対ナポレオン戦略家として知られるカール・フォン・クラウゼヴィッツ氏の名著です!
2020/11/05 09:00
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、18世紀から19世紀に活躍したドイツのカール・フォン・クラウゼヴィッツ氏による名著です。同氏は、1806年のイエナの会戦ではナポレオン軍に破れ、捕虜となりましたが、解放後、帰国するとプロイセン国王と離反し下野するや否や、ロシアに投じます。そして、1813年祖国に復帰してからは、ワーテルローの会戦に参謀長として参戦し、ナポレオン軍撃破に勲功を上げたことで有名な人物です。その同氏による同書は、比類なき戦略家としてナポレオンを撃破した名参謀の思考がよく分かる一冊で、ミリタリズムの域を超えて、あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブルとなっています。ぜひ、一度、読んで頂きたい一冊です。
とてもいい本ですが
2017/01/15 21:31
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投稿者:冷え性の人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争論は古い本ですが未だに現代の戦争にも当てはまることが多く読んで損はしない本ですがその長さと内容で読破するのが難しいと感じる人も多いと思います。多
難解…だけど気になる
2015/12/27 20:40
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投稿者:book on - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦略とは何か?探しているうち本書に出くわす。上下巻のボリューム、難解な内容に圧倒されつつ、読み進めるもすぐに壁にぶち当たる、そんな重い一冊。
しかし、部分部分でも何度か読み込むことで、著者の言わんとする意図が急に舞い降りる…。それは何言ってるかわからんけどなんだか熱い友達、みたいな時間をじっくりかけて付き合っていきたい、そんな一冊。
具体的だが普遍的
2023/01/21 11:45
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争とは何かを問う古典。ナポレオン戦争を中心に、具体的な事例を取り上げての考察だが、問題意識が戦争そのものの探究にあるため、普遍的に応用可能な内容である。ただし項目があまりに細部にわたっており、少々冗長な感がしないでもない。抄訳が多く出版されたのはその故であろう。
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元検事でライブドア事件の主任弁護人の先生が検事を目指す者はぜひよみなさい、と勧められた本。結構難しかったし、まず著者が出してくる過去の戦争の歴史自体知らない戦争が多かった。。でも、緻密な戦争分析は指導者としてどうあるべきか考えるうえでいいきっかけになりました。今後もずっとよんでもっと理解したいと思います
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いわずと知れた名作。
読む前に抱いていたイメージと違って「いかに戦争に勝つか」ではなく、「戦争とは何か」を論じている。
行軍や退却、奇襲などについても触れられていて、18、19世紀のヨーロッパでの戦争がどのようなものだったかイメージが湧きやすい。
加えて内容は著者の経験が基底となっていて説得力がある。
ただちょっとわかりにくいことと、著者のなんとはないいい加減さが窺えたので星四つ。
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難しいけども、3回読み直さないと理解出来ない…いや理解できてるかも分からんが、とにかく読みきることが目標。今言えることは、序文は秀逸だってことですね。
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簡約で文庫は嬉しい!
訳も読みやすいです。
…内容自体の理解が難しいのですが…
下巻の解説が非常に親切です!
