全ての年代の人に読んでもらいたい
2023/09/29 08:10
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投稿者:アッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃からの「なぜ人は死ぬのか」「なぜ年をとるのか」等々の疑問に対し、インスピレーションをもらった気がした。
かみ砕いた表現で、僕のような初心者にも分かりやすかった。
死ぬ事がプログラムされている人生を歩かなければならない「ヒト」にとって、道標となる一冊ではないか。
老いて世のため人のために生きる
2023/07/07 16:33
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
老化という現象を生物学的に定義すれば、生殖可能な時期(年齢)を過ぎた後の期間の身体的機能の低下、喪失ととらえることができる。多くの野生動物は、そのような期間がなく、捕食生物に食べられてしまうか、餌を捕れなくなって死んでしまうのだという。ただ子育てする(孫育てか)ヒトやシャチなど限られた哺乳類にみられる老化を、理解し受け止める必要がある。老化をネガティブにとらえず、自分のためではなく共益的に働き、孫世代を多方面から育て支えるシニアにならなくてはいけないと。なんちゃってシニアとして老害と言われないように。
人生をどう生きるか
2024/01/22 15:40
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本は、「生物はなぜ死ぬのか」に次いで2冊目となる。本書の内容にについてはこれまでにも関係する本などからなんとなくは理解していたつもりだが、本書によって整理ができた。
著者は老いの人生観を次のように提案している。
元気なときには、本能のおもむくままにやりたいことをやり、
老いを感じ始めたら、少しずつ中心を自分から周りに拡げて、
「シニア」になり、無理のない範囲で公共に尽くし、
最後は皆に惜しまれて天寿を全うしてピンピンコロリと死んでいく。
著者によれば、「シニア」とは年齢による線引きはなく、集団の中で相対的に経験・知識、あるいは技術に長じた、物事を広く深くバランス良く見られる人を意味する。
心がけていきたいと思う。
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投稿者:さたはけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼稚園児に対して、お年寄りが接することにより、園児が敬老の感覚が自然に身につくように、人間社会では、本当は二世帯、三世帯の居住環境は必要なのではと思います。
核家族化した現在では、移動手段を使いながら、孫の面倒を見ているのが現状ですが、気兼ねなく生活するには、仕方がないことなのかなと思いました。
おじいちゃん、おばあちゃん理論
2023/11/15 05:04
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここでいる「ヒト」はホモサピエンスの事
生物としてホモサピエンスはなぜ老いるのか
勿論、他の生物も老いはあるが、自然界では弱ってくれば他の生物に捕食されるか、エサがとれなくなって死んでいく。
人間のような「老い」の時期が無い。
最初の部分は学問的で難しい。
生殖時期が終わっても生きる理由に「おばあちゃん理論」がある
現代版「おじいちゃん、おばあちゃん理論」を考える時期に来ていると思う
老いるのはヒトだけ
2024/09/10 23:38
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
老いるのはヒトだけ、と聞いて、ン?そうなんですか、みたいに感じました。飼い犬だって、老いるのにこの作者は犬飼ったこと無いんでは?と先入観持って読み始めたのですが…なるほどね。老いの意味を知ることは生きる意味を知ることか……
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前書『生物はなぜ死ぬのか』にて、「死は進化に必要である」とした著者は、本書にて「老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれた」と結論づけています。
「死」はすべての生物に共通した絶対的なものであるのに対し、「老い」はヒト以外の生物にはほとんど見られない現象であるらしい。生物が持つ全ての性質は、進化の結果できたと考えられるので、ヒトに特有の「老い」にも生物学的な意味があるはずである。本書では、様々な生物との比較のなかで、ヒトにしかない「老い」の正体を考察する。さらに本書がユニークなのは、生物学的な視点からの「老い」の意味を踏まえて、私たち人にだけ与えられた「長い老後」をどう過ごせば良いかのシニア論になっていることであります。
「老い」の意味を考え、それと向かうあう楽しみを考える本です。
