現代の結婚問題を理解出来る
2017/12/16 21:40
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投稿者:ぷー - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代は高度経済成長期に導入された年功序列制度から成果主義に移行しているため結婚適齢期の男女は親世代と比較すると生涯賃金の低下や雇用の不安定に直面している。
そのため結婚して子供を作ってマイホームを建てるといった親世代では比較的標準的な生活スタイルを結婚後に出来なくなっている。
このような時代では親世代と結婚後の生活スタイルが変化するのだが、その変化について「逃げ恥」を上手く使って細かい所まで説明しているのが本書である。
現在結婚を考えている人でも考えていない人でも現代社会にマッチした結婚スタイルが分かるようになるのでお勧めである。
結論としては、ダブルワークで家事も分担が現代に一番マッチしている結婚生活である。
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投稿者:Jose - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性にとっては、特に若い女性には、とってもためになる1冊。年配の女性や彼女らに育てられた世代の男性には理解できない、したくない内容かもしれないが、これが現代の現実。これからパートナーを見つけ、籍を入れる・入れないにかかわらず、結婚し、子育てを考える女性にはとても参考になる本。ぜひパートナーにも読んでもらいたい。
前半部分は納得。せっかく問題提起は「いい線」いってるんだから、どうしたらいいかの提案をもっと真剣に。
2017/11/04 11:25
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
結婚の経済価値、結婚の在り方に一石を投じたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。
「専業主婦は3色昼寝つき」の「呪い」を解く、結婚の価値を因数分解して見せて、世間が、どんだけ女性の家事労働に対して目を向けてこなかったのか気がつかせるものとなった。その後、「ワンオペレーション育児」に疲れ切った女たちからの告発・逆襲が始まっていく。
主婦の給料月19.4万円は正当な対価。夫の年収が600万円以下なら専業主婦は搾取されている。夫の賃金が300万円以下なら専業主婦は最賃以下になる。ワンオペ育児なら、夫の年収は1250万円必要。など女性の犠牲の上に、現在の日本経済が繁栄してきた実態が明らかにされている前半は納得のいくものだ。
性別役割分業に基づく男女の経済格差はとんでもないことになっている。先ごろ発表された世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、毎年後退し続け、144か国中114位。日本のランクの前後には、アフリカや東南アジアのいわゆる開発後進国、男女差別を宗教として進めるイスラム諸国が占めている…
しかし、本書の限界は、著者が政府機関の審議会のメンバーということで、対策の甘さが露呈される。テレワークや男の産休などの働く者自身の意識改革に重点が置かれる。そんなの「やりたくてもできない」人いっぱいいるんだよということを突っ込まない。労働者の思い通り定時に帰れたり、有給休暇が思い通りに取れない、性別役割分業前提の現在の「会社システム」や「労働法の規制の甘さ」をどうするかへの提言もない。保育所には入れないことも問題にしない。「介護離職」だってあるし、女性はやむなくやめる人いっぱいいるんだよ。政府筋に提言できる立場にいるんだったらもうちょっとましなこと言ってもらいたいね。せっかく問題提起は「いい線」いってるんだからさ。
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図書館で見た途端、これは読まねばと思って借り出し夢中になって読んだ。正直『逃げ恥』は見ていない。ただ、だいたいの筋は知っているつもりだったが、本書を読んで行くと、端々に大事なメッセージが込められていることがわかった。それは、これからの男女がどのような関係を築いていくかという大きな問題である。白河さんは社会学者の山田昌弘さんと「婚活」(や「妊活」も?)ということばをはやらせた人として知られるが、男女共生の問題についていろいろ発言をしていて、ぼくも何冊か読んでいる。一方の是枝さんは小さい頃から経済とデータ分析、それに少女漫画がすきで、『逃げ恥』も雑誌連載のころから愛読していて、これを経済学的に問題にできないか考えていたそうだ。だから、本書にはいたるところに統計データが出てくる。それは、男女が働くとどうなるか、妻が専業主婦だとどうなるかをデータから分析したもので、たとえば、妻が子どもができて子どもを保育所に預ける。そうすると子どもの人数によっては保育料の方が給料よりも多くなることがあるが、一生の収入を計算すると、そのまま頑張った続けた方が得だとかである。家事にどんなものがあるかを「見える化」する表を貼るというのも名案だ。家事のうちでも必ずしなくてはならないものと、趣味的な家事があるというのも面白い。ぼくは、本書を読んで二人の娘に「お薦めの」メールを送ってしまった。