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カール・フォン・クラウゼヴィッツは、いまから230年まえの1780年7月1日に生まれたプロインセン王国の軍人・軍事学者。
ナポレオン戦争の経験を元に書かれたものですから、現代の私たちからすればだいぶ古くさいという感覚があって、こういう方面の著作でまず最初に私が手にしたのは、憧れのフランス五月革命というのも手伝って、アンドレ・グリュックスマンの『戦争論』(上下巻・岩津洋二訳・雄渾社・1971年)でしたが、これはいかにも哲学者が書いたというふうなバロック的な暗喩と黙示に富んだ文章だったような記憶がありますが、それに比べてクラウゼヴィッツのこの本は、例の有名な「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」が象徴するように、もっと本質的な具体的な考察に満ちた本で、戦争の当事者・専門家でない私たちが読んでも様々に示唆に富んだ含蓄のある記述がいっぱいある本です。
全体を8編に分けて、戦争の本質について、理論について、戦略一般について、戦闘、戦闘力、防御、攻撃、作戦計画というふうに戦争について細かく徹底した分析をした内容ですが、日本での需要はもちろん軍人中心に決まっていますが、なんと後に軍医にもなったあの文豪・森鴎外が独逸留学の際に読んでいたといいますから面白いですね。
この本を読んで堪能して、こうなると次は世界中の戦争論や革命論に興味が向いたのも不思議はないのかもしれません。
私はゲーマーではありませんが、純粋に空想・理論の産物として、もしくは現実の忠実なドキュメントとしての醍醐味にただ惹かれるだけですが。
エンゲルスの『ポー川とライン川』やレーニンの『国家と革命』『帝国主義論』、ゲバラの『ゲリラ戦争』やトロツキーの『永続革命論』や『裏切られた革命』や『赤軍の形成』、毛沢東の『持久戦論』『戦争と戦略の問題』やボー・グエン・ザップの『人民の戦争、人民の軍隊』、北一輝の『国体論及び純正社会主義』や石原莞爾の『最終戦争論』、ロレンスの『知恵の七柱』やバタイユの『呪われた部分』やレヴィナスの著作など、すべて興味津々と熱狂的に読んだのでした。
いやあ、戦争論ってなんて興味尽きないものなんでしょうか。早くこんなもの読まなくて済む世界に、なってほしいものですね。
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19世紀前半に出現したこの兵学の書は、その筋ではかなり重要な古典的名著とみなされているようだ。
当時の戦争における戦力は主に歩兵、騎兵、砲兵であり、マキャヴェリの時代より少し進み、「近代戦」になってきていた。
本書でのクラウゼヴィッツの、分析・記述はかなり詳細である。ひとつひとつの概念の規定をも慎重に行おうと細心の注意が払われており、まるで哲学者の著作のようだ。
とはいえ、「国家とは何か」「国家の戦略のために見知らぬ他者を殺し殺されるとはどういうことか」というようなラジカルな問いにまでは到達しないので、やはり哲学書ではない。
戦争を政治の延長であり、政治の一部でもあるとするクラウゼヴィッツの見方はクールだ。
兵学そのものに関しては私は何も知らない人間なので、今回はクラウゼヴィッツの論の運び方を見て楽しむくらいだったが、地上戦に関しては、ある程度、本書はまだ軍事学上参考とすべき点があるのだろうか?
本書はナポレオンの時代に書かれたが、その後、テクノロジーは急速に発展し、第1・2次世界大戦では爆撃機が飛び、戦車が走り、さらには核兵器の出現と、戦争の様相は明らかに新次元に突入した。
さらにその後の現在は、無人機等のリモート・コントロールや各種のレーダーなどなど、最新のテクノロジーが駆使される場面ではクラウゼヴィッツなど大昔の話でしかないだろう。
ヨーロッパ大陸では国家が互いに近接しあい、繰り返される侵略や戦争を経て国が消滅したり新しく生まれたりという歴史が作られてきた。従って、戦争が「必然的な、回避不能なものである」という認識はヨーロッパの伝統であり、その辺が、日本人だと感覚が異なる。たいして資源も持たないこの島国の歴史には、他国との争闘が近代に至るまで、本格的には出現しないのだからムリもない。
さてクラウゼヴィッツよりも断然新しい、20世紀以降の兵学(軍事学)の古典的名著ってなにかないだろうか。でも最新の情況については、明かされることはないのか。そのへんのミリオタくんが詳しいのだろう。
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フランス革命-ナポレオン戦争の軍人による戦争論
古典的名著だが時代背景やジョミニの知識が必要で
クラウゼヴィッツ自身も不完全な著作を認めている難しい本
