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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊が出るごとオダジマさんの本は楽しみに読んでいました。しかし2022年6月の突然の逝去。残念でなりません。
オダジマさん=コラムという図式でしたが、本書は小説。登場人物は重複し、物語も重なっていく、ハニカム構造の作品です。小話の集合体といった感じでサクサク読めます。
本当に惜しい才能を喪ったものです。
もっと読みたかった。
2022/06/27 04:24
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投稿者:Shandy - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のあとがきを読んで、周囲の方へ向けた潔さを感じました。次回作が読めないのが悲しい。。。
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投稿者:BROAD - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者による小説はこれが最初で最後です。文体にはにコラムニストの語り口が見え隠れします。
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コラムニストであった小田嶋隆氏が複数の雑誌に掲載してきたらし短編小説をまとめたもの。鋭いキレがある訳ではないが著者ならではの切り口や著者の実体験に基づくと想像される内容もあり楽しめる
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この本をまさに読もうとしたときに、訃報を知った。
本当に残念、悲しく寂しい。
コラムニスト、いや文筆家として、誰よりも才能にあふれている人だと、私はいちばんに尊敬していたのです。
あの辛口エッセンスが大好きだったのだ。
この本も洒脱の効いたエッセイと思って読み始めたところ、なんと小説ではないか!
(実は文京区から読み始めたので、まだ小説だとは気づかなかった(^^;)
まさか小説にも挑戦していたとは・・・この先が続かないのが本当に残念無念。
岡康道さんとの長い付き合いでの掛け合いも好きでした。岡さんの訃報を知った時もびっくりしたのに、まさかでした。
ご冥福をお祈りいたします。
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「本当のことを書く」縛りから解き放たれた小田嶋さんの物語。時も場所も登場人物達も自由自在に、それぞれがさまざまな理由でほんのちょっと交流したり、すれ違ったりするのだけど、実在する地名から連想する風景が妙にリアルで、若い頃、見たり聞いたりした「本当のこと」とも重なって時間と記憶、自他の感覚が交差して切なさにくらくらしてしまう。ひとつひとつの短編につけられたサブタイトルもとても好み。
Twitterやweb連載が更新されない現実が不思議に思えるほどそこかしこに小田嶋隆さんらしさを感じる一冊。(2022年6月24日逝去)
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コラムニストとして私が絶大な信頼を置いていた著者の遺作となってしまった、著者はじめての小説。
根っからの東京っ子である著者の描く23区それぞれを舞台にした小説で、そこそこ多くの区に馴染みがある私も期待していたが。
まぁ人には向き不向きが有るのだという感想を持った。
もうすこし区独自の雰囲気が欲しかったという、偉そうな感想だが、これもこの著者からはそれ位のものはいつも頂いていたから。
今迄楽しませてくれて有難う御座いました。おやすみなさい。
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小田嶋さんの遺作。
図書館になく、紙で請求してようやく図書館に入った。
この間、予約・請求した人は僕以外にいない。
そういう僕も、購入までして読もうという気は、ない。
小田嶋さんは、僕にとってそういう人になってしまっていた。
小田嶋さんの文章を好んで読むようになったのは、2000年代の早い時期だったと思う。
ブログ、書籍、ネット記事、手当たり次第に探して、夢中で読んだ。
世の、いい子ちゃんな、賢しらげな、しかし浅薄な「常識」に、毅然として対峙していたように思えた。
くだらないことなんだけど。
ここ、10年ほどだろうか。
書くものが極端につまらなくなった。
Twitterで「俺の知ってる小田嶋隆なら、随分前に死んだよ」と書いている人がいて、我が意を得たり、と感じた。
以前、昔好きで、最近どうしてかつまらなくなった作家の、昔熱狂的に好きだった作品を再読して、どうして、なにが良いと思ったのだろうと思ったことがある。
多分自分が変わってしまったのだろう。
小田嶋さんもそうかと思い、久々に「人はなぜ学歴にこだわるのか」を再読した。
昔と変わらず、冴えた面白い本と感じた。
変わったのは、小田嶋さんなのかな、と改めて思った。
でも、彼が、気に入らない、と思った「賢しらげ」が、僕の思う「賢しらげ」と変わってきただけで、彼は変わらず、気に入らないものに、気に入らないと言い続けてきただけだったんだろうか、とも思う。
変わらない人だった、のかもしれない。
あとがきに、この小説を書くのが「楽しい作業だった」「とても楽しい時間を過ごすことができた」と書いている。
多分、晩年。ということなんだろう。
自身が楽しんで書けたのは、彼にとって幸せなことだろうし、それはそれで良かったのではないか、と思う。
随分楽しませてくれた方だし。
しかし、本作は、正直、普遍的な意味で楽しめる作品だとは思えなかった。
とは言っても、若い頃小田嶋さんに熱中していて、この登場人物は誰のことなんだろう、小田嶋さんはこうした部分を登場人物に託したのかな、などと思いつつ、読む分にはなかなか味わい深いものがあった。
それは、追悼という意味合いもあっての楽しみ方だった気もする。
いずれにせよ、もう新しい小田嶋さんの文章を読むことはできない。
残念だが、これで完結、ということか。
これまでありがとうございました。
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ゆっくりな日も。進む日も。
まるで晩酌のように、好きな区から気の向くまま楽しみました^^
知ってる東京と知らない東京。
その中で生きる登場人物たちは、みんなそれなりに不幸だった。その仕方ない人間くささが切なくて魅力的で、ジタバタしてばかりの自分も励まされたような気持ちになりました。
小田嶋さんの書く文章はとても素敵でした。
特に私の育った区の表現は言い得て妙で、小田嶋さんと地元トークをしているかのような親近感がありました。
ふとした時にまた読み返したいなと思います。
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あまり達者に書かれた一冊ではなかった。小田嶋さん、遺作ちゃんと読んだよ、というような思い入れ。
最初の方の短編とかほとんど覚えてない。連作のようで連作でないみたいな構成も特によい効果を生んでいるわけでもなく、単に筋と通すことの努力を放棄しているようにしか見えない。つーか新宿とか杉並とか起承転結がないどころかほぼなんにもない章のしんどさ。なんなんあれ。もう少し小説を書くということに自覚的でないと小説なんて書いたらいけないんじゃない?有能なコラムニストなら許されるの?だとしたらファックでしかないんだが。
シマヘビの話は印象に残った。この話だけ、登場人物のことを考えるときにオダジマンを想像する必要がなかった。洒落ていて小粋で好き。
あと10年生きて精進してればいい作品が書けたかもね!追悼!
