1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに三体って入ってるけど全然別のお話である(確かに時系列は三体の前日譚にあたるし登場人物が重なってもいるが)ということは重々承知の上で読んだのですが、最後の最後、「観察者」にニヤリとさせられた。この頃から構想はあったのね。そしてお話の方も、この頃からまあスケールがでかい。科学と兵器というテーマも含め大変面白かったです。
三体につながるが、話は別物
2022/12/31 09:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
「三体」の前日談という触れ込みだが、まさにサイエンスフィクション、SFであり、とても面白い物語だ。SFの真髄は、「イマジネーションの中の事物を想像」し、それを中核として物語が展開することだと思う。その私なりの定義にぴったりとはまる。シュレーディンガーの猫の例えから分かるように、球電という現象をマクロ電子と想像し、さらにマクロ原子を想定してしまう。量子学の基本から、その存在は波動関数に依存し、観察者の存在により、波動は収縮し固有常態となることから、生まれるこの物語。その先に、三体の物語が生まれる。
主人公の影が途中から薄くなる
2023/03/26 21:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公=陳のキャラクターが弱いためか、あるいは周囲のキャラクターが強烈すぎるためか、途中から影が薄くなる印象です。実際、途中からは他人からの伝聞を記しているという体裁になっており、そのあたりがダレた感じがしました。
面白かったのが量子状態のエピソード。シュレディンガーの猫として、しばしばたとえにあげられるが、正直なところイマイチイメージがつかめず、あくまで理屈上のことであり、現実世界では全く関係のない事柄だと思っていました。それが、具体的な表現で語られることで、理屈が何となく納得できた気がしました(間違った理解かもしれませんが...)。
投稿元:
レビューを見る
訳者あとがきに書かれていた「まあ前日譚には違いないしね」というコメントに同意です。いや面白かったのだけれども
投稿元:
レビューを見る
途中までなかなか進まなかったが、後半、最後は面白かった。マクロ電子が出てきてからが面白い。マクロな量子効果など、やはりこの作者の発想がすごい。
最後は怒涛の展開。なぜか戦争が始まり、事件が起きるとデンイーが陳の下へ。マクロ核融合で戦争終結し、林雲は去り、陳はダイリンと再会。よかった。
232ページ「だが、それが科学と言うものだ。過去のどの回り道にせよ、不要なものなどなかった。たとえそれがどれほど莫迦げた遠回りに見えたとしても」シュー准将の言葉。
407ページ「黄色の森の中で、道が2つに分かれていた。残念なことに、2つの道を同時に歩むことができない。だから、人があまり通っていない方を選んだが、そのおかげで人生は全く違うものになった。」
投稿元:
レビューを見る
めちゃくちゃ面白かった。
まず、球電を見て、これはマクロ原子の中のマクロ電子なのでは?と思う想像力とその内容を説明する力がとんでもないし、そこからのストーリーの展開が目まぐるしく、丁儀が出てきてからは飽きることなく読み切ってしまった。
三体3部作もそうだけど、劉慈欣の作品に出てくる女性は極端な性格の人が多すぎると思った。
フレデリック・タイラーの面壁計画は、中国版ではこの作品に出てくるマクロ核融合を活用し、量子化された人類を“幽霊”兵士として戦場に送るという計画だったらしい。そんな理論頭の中だけで完成させられるわけなくないか
個人的に、三体Ⅱ>>三体>三体0>三体Ⅲ>>三体Xという感じかな〜
投稿元:
レビューを見る
素晴らしいの一言。著者は現代SFの最高峰だ。本来この本は既に完結した三体シリーズの前に出ていた本だが、日本では翻訳が一番後になってしまった三体の前日譚。
量子状態にあるマクロ原子の発見とそれを武器として使う事を研究する陸軍少佐林雲と天才物理学者丁儀を中心に話は展開する。前半は量子論とマクロ原子なる物への理解を深める内容となっている。量子論については”誰でも解る量子論”的な本をいくつか読んでみたが正直さっぱりだった。しかしこの本を読んで量子と言いうものはこんな性質を有するものなのだとイメージできた。(自分の理解で正しいのか判らんが、具体的なイメージが確立されたのは大きい)
そしていよいよそれを武器に転用すべく奮闘するのだが、開発の困難さや、さらには西側諸国と中国の間で勃発した大きな戦争の中で、それを活用するのかしないのか出来るのかという過程も実にドキドキさせられる展開となる。
ラストにかけて、話の帰着が全く見えない中、林雲らによる身を挺した試みや、事態の収拾を巡るストーリには全く感心させられたし、特に子供達との写真には実際に鳥肌が立った程に心に残る場面となった。