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すべてを読んだわけではなく、前半を読みましたが、
「戦争における戦略一般について」という章は秀逸です。
昨今、「戦略」と「実行」が部署レベルで分離されていて、それぞれを担う担当者がいますが、戦略ー戦術ー戦闘は、一体不可分であるため、そのすべてを見通せないと、その戦略は失敗するとあります。
普段の仕事のなかでもよく見られる状況で、肝に銘ずべきだと思いました。
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孫子の兵法とともに有名な戦術本。孫子の兵法が抽象的、普遍的な内容が記述されるのに対して、本書はこれまで起きた個々の戦争を、著者のクラウゼヴィッツが実証して見解を述べる形式となっている。ゆえに、本書は孫子の兵法と比べて膨大な内容となる。
上巻の冒頭で、クラウゼヴィッツは戦争の本質を説く。それは、敵を自分たちの意志に屈服させるための暴力行為であると。また、戦争と政治の関係についても繰り返し言及している。政治において、戦争も政治のための手段として用いられる、つまり不可分の関係にあることが読んでいくうちに理解できるであろう。
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19世紀プロイセンの軍事学者、クラウゼヴィッツによる、戦争と軍事戦略に関する本。
彼自身も従軍した対ナポレオン戦争を中心に、中世〜紀元前に遡る各戦闘を行き来しながら、戦争に含まれる各要素について言及される。
それぞれの戦史や登場人物が詳細に述べられるので、歴史も学べて勉強になる。
専ら戦争における戦略について述べられるが(作者は「戦略」と「戦術」の定義に厳しく、戦術については触れないとたびたび言及する)、戦争に限らず、現代の仕事や職務についても役立つものであると感じた。
例えば、「戦争におけるすべてのものは非常に単純であるが、それが累積され、戦争を見たこともない者には想像だに出来ない障害となる」というフレーズ。
戦争に限らず、企業活動やそれに伴う各職務には、このような事態が多かれ少なかれ発生する。
事態が予断を許さない中、勝利に向かって迷い無く進む司令官の精神力についてたびたび言及されるところも興味深い。
或いは、前衛をどの距離に位置させるか、軍行はどの程度の期間を要するか、糧食や交通についてなど、数値計算に基づいた戦略立案に、緻密な計画の面白さを改めて見出した。
自分の仕事に対して向き合う、良い契機であった。
また、戦争は勝利が決した後の戦闘で初めて果実を得られる、というところは、敵方の徹底的な殲滅を主張したマキャヴェリの考えと同じだと感じた。
最近戦略書をまとめて読んでいるので、このような類似性や相違点を発見するのも、また楽しみである。
さらに、本書巻末の訳者解説は秀逸である。
戦史を改めて振り返り、それに伴う戦争の変遷を、古代〜21世紀の現代に至るまで、非常にわかりやすくまとめてくれてある。
その中で特に印象的だったのは2点。
1つは、クラウゼヴィッツが封建的思想が根強いプロイセンの軍人でありながら、如何にフランス革命後のナポレオンの戦略に感銘を受けているか、というところ。
もう1つは、フランス革命、封建社会の崩壊、それに対する反動主義、産業革命とそれに伴う資本主義台頭、さらには資本主義の高度発展段階としての帝国主義、という18世紀〜19世紀の出来事が、如何に戦争のあり方とそれに伴う戦略に影響を与えたか、ということであった。
中世までの、貴族層に限定した「戦場での決闘」としての戦争が、市民革命の進捗とともに都市と市民全体を巻き込み、次第に国を挙げた総力戦に至るまでの過程がわかりやすく腹に落ちた。
最後に、これから読む方へは、1つ注意を促したい。
著者のカール・フォン・クラウゼヴィッツは貴族であるため、この書はその階級に相応しい文体で書かれているらしい。
日本語訳も、日常では使うことのない言い回しが見られた。
「格調の高い文章」を読む心地よさは確かに感じられ、単純に読むことの楽しみがあることはわかる。
しかしながら、非常に回りくどかったり、言葉の定義にこだわり何度も念を押したりするところは、やや過剰にも感じられる。
例えば、「火器が発達すれば騎兵の影響力は弱まる」という至極わかりやすい事実が詳細に長���に渡り論じられるが、無論その必要性はあまり感じられないのである。
日本では、16世紀に既に信長・秀吉が証明済みだ。
当時のドイツ貴族の雰囲気を感じつつ、優雅に読むもよし。
自身の仕事に生かせるヒントを探すもよし。
ヨーロッパの戦史を学ぶもよし。
様々に読める本だが、人様におすすめするとすれば、このように冗長な文章を勧めるのはやや気が引けるので、解説本などのほうが手に取りやすいかもしれない。