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まだまだ結婚とか遠い世界の話だけど、家事労働の価値等が数値としてはっきりと出ているのが画期的だった。また、好きの搾取の意味がちゃんと理解できた。
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7)結婚できない=ハズレの男性と結婚しない自由がある
97%の日本人が結婚していた時代=誰かがDV男やだめんずを引き受けていた
32)主婦の年収相当額=304.1万円
主婦労働の価値を計算する際の機会費用=家事を行う時間だけ外で働いた場合に得られたであろう収入
54)離婚することとなった場合でも夫婦が継続している間に蓄えた財産の概ね半分は妻の貢献分として財産分与の対象になる。結婚する前にそれぞれが築いた財産やそれぞれの親からの相続で手に入れた財産などは原則として財産分与の対象にならない。夫婦の協力で築いた財産とはいえないから。
55)夫の手取り収入を夫婦で分配することになるので専業主婦の給料相当額は夫の手取り年収の半分程度。
59)年収700万年間2100時間の夫が1時間家事をした場合時給3000円。妻の方が家事が上手でも機会費用法を使うと夫の方が高くなる。機会費用法で計算する女性の家事労働の対価が抑えられがちなのは女性に家事労働が偏っている為に外で働きづらく労働市場で不利に立たされていることを反映している。
60)家事労働ハラスメント-生きづらさの根にあるもの
竹信三恵子/岩波新書
77)記号ではない女性、モノではない女性
男子の貞操-僕らの性は僕らが語る/坂爪真吾/ちくま書房
84)日本の女性の年収は低く既に5割以上が大卒であるにもかかわらず、男性に比べて女性の年収は7割くらい
91)世の中には「夫が養うから、女性はやりがいがあっても給料は低くていいよね」という昭和型設定の仕事が結構ある。保育士の給与が低いのは結婚前の若い女性のやる仕事、いずれ結婚するから低くてもいいとされてきたから。まさにやりがいの搾取。やりがいだけじゃなくてお金も重要。お金の為に働くのは当たり前で、どうすればその当たり前を楽しくやりがいのあるものにできるかに目を向ける。
94)逃げ恥では男が外で稼ぎ女は家事育児であるべきという昭和結婚観に対して、一見昭和結婚のような見せかけで実は違うという形で昭和の壁を回避していく。例えば親に挨拶までしている。あるべき論に真っ向から対立しないことでうまく「逃げる」「やり過ごす」問題状況に対してNOを突きつけるのではなく、うまくオブラートに包み問題を共有。
95)専業主婦になりたいというより外で仕事をするのが厳しすぎるというのが一番的確な表現。同時に専業主婦に向いているかという視点はごっそり抜け落ちている。両立しながら妊娠のタイムリミットまでに子供を産み、きちんと子育てと仕事をし、社会でも活躍なんてあまりに無理だから消去法で考えてしまう。
97)子育てで一旦働くステージから退場=生涯賃金にすると2億円近い喪失。
100)百合ちゃん世代が仕事を続ける環境は厳しく男より3倍やってやっと認められるような時代。独身か子供がいないことが仕事を継続できた要因。百合ちゃん=部長代理。独身で頑張っても同期の男性の方が、男に下駄を履かせることで先に出世してしまう。
101)夫に家事を一切やらせていなかったのは昭和妻の生存戦略。妻は経済的に自力できないので、夫には自分の面倒すら自分で見られない状態にすることで自分の立ち位置を安定させてきた。
111)損する結婚儲かる離婚/藤沢数希/��潮新書
112)未婚男が割を食うバツあり男の再婚事情初婚女を狙うのは余っている男だけじゃない/荒川和久/東洋経済オンライン
皆婚時代→時間差一夫多妻制に移行
117)未就学児の母はブラック企業並みの残業
120)ワンオペ育児なら夫の年収は1250万円必要
155)日本女性は結婚しただけで家事労働が増える。1人暮らしをしていた女性なら前と変わらないはずなのに、夫の世話という新たな項目が増える。
156)離婚は専業主婦の最大のリスク。3年仕事したらキャリアが残る。でも主婦の3年は離婚したら何も残らない。
164)主婦の本当の辛さは待機時間にある。専業主婦は優雅だと思われがちだが、実は隙間時間しか自由はない。隙間時間は待機時間でもあるので本当は労働時間のうち。運送業、タクシーなどは実際の業務より待機時間の長さが長時間労働の要因。
179)夫を褒めて育てろというアドバイスに、なぜ女性の側ばかりがと理不尽な思いを抱く。諦めた人は外部家族とチームで子育てするようになる。夫がいなくても回る環境ができてしまうと夫はただのATM、手のかかる子供の1人と化す。
181)夫婦2人の関係から子育てをする親としての関係性への移行。この時期をうまく助け合わないと産後クライシスで夫婦仲に亀裂が入り、その後の協力体制も取れなくなる。夫が全く悩みを聞いてくれないと、産後のお母さんの脳は敵とみなしてしまう。第2子を持ちたいと女性が思うモチベーションはどれだけ夫が子育てに参加するかで決まる。
190)夫はなぜ家事や育児をやらないのか?やれないのか?
