スサノオと行く瀬織津姫、謎解きの旅

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瀬織津姫という古事記や日本書紀にも登場しない謎の姫の正体を探って、全国の神社をめぐり歴史と神話から解き明かす内容です。

飛鳥時代の内容が多いので、奈良県や大阪府交野市の神社が多く紹介されて今まで知らなかった歴史的背景に触れることができました。
天武天皇と持統天皇が志を共にした同士として解釈されていて、荒川さんの感性に共感しました。

印象的だったのは、出雲大社でのオオクニヌシとのやりとりです。
「国譲りの際、当事者間では合意と納得があった。でも国を譲った側、封印された側に同情が集まる。」
権力を勝ち取った方より、奪われたものの方に同情してしまうのは日本人の性質だと思います。
奪われた人は可哀そうという一方的な見方をしていないか、もっと他の角度から見たら新しい解釈が生まれるのではとこの本は教えてくれます。

神様がもっと身近に感じられて、人間っぽさも感じる本です。

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瀬織津姫は祓戸大神のうちの一柱として名前を見ることができます。一方で、祓戸大神としてではなく、瀬織津姫をご祭神として祀っている神社はかなり少ないと言われています。

一時期は7割の神社がご祭神としてお祀りしていたとも言われていますが、古事記や日本書紀にはその名前は登場せず、ある時期を境に封印されてしまったと言われる謎の多い瀬織津姫。

著書とスサノオとの会話形式で、瀬織津姫とはどんな神様なのか、なぜ封印されてしまったのかを紐解く旅路はさながらRPGのようで、楽しく読めました。
各地の神社を巡り、神様との対話からヒントを得ながら、瀬織津姫の謎に迫ります。著者が尋ねた神社やお寺は25に登ります。
また、瀬織津姫をテーマとした書籍は少ないので、とても興味深い本でした。