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イヌも老いると思うが、老いた状態の長さは人間が一番。その長さに意味があるという著者の提言がどんなことかを知り、自分でもその長さの意味を考えるために読みたい
#なぜヒトだけが老いるのか
#小林武彦
23/6/22出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3qYvEEo
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タイトルとは違って、老いるのがヒトだけではない、と知ったのが一番の驚きであった。シャチやゴンドウクジラには老後の時期があるということだ。つまり生殖能力がなくなった後にまだしばらく生き続けるということ。何のためにか。それは子育て(孫育て)に協力するため。ほとんどの生き物は生殖能力をなくした後はすぐに後進にその場をゆずる。川を元気に遡上し産卵した後すっと命を落とすサケのように。僕自身、シニアと呼ばれる年代に入っている。孫の面倒を見るのはもう少し先になりそうだが、後進を育てる役を担わなければならない。ところがだ。ICTだか何だかで、我々世代は教えることよりも教わることばかりなのだ。システム自体が大きく変わってきており、もうそれについて行くのは不可能になっている。昔が良かったなどと言っても誰も相手にしてくれない。絶対変わらない、変えてはならないものがあるはずなのだけれど。30年間続けてきたことが全否定されるのか。今のやり方の方が良いということをだれがどこで、どう判断するというのか。それくらい大きく変わろうとしている。テクノロジーの力で。教育の現場がである。本書の内容から大きく離れてしまった。徳のあるシニアにならなければいけない。元気な間は利他的に生きなければいけない。定年後、何ができるかをもっと真剣に考えなければいけない。そして、利他的に死ななければいけない。
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なぜ人が死ぬのかのくだりはとても興味深かったですが、老いるところはあまり目新しさを感じませんでした。なぜ死ぬのかについての本が先に出ていたようなので、そちらを読んでみたいと思います
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進化は目的ではなく結果である。私がいまここにいることには何ら意味がなく偶然のできごと。死ぬことは公共のため、進化のために必要なこと。
ヒトが老いるのは子育てが大変になったことでおばあちゃんが孫の世話をする個体の遺伝子が結果的に多くの子供をもうけるのに有利であり、長生きする個体が生き残っている。ヒト以外に生殖能力を失っても長くいきるのはシャチとゴンドウクジラ。いずれもおばあちゃんが孫の世話をする。
死ぬことはどこかに行くことではなくもと居た場所に返り宇宙や自然と一体化すること。また永い年月を経て意識ある人間に生まれてくる時を想えば、幸せな気持ちで死んで行けるだろう。
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前作がすごく面白かっただけに残念、本書は科学的な見識も多少はあるものの経験や筆者の感想が多くを占め読み物としては目新しさや納得に欠けた。
とはいえ、シニアは公共に尽くすことで居場所を見つける的な言いたいことは共感でき、筆者のような先生に政策提言をたくさんしていただきたいなとは思った。
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出だしは様々な発見があり面白かった。後半は著者の思想が混じってきて、やや興味が薄れていった。
実は老いて生きれるのは人だけ。そこには必然性があるから。
改めて突きつけられたこの事実を踏まえて、老いていく中で社会における自分の存在感を考えていきたい。
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生物学的な見地からの主張は比較的少ないように見受けられた。
「ほんとうの定年後」で述べられていたような、人的資源の有効活用がいかに求められているかといった部分についての考察が読後感の大半を占めるような感じで、老いのメカニズムはさておき現代の我々におけるその意義とは、という考察に関しては、人生訓の域を出ない代物だったと思う。
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この本の中でも触れられていますが、哺乳類の動物は全て寿命までの心臓の心拍数が決まっているらしく、それによると「ヒト」の寿命は55歳程度になるそうです。数年前に希望すれば、会社勤めの人は65歳まで勤務できるようになりましたが、いわゆる定年は「60歳」私が子供の頃は「55歳」だったと思います。戦争が終わった頃の日本人の平均寿命はその程度だったと認識していますので、政府は平均寿命を超えて生きた人に対して年金を支払うという考えだったのかもしれませんね。