割に合わない感=自分はお金を稼いでいる
昭和バイアス=そもそも女性の仕事だし女性の方が得意
会社との関係=同僚・上司の理解がない
スキル問題=そもそもスキルがない。ないからますますやらなくなる
お子ちゃま男=単に面倒でやりたくない。仕事の方が楽
育児は仕事の役に立つ/浜屋祐子/光文社新書
228)社会は有償の労働だけで成り立っているわけではなく、家事・育児・介護といった家庭内の労働によっても支えられている。家庭内の労働をお金に換算するとその規模はGDPの3割にも及ぶ。
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育休復帰後の不安とかこれからの働きかたとかのモヤモヤがスッキリした!!
そうか、そりゃ子育て世代が生きづらい世の中だよな…
って感じ。
特に育児の対価はいくらというところが参考になった。
家事育児の分担表はぜひ取り入れたい。
もっと柔軟に将来のことを考えていきたいと思えるきっかけになる本でした。
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ドラマ見てないけど、面白かった。夫の年収が600万円以下なら、主婦は「好きの搾取」をされてるって納得。
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年末、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の一挙放送を見たついでに読んだ本。
本放送は数年前だったが、女性を取り巻く現実はほとんど変わっていないので、4年前に出版されたこの本も、まったく古さを感じさせない。
とても読みやすく、オススメです。
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この内容がただつらつらと文章にされていたら、自分に落とし込めずに読みながら眠くなってしまいそうだったが、逃げ恥という題材があることで具体的でわかりやすく、身近に感じられることができた。
子育てをしていく中で一見代わり映えのない日常で無気力になることがあるが、給料に換算されるだけで今やっていることは価値があるものだと、少し救われるような気がした。
老後に対して漠然とした不安しかなかったが、シュミレーションを通して、どうして蓄えが大事なのかが明確だった。
ライフプランを完璧に練って実行することはできないから難しいけれど、ある程度方向性を決めて、変化が起きるときや子供の進学の節目等に考え直していきたいと改めて思った。
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とりあえず、仕事に人生の全てを捧げるよりも夫婦共働きで働いた方が世帯の生涯年収が高いという点は納得☆これを読んだ後にドラマ版を観たらまた違った視点で楽しむ事が出来ました♪数字的な話はさておきとして、結婚生活における「当たり前」と思っている事を見つめ直したり考え直したりするキッカケになる本だと思います。
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逃げ恥好きなので、
内容はイメージしやすいのですが、
「専業主婦の場合、子どもが産まれたら36万が家事育児の労働の対価」っていうのに
納得いかない。
自分の子どもでもあるのに
その育児時間ですら
夫に賃金を貰おうとしてる妻なんて居るのかな。
家事労働だって半分は自分の分の家事なんだから
専業主婦だからって家事時間をすべて
労働賃金と考えて
夫に求めるのは違う気がする。
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共働きが大前提の時代、とにかく出産育児のヤマをどう乗り越えるかがカップルの幸せのkeyと言えそうです。本書では共同経営責任者と名付けていましたが、単なるお金の問題だけではなく、話し合える関係性づくり・キャリアアップや学び直しなど、多彩なチャレンジ等、視野の広がる話でした。
特に、育休取得中のわたしには、認可保育所の運営費が、0歳は20.6万円、1〜2歳は12.8万円かかっているという具体的な数字は参考になりました。
保育料の家庭負担は3万円で済むので、育児アウトソーシングは家計にとってもメリット大。我が子はかわいいですが、なんとか保育園活用し、夫と乗り越えたいなと改めて考えが固まりました。
日本も早く、男性育休が広まり、育児が男性の権利であり、その機会を奪われたくないと思うのが普通という価値観が醸成されますように。
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結婚生活には好きだけでは解決しない問題が次々と出てくる。しかし、お金と仕事に対する考え方は人それぞれ。“普通”などないのだ。だから夫婦の価値観のすりあわせは必須。たとえだましだましでも。結婚への憧れやファンタジーも否定はしないが、現実的なお金のシュミレーションはできるだけ若い時に知識として持っておきたいものだとあらためて思う。変化に対応できるしなやかさがあれば、それは結婚生活の役に立つ。
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ドラマ 逃げ恥 のシーンを思い出しながら、ドラマのテーマであった共同経済がわかりやすくイラストや統計で書されている本。
本の中にドラマの登場人物の言葉もあり、平匡がどれだけ希少な男かもわかる笑。
いま、まさしく私も結婚、転勤を期に専業主婦4ヶ目、相手は国家資格を持ついわゆる高所得の部類に入る仕事で、子なしと思うと、平匡みくりカップルと似たよった生活で、ふむふむと読み進めていた。
子どもができたら、また読み返したいとも思ったが。難しいあれこれは私には分からぬが、何にしても、互いが納得して心身健康に過ごすことのできる家事・仕事であれば良いのだと思う。それって難しく希少なんだろうな、と本をデータを見ながら感じた。みくりのように、相手に思いを伝え、2人のように定例会議を家庭内で開くことは真似たいと思った。
さて、私はもうすぐ復職予定。パートなのか正規なのかも決まってない。お金も大切だし、お互いが幸せでいられる道を選びたいと思う。