三体1を読み始めたのはずいぶん前だし、細かいところは忘れてしまっている。とりあえず丁儀の三体425~427頁にかけての発言を読んでから読みたかった。
また、今年2023年夏には著者の長編第一作目が遂に刊行されるとの事、こちらも楽しみである。
投稿元:
レビューを見る
第一稿が2,000年ということで、三体の作者の長編第二弾が遅ればせながら翻訳されて登場となった本作。「球電」という現象をきっかけに、どんどこ話がデカくなる三体パターンのはしりが見える。呆れるほどの科学的知識を創造力をもって羽ばたかせるそのエンターテインメント性は、作者の真骨頂だろう。終盤、おセンチすぎるきらいはあるものの、そこはそれ、お決まりパターンとして許容範囲です。とりあえず三体につながるキャラクターも出てくるので、三体をまだ読んでない方は、こちらから先に読んでもいいかもです。
投稿元:
レビューを見る
三体0となっていますが、ほとんど繋がりは無いですし(匂わせ程度)、三体の細かい内容完全に忘れてしまっていた私でも面白く読めたので、三体をだいぶ前に読んでいても、そこは問題ないかと思います。
作品の裏テーマになっている、戦争と科学の関係性などは、人によって色々な意見があると思いますが、(個人的には本作の主張には否定的です。)それを凌駕する超絶エンタメしてる圧倒的なハードSFなので、最高です。
おもしろい!さすが劉作品です。
投稿元:
レビューを見る
三体に繋がる要素は少ないけど、科学技術の深さと発想力は同じ。ここから三体のスケール感に発展していくのだなぁと感じた。科学技術と軍事活用という考えさせるテーマもある。この作者の未翻訳がまた出る予定もあるとのことで楽しみだ。
投稿元:
レビューを見る
Amazonオーディブルで「三体0」を聴いた。
途中まではすごく面白かった。
量子力学、シュレディンガーの猫。
三体の内容をすっかり忘れているので、三体とのつながりはよく分からず(三体に出てくるキャラが出てるくらいのつながり?)。
劉慈欣は女性の描き方に難があるよねぇ。
今回はニューコンセプト兵器開発に囚われた女性軍人が出て来て、途中まではいい感じだったけど、終盤の行動にすごくイラついてしまった。
投稿元:
レビューを見る
三体の第三部を読んだときに、この小説は終わってるってしっかり感想で書いたはずなのに、すっかりその時のことを忘れて前日譚という触れ込みに騙されて借りてしまった。
球電というまた意味不明なものを持ち出して、さあ!とどんな第一部へのつながりが書かれているのだろうと読み進めるも、延々と意味不明な実験の繰り返しでこれまた作者の独りよがり物理化学ショーが披露され、今月もう一冊読みたかったのにこれで終わったなぁと思いながら遅遅として進まないページを苦悶を懲らしながら読み切った。
で?
どこが三体なの?
スーパー観察者の存在?それだけで前日譚と言い切るにはちょっと詐欺過ぎない?
三体として読むんではなく新しい物語と読んだら星2くらいはつけようかなと思ったが、感想を書きながら前日譚に騙されたという被害妄想から星1で決着した。
あーやっと解放!
投稿元:
レビューを見る
読書記録 2023.4
#三体0 球状閃電
#三体 三部作の前日譚なのかこれは?
三体の名前を使いたかったのだろうけど、丁儀が活躍する別の物語として割り切って読むほうが楽しめる。
ぼんやりとクリストファー・ノーランの「#インターステラー」をイメージしつつ読んだよ。
#読書好きな人と繋がりたい
#読了
投稿元:
レビューを見る
『三体0』というタイトル付けの経緯だけは事前情報として知りつつあらすじも知らぬまま読み始めたのだが、役者あとがきまで読み終えて『三体』の該当箇所を読み返してみると丁儀の人物像が少し膨らんだように感じた。
化学的な部分や謎の自然現象、兵器開発、戦争など大掛かりな物語だが、それらに人生を捧げながらも心の傷や拠り所を抱える人の物語のようで『三体』とは違う満足感があった。『三体』のストーリーとの直接的な繋がりではないが、丁儀の関わりにちょっと物語の本筋以外の楽しみがあった。個人的に主人公の陳より丁儀のほうが気になったのは『三体』を読んだ後だから仕方ないのだろうか?『三体』未読の方のほうが純粋に物語を楽しめるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの劉慈欣さんの SF長編でしたが、もう抜群に面白い!
タイトルが「三体0」となってしまっているので、三体シリーズ未読者にとって手にとり辛いかもしれませんが、一部繋がりがあるというだけで単体で完結した作品なので、気になっている方はまずはここから手にとってみるのもいいかもしれません。
球電に対する科学検証がすさまじかったのですが、これほとんどフィクションなんですよね?主人公と林雲、丁儀の3人が球電の謎を解明していく過程、「球電の影響を受けた物体は量子状態(生と死が同時にある不確定)で存在している」と説明する際の説得力などは唸らされるものばかりで、本当にワクワクしました。劉慈欣さんの想像力はいったいどうなっているのか。