さて、この本は寿命を伸ばした「ヒト」は、他の哺乳類とは異なって「老後」という問題を抱えるようになりましたが、元を辿るとそれを獲得するには色々と重要な意味があって、それについて解説がなされています。今の人類は、ホモサピエンスが多くの競合の中で生き残った人類のようですが、老後を獲得した=寿命が延びたことが、栄える原因となっているようですね。
私もそろそろ老後について考えなければならない時期に差し掛かっていますが、先輩たちが獲得してくれた「寿命」を有効に使えるようにしていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・集団(社会)の中で進化したヒトは特に死への恐怖が強く、これは他人を思いやることができる「共感力」によるものです、共感力は人と人との絆を強め、社会を強固にしています。自分が死んだ時の周りの悲しみを想像すると辛く、死への恐怖はなおさら強くなります(p5)
・ヒトと他の生き物とので違うところは「自分の存在を客観視できること」である、そのため他人と比べて上手く行かないと悩むし、辛いことがあると苦しむ(p18)
・ヒトとチンパンジーは最近(6000万年前)に共通の祖先から別れて、その時間をかけて1.5%の遺伝子の違いが生じた(p20)
・RNAには遺伝子の基となる3つの性質がある、1)自身を複製して子孫に継承する「自己複製能」、2)変化すること、3)壊れやすい(p24)RNAが最初にできた物質で、主体的に細胞を動かしているのはRNA、DNAはただのストックセンター(情報の貯蔵庫)であった、DNAのほうがRNAのコピーであった(p35)
・なぜ死ぬか、ではなく死ぬものだけが進化できて、今存在している、老化は死に向かう過程であり、老化とは、複製するよりも分解が起こりやすくなった状態である(p39)
・コロナによる死者は、2021年には1万5000人となり、死因全体の1%程度で、死亡者の平均年齢は82歳であった(p42)
・ヒトの細胞の中で一番数が多い血液の細胞は、約4ヶ月で新しい細胞と入れ替わる、造血幹細胞という骨髄にある細胞が常に新しい細胞を作っている、寿命が長く、なかなか入れ替わらない細胞は骨の細胞で、約4年周期である。つまり大体4年で体の細胞はほぼ新しく入れ替わると考えて良い(p74)
・ヒトの老化の原因は、1)新しい細胞の供給能力の低下、つまり幹細胞の老化の影響が大きい、2)細胞が入れ替わらない臓器(脳、心臓)の細胞の老化である(p75)心臓の細胞(心筋)は大きく太くなることはあっても、新しいものと入れ替わるこ���はありません。心筋症、心筋梗塞で心臓の細胞が減ると、心臓が上手く機能しなくなる=心不全となる(p76)
・本来の生物学的なヒトの寿命は、50−60歳である、その根拠として、1)ゴリラやチンパンジーの寿命からの推定、2)哺乳動物の総心拍数は一生でほぼ「20億回」これによると、50歳前後となる、3)55歳くらいから癌で亡くなる人数が急増する、野生の哺乳動物で癌で死ぬものがほとんどいない(p81)
・進化の過程から確かにヒトの体毛のほとんどは退化して捨てられたが、今でも残っている毛には、現在でも必要性があって残っている、具体的には「わき」「性器」の周りの毛である。共通点は、ともに縮毛であること、青春期から生え始めることである。縮れた毛は摩擦を減らす、脇毛は腕を動かしやすくする、性器の周りの毛は、その保護や性交時の摩擦を減らす役割がある(p103)
・体力だけでなく、知識・技術・経験や集団をまとめる力が、社会を安定化し子供を増やし教育する重要な要素になってきた、その役割を「おじいちゃん」「おばあちゃん」が担ってきた(p106)
・なぜヒトだけが老いるのか、ではなく、老いた人がいる社会が選択されて生き残った(p118)
・子供がいなくても会社勤めをしている時には基本的には規則正しい生活が送れます、規則正しい生活は、ホルモンバランスを整えて、長寿遺伝子の働きを活発にしてくれる(p164)
・1990年には50歳時未婚率は、男女とも5%程度であったが、2020年には男:28%、女:18%となった、男女で1.6倍ほど未婚率が違う理由は、男性が複数回結婚する人が多いということである(p169)
・シニアになってきたら、新しいことを取り込むインプットも必要だが、これまでの蓄積を吐き出すアウトプットの方を多くしていくべき。チャットGPTのような対話型AIの返答とは違う、人から人にしか伝えられない、ある種の本能を揺さぶるフェロモン的な効果があるように思われる(p202)
・VR技術(メタバース)で良いなと思ったのは、1)居場所の創出、2)バリアフリー(年齢、性別、国別、社会的な立場も関係ない)で人と関わることも可能である(p205)
・なぜヒトだけが老いるのか、それは死を意識し公共を意識するためである、死は何のためにあるか、それは進化のためです。進化は何のためにあるのか、そレは私たちも含めた地球上のすべての生き物の存在理由である(p218)
・老いを感じたら、少しずつ自分のために使っていた時間を社会のため、次世代のために使うのは、それまで楽しく生きてきた人ほど、幸せに感じられることである、シニアの活躍がヒトの寿命を延ばしてきた(p221)
2023年8月3日読了
2023年8月6日作成