深刻な実態を可視化する良い漫画
2024/05/01 08:07
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤングケアラーと最近言われるようになった問題について非常に深刻な実態を、漫画で伝えている。ソフトなタッチで、堅苦しくなく、読みやすいが、その実情は、かなり辛い。
親が精神疾患を患っているケースが非常に多いことを初めて知った。
幼い頃から親に精神疾患があれば、子供はそれが当たり前だと思い、問題に気づきにくい。
漫画では、周囲や学校の介入しにくさ、いや、気づかなさの問題を含めて、しっかり描かれていた。
こうしたケースが身の回りにないかまた自分はそういう状況ではないか気づけるような教育や支援が必要だと思う。
私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記
2023/05/06 17:08
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投稿者:まんまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
大人の自分が読むと考えさせられる本でした。ヤングケアラーということばがもっと広まって欲しいです。子供自身がヤングケアラーだと気づけるよう小学校において欲しいです。
これだって立派な虐待・・・
2022/11/20 18:12
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投稿者:マツモトキヨシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これが今の日本なのか、と衝撃を受けた。
この状況でも保護者がいるから野放し??
もっと早い段階で保護されていれば
ここまでの状況にはならなかったはず。
私自身シングルマザーの家庭に育ち
誰かに「寂しい」「悲しい」と伝えられないまま大人になった。
あとがきにある「子供はプライドが高い」という一説に
ドキリとした。
愛情べったりの理想的な家族像を扱うマスコミが多いけど
ただただ息苦しさしかなかった。
もっと問題点として取り上げるべき問題があるんじゃないのか?と
怒りがこみ上げた。
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ヤングケアラーは知っていたけれど、ここまでひどいの…?これはもはやネグレクト、虐待だと思った。だが漫画で書かれているからまだすんなり入った。ぜひ図書室に置いてほしい。そしてこれが普通ではないこと、声を、小さな声で良いからあげてほしい。ヤングケアラーだけではなく精神疾患とか感情が無くなる子ども、大人びている子どもなどの気持ちも学ぶことができた本だった。
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ヤングケアラーがテーマのコミックエッセイ。
小学生の少女が、統合失調症の母親の面倒をみながら家族を支えていくが、大人へと成長するにつれて様々な障害にぶつかっていく。
作者が色々な人から話を聞いて編み上げているので、完全なフィクションではない物語です。
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今はヤングケアラーとして知られる様になったが、子供時代に親が病気であったり、虐待を受けたりして、子供ながらに家族の世話をしてきた人が、大人になってもしんどい思いをする、昔はアダルトチルドレンとも言われていた。本書はフィクションでありながら、ノンフィクションで、著者が丁寧に主人公の幼い時から成人まで丁寧に描かれている。生きづらさを抱えて大人になると、成人してもしんどいが、色々な周りの人たちとの出会いで回復していく、しんどいけど、希望も見える良書であった。涙なしでは読めなかった。
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ヤングケアラーの主人公を成人後も含めて描いた漫画。重い話も多く、しかもすべてが事実に基づいているとのことだが、絵は優しいタッチで読みやすい。ケアラーの感情が、プライドや強かさも含めて丁寧に表現されていて、作品にかける著者の強い思いが伝わってくる。
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読んだ。当方、親からの被虐待経験者で解離性障害で現在子持ち。
わたしはこの主人公"ゆい"と違って親は統合失調症ではなくケアラーではなかったが、暴力、暴言、妄想による難癖、ネグレクトによる虐待のくだりはとても似ていて、「優しい別の家庭で暮らす妄想」とか解離の様子や感情がなくなる変な感覚など、小学生時代のことが猛烈によみがえってきて2回ほど読むのをやめようとした。
けれど、いままで誰もわかってくれなかったわたしの気持ちをこの本(をつくった方々)はわかってくれてるような感じもして、タイトルに「再生」が入っていることを支えに読み進めた。
わたしにとって興味深かったのは"ゆい"が母親になってから。
じぶんの家族を持ち穏やかな生活が始まったのに子供が育ってくると猛烈におきるフラッシュバック!今現在もわたしはこれに悩まされているが「よくあること」と書かれてて、よくあることなんだ、と驚きつつ心が救われた。「どこまでやればふつうのお母さんなんだろう」という疑問も、全く同じことを思う。じぶんが親から普通の育児をされてないので、どうやれば普通かわからない。そのため育児本を参考にしてきたが、一般的な育児本には基礎的な育児法(子どもへの接し方)なんてものは書かれておらず「褒めて自己肯定感を育てましょう」が主流だ。そのため他人に迷惑をかけたり危険に繋がること以外全然子供をちゃんと叱ってこなかった。子の要求を全て聞こうとしたり、子から言われてないことまで察知して先回りして世話をしてしまう。子の機嫌を取ろう、喜ばせようとし続けてしまい、よそのお母さんたちから「そんなことしなくていいんじゃない?w」と言われたことがある。そんな感じでわが子を甘やかしてしまい、あるとき担任の先生からの苦言電話で「わたし全然しつけしてないじゃん」と気づきかなり遅い段階で基本的なしつけを始めた。
