…
個人的には中東の予備知識が足りず若干消化不良ながら、サウジアラムコの上場等腹落ちする部分も多かった。定期的にアップデートして欲しい本。
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『これまでの20年以上、ウラジーミル・プーチンは大統領として壮大な「国際的事業」に取り組んできた。それは旧ソ連諸国をまたロシアの支配下に置くことであり、ロシアを世界の超大国として復活させることであり、新しい同盟関係を築くことであり、ひいては米国を押し返すことだった。どれほどロシアに原因があるかは別としても、プーチンの思惑にかなった結果になっていることは間違いない。北大西洋条約機構(NATO)の分断しかり、EUの分裂しかり、米国の政治の混乱や、醜悪さや、二極化しかりだ』―『第9章 プーチンの大計画/第2部 ロシアの地図』
自分がこの業界---ここで少し長めの無駄話になるのだけれど、石油業界(あるいは石油会社)というと、日本では一般的にガソリンスタンドやサインポールを出している石油元売りの業界(あるいは会社)というイメージが強いけれど、欧米ではむしろオイル・インダストリーと言えば石油を生産する方の業界を指すことが多いんだよね。いわゆる業界の川上(=上流)側を指している訳で、これが無いことには川下もない訳だから。石油という言葉をお堅く訳せば実はOilじゃなくてPetroleumだけど(これはむしろ原油(=Crude Oil)と同義)上流も下流も含めた業界の意味だとPetroleum Industryが使われる印象。そして石油には原油と天然ガスが含まれる。ついでに言うと20年くらい前までは天然ガスはおまけ(というかハズレ)だったのが、最近はOil CompanyじゃなくOil & Gas Companyというのが一般的になったくらいガスも商品として価値が認められるようになった(それも今後変わるだろうけど)。なんでこんな話をするかと言えば、今の日本人のほとんどは石油が輸入出来て当たり前だと無意識に考えていて、石油が戦略物質だということに中々ピンと来ないから。皮肉なことに戦前の軍部はそのことを確り理解していた---に入りたての頃、世の中ではまだセブン・シスターズという言葉が実態を伴って存在していた。なので、最初の海外赴任の頃に出版されたダニエル・ヤーギンの「石油の世紀」は、まだ駆け出しの自分には業界の歴史と共に暗黙のゲームのルールのようなものを知る絶好の教科書だったことを覚えている。
そのヤーギンの最新作「新しい世界の資源地図」は、米国、ロシア、中国、そして、中東という、どの国にとっても石油資源戦略上外して考えることの出来ない基軸において過去30年程の間に起きた大きな変化を概観し、更に自動車、気候問題という観点から近未来の方向性を占って見せるという大著。「石油の世紀」の続編との位置付け(「探求」は飛ばしてもいいような気がする。気候変動を気候危機と同義語と捉える向きには逆なのかも知れないけれど)であるが、後半の2つのカテゴリーについては現在進行形の部分が多く、明確な視座を提供するという訳ではない。元々著者の得意とすることは飽くまで複雑に絡み合った事象の背景にありそうな、全体を統制するかのような要因(あるいは物語)を見い出すことで、未来予想をすることではない(というのは言い過ぎかも知れないけれど)。それに、やはり四地域に関する洞察こそヤーギンの面目躍如という感じがする。
『もっと若い補佐役たちの考えは違った��「アラブの春」の盛り上がりに感激し、フェイスブックやツイッター世代に共感を覚えていた。聴衆の心を掴むオバマの演説の力を信じていた彼らは、ムバラクの追放を躊躇しないよう大統領に直言した。「歴史の正義の側」に加わるべきだ、と。「しかし、どちらが歴史の「正しい」側で、どちらが「誤っている」側なのかは、誰にもわからないのではないか」と、ゲイツはのちに書いている。「希望と理想主義によって始まった革命のほとんどが、抑圧と流血に終わるのだ。ムバラク後に何が起こるかは、誰にもわからない」』―『第4部 中東の地図/第31章 対決の弧』
米国のシェール革命、ロシアの天然ガス資源開発、そして中国のエネルギー需要の増大と地政学的平衡感覚、どれもセブン・シスターズ後の世界での大きな変化であり、ヤーギンの考察は、その時代を同時並行で走って来た身には尚更、なるほどと思わせるところがある(もっとも、そもそも岡目八目とも言うし、並走している限り歴史的な流れは見え難いというのは世の常だし、実は個別の小さな動きの背景にあるものが個々の決断全てを論理的に決定している訳でもないと思う。歴史とは、結局のところ過ぎたものを顧みて総括する以外、把握することは困難なものなんだと思っておいた方がよい、と個人的には思う)。けれど、やはりエネルギーの供給を考える上でどうしても外せないのは石油であり、それが中東地域に偏在しているという事実から目を背けることはできない。本書の各段落に費やされている頁数を比較してみても、米国(72pp)、ロシア(67pp)、中国(65pp)、中東(166pp)、自動車(58pp)、気候(53pp)と圧倒的に中東に割かれた頁が多い。資源量の偏在に加えて、宗教、民族、いわゆる国という単位の成り立ちのどれもが一筋縄では捉えられない複雑さを有していて、尚且つ、その変化も激しい地域であるのだから仕方がないと言えばないのだが、そこに、欧米露の思惑も入り乱れているので尚更だ。そして更にそこに加わる中国の一帯一路。この地域において白地図を塗り分けるようなヤーギンの考察も現時点では合理的なものと思えるけれど、未来については必ずしもその合理性の延長にある訳ではない。