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著者の遺作となる最初で最後のショートショート。
著者が生まれ育った東京で見たり聞いたり経験したりしたことが再構築されて小説化されている。
夫々の作品は、一部を除いて著者の子供時代からの経験や記憶が基になっていると思われるが、内容は違っても自分自身も似たような経験をしていたような気がする。
おそらくこの小説の読者は、皆が似たような感覚を持つのではないだろうか。
それだけ普遍的な内容を含む作品だと思う。
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東京23区をテーマにした短編小説。一つ一つが微妙につながっていたり、全然つながってなかったり。
日経新聞の書評か何かで面白そうだったので読んでみた。
一つ一つが短いので、まぁ短編だからしょうがないけど、なかなか共感までの行かなかった。
一方で、自分も40年以上首都圏に住んでいると、23区は何某かの形で行っているわけで、それを思い出しながら自分の思い出や経験を日記みたいに書いて残してみようかな、という気にはなった。
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いろいろな試作的短編を集めたもの。断片集とでも言えるかも。残念ながら著者が死んでしまったため、このあとどういう方向に向かうことになるのか知ることはできない。
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昭和も平成もずいぶんと遠い。私が子供のころの戦時中より遠い。ちょっと泣きたい。堅気じゃない人書かせるとうまい
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短編集。23区を舞台とし、各区での異なった
人物同士のエピソードが連なる。
同じ人物が現れることもあるが、基本的に
繋がりは気にせず読める。
最初は一つ一つの短編が繋がっていくのかと
思っていた。実際前半は登場人物が関わった人物の
過去やその後が描かれるなどしているので
そういった考えもあったように感じるが、
後半は一話完結したエピソードが多い。
描かれるストーリーはどれもなんとなく
寂寥感が漂う。道でばったり出会った変人、
愛憎絡まる親子、人に言えない過去を持つ少年。
話は展開するでもなく、収束するでもなく、
日記の一ページのような出来事で終わり、
それから10年後20年後というように
ぱっと時間が飛び、グッドエンドにも
バッドエンドにもならない。終わりなのか
続くのかもわからぬまま、次の人に視点は移っていく。
小説としては、正直いい構成ではないように思う。
一人一人の内容の濃さや続き方がバラバラで
編みかけの生地を3つ、4つ放り投げられた感じだ。
それぞれの内容はなんとなく読みいってしまうが、
仕事の休憩所で聞かされた気になるエピソード程度で、
そこからのまとまりがない。そもそも23区の
特色が出てる物では無いし、後半は23区縛りですら
なくなってる。
だけど先述した、東京が持つ乾いた寂寥感は
かなり表現されていると思う。
仕事、友情、恋愛、結婚。多くの出会いがあり、
人の行く末は様々だが、そこからさらに年月が過ぎると
だいたい音信不通か死んでいる。でも誰も気にしない。
むしろ気にしてあげないことが優しさ。
それが東京。そんな雰囲気が感じられた。
不勉強で知らなかったが、著者は有名な
コラムニストとのこと。
取材と経験から描かれるリアリティは確かに
感じられた。ならばこの諸行無常の感覚も
作者が感じたリアリティなのだろう。
ちなみにこの連作だが、最後の話だけ
毛色が違う。最後に持ってこられたこの話は
繰り返す日常に主人公が果敢に立ち向かう。
(ほんとにSFチックに)
主人公が言う台詞はここで描かれた人々の
人生を例えるようで、とても味わい深いと思った。
この作品を上梓した後に亡くなられた作者も
このような考えであって、東京を楽しんでいたらと
願うばかりである。
〈月日は百代の過客にして という
問題文を眺めながら、芭蕉翁のことを考える。〉
〈時間の川を流れ下るオレたち人間は、
いずれ年をとって死ぬ。一見、これは、むなしい
行き暮れに思える。〉
〈だが、立ち止まってしゃがんでいる場面ではない。
とにかく、歩くことだ。歩き続けている限り、
オレは、立ち止まっているままの元のオレではない。
長明の爺さんが、教えてくれている。
行く川の流れは絶えない。しかももとの水ではない。
オレたちは永遠に変化するのだ。わかるか?松尾。〉