虐待サバイバーの育児について調べたりそういう本があるかはわからないけど読むべきなのかも。ほしい。
「母親が死んだときは涙が出たのに数ヶ月もしたら解放感しかない」みたいな話も全く同じ。親がしんだらさすがに悲しくなるのかと思ったが何年経っても「しんでくれてよかった」と思ってしまう。そして、いまだに過去の経験に囚われてる。なんであんなめにあわなきゃならなかったのか?とぐるぐるしてくる。
けれどこの本を読んでよかった。いますぐ何かが変わるわけではないけど、じぶんが「虐待受けた経験のある子持ちとしては普通」と言うことが知れたことは大きな救いだ。
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言葉でまとめるのが難しい。
私は運良く愛されて育って、社会人になっても碌にご飯も作れない。
でも彼らは幼い頃から病気の家族の面倒を見て家事をやっていた。
家のことをするだけでなく、病気に伴う暴力やネグレクトも受けていた。親が病気であり苦しんでいたということも辛い。
でも子供はどんな時でも守られて欲しいと思った。
他にも色々思ったけど分からなくなってしまったのでここでやめにする。
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愛を返せない人に愛情を求め続けるのはもうやめて 実の親がくれなくても代わりにくれる人はいるから
お母さんの病気がなければよかったって思いたくない 今までの自分のがんばりを否定するってことだから
感情は学び直せるもの
小さい頃から苦労してきた主人公の存在がファンタジーではなく、実際にこのようなヤングケアラーが思っていたよりも多く存在するのだと気付かされた。自分のまわりにも気づかないけれどいたのかな、と思った。ヤングケアラーとして育った人もそうでない人も、この本を通じて過去を肯定するきっかけになるかもしれない。
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親の病気や障害で家族の世話と家事を担う子供たち。ヤングケアラーは小学生の15人に1人。35人クラスに平均2人強。少ないとは言えない割合。小さなころからそこにあった家庭の形。困っていることさえ気づけず思春期を迎え、大人になる。自分自身が子供を持つ。様々な生きづらさを抱える。とある瞬間にフラッシュバックする自身の幼少期の記憶。親との思い出。愛おしさと悲しさ・・・あぶり出されにくい家庭内の問題。著者も取材しながらその実態に驚いたという。共助に公助。力になれることはないのか?些細なことでもできる何かをみつけたい。
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ヤングケアラーという言葉も、どういう人のことかも知っているつもりだったけれど、こんなふうに感じながら生活しているのか、とリアルに受け取められる作品でした。
ケアをする家族から離れられておしまい、ではなく、長く続いてきたヤングケアラーとしての生活の中で身についた思考の癖やフラッシュバックなど、外からでは気付きにくい様々な苦しみも抱えながら生活していくものなのか、と、この問題の根深さに心が痛みます。
コミックで読みやすいので、意外と数多くいると言われているヤングケアラーを知るきっかけの本として、是非お勧めしたい一冊です。
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ヤングケアラーの子ども達がどういう生活を送っているのか、ニュースの特集やドキュメンタリーでその表面的な部分はわかっていたつもりでしたが、その内面や成長するにつれて生じる歪みまではほとんど想像できていませんでした。
成長して経済的に自立して「はい、リスタート」となれるわけではない。
親になる事への葛藤、フラッシュバック等々、読んでいて胸が締め付けられる思いに何度もかられました。
山根さんの「自分のことで泣けるようになってよかったじゃない」という言葉、驚くと同時にズシッと重く響きました。
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漫画で一気読みした。
いろんな人のエピソードを一人の人物「ゆい」ちゃんの物語として書かれている。高校生の時の入院を機に、家を出て、大学に行って、最終的にゆいちゃんは看護師になって、結婚して、母になった。本当に良かったと思う。
母が大好きなのにその死を妄想したり、いなくなったことにほっとしたりする。本人は複雑な感情を抱えているが、全く悪くない、とても頑張っている。
現在はヤングケアラーという名前がついて認識されてきているが、コラムでは中2の17人に1人がヤングケアラーだという。1つのクラスに1,2人はいる計算になる。気づかなかったけれど、クラスメイトにも該当する人がいたのだろう。そんな環境では、周りが子どもに見えてしまっても仕方がない。こういった本もきっかけに社会の理解が進むといいな。
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最後まで読んで、「ヤングケアラー再生日記」という副題の意味がわかりました。
統合失調症を発症した母親をもつ、娘さんの物語。
「家族の病気」という観点だけでなく、「性別に基づく役割の違い」という観点からも考えさせられるお話でした。
マンガなのですっと読めてしまうのですが、内容はとても密度が濃く、絶妙なバランスで描かれている作品だと感じました。
子どもさんの側からみてどうなのかを知るための一歩として、いろんな方に読んでいただけたらと思う本でした。