『移行はどれくらいの速さで進み、どのような影響を及ぼすだろうか。予測には大きな幅がある。IHSマークイットのシナリオによれば、世界の電力消費は2040年までに最大60%増える。その時点で、風力・太陽光が全発電量に占める割合は24%から36%になると予想されている。どちらにしても現在の7%からは大幅な上昇になる。予想に開きがあるのは、容易に想像がつくとおり、技術や発明、政策や経済の未来については、どうなるかわからず、さまざまな想定がなされうることによる』―『第43章 再生可能エネルギーの風景/第6部 気候の地図』
例えば、IHS Markitという会社は、少し前にファイナンス情報を提供するMarkitと合併する前までIHS(Information Handling Service)という会社で、石油業界の情報提供会社としてはもう少しシンプルな会社だったし、そのIHSだって石油部門に関してはCERA(Cambride Energy Research Associates。ヤーギンが設立)を買収したことで単なる情報サービスから脱して業界の雄であったWood MacKenzieと肩を並べるシンクタンクのメインストリームに出てきたという印象。そもそもその��はもっとシンプルな探鉱情報(いわゆるスカウト情報とマップ)を提供する業界的には最大手だったPetroconsultantsという会社を買収して参入して来た部外者的会社だったという印象が未だに自分には残っている。そういう栄枯盛衰を傍で見てきた身としては、業界の常識が変わるのは本当にあっという間ということを忘れてはいけないと思うこと頻り。例えば、どんな類の開発にも付き物であるHSE(Health-Safty-Environment)だって、20年くらい前までは工事現場的な単純なHSだったのが、今やSHSE(Social-HSE)と社会的責任も負わなければならない立場を操業者に課すこともある。けれど、例えばアフリカ東岸に於ける開発で負わなければならない社会的な責任とはどこまでの範囲を含んだものなのか。その国の資源に対する適切な開発はもちろんのことだが、貧困救済までも考慮した地域の活性化策も含むのか、はたまた地域間の貧富の差の解消策も含むのか、民主的な為政者の支援策も含むのか、と考えだせば切りがないし、より問題は複雑になる。だから単純な物語というのは本当は存在しない、とどうしても思ってしまうのだ。
ヤーギンの本はいつも大部で読むのが一苦労という感じだけど、歴史書的な記述で混沌とした社会情勢の変化などを筋立てて語るので、判り易いと言えば判り易い。でも、例えば日本史における司馬遼太郎の「創作」のように少し判り易くし過ぎているところもあるのだろうと思いながら読んだ方がいいようにも思う。
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エネルギーの視点で世界を読み解き、驚くほど近現代史の解像度を上げてくれる良書。エネルギーは経済を動かすだけではなく、世界を動かす重要な要素なのだ。
アメリカ、ロシア、中国、中東の各地域を順に読み解き、アメリカのシェール革命によるゲームチェンジ、ロシアにとってのウクライナの重要性、中国による南シナ海への進出、中東の紛争など、ニュースで伝えられる断片的な事象の背景などが、線としてつながりで理解することができた。
話は自動車、環境と進み、石油・天然ガスからのエネルギーのシフトの行く末まで網羅されており、読み応え十分の内容であった。
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かなり勉強になりました。世の中は、それぞれの国が自己主張する不安定な世界で、お互いバランスを取らないと戦争の引き金を引いてしまう関係になっています。その原因や関係性を理解する上でとてもいい本でした。
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素晴らしい本で、ぼやっとしていた資源の事情についての解像度が格段に増します。
国ごとのトピック、資源ごとのトピック、歴史に着眼点を置いた展開など、ストーリーをベースに読み解ける。
必携の本と思いました。