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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どろどろグログロした短編集。どうしようもない悪意が渦巻き、何かに囚われ、身をもち崩す。
なんとも言えない展開ですが、なぜか読後はスッキリする不思議さ。
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒い絵という通り、暗く冷たい。
描写は美しく官能的な場面も多いが、どれも鳥肌がたつ恐ろしさ。
読みはじめると世界観に引き込まれ、あっという間に読了。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アートに絡めて、深くに潜む人の黒さを炙り出す、衝撃のノワール短篇集。
生々しい性描写に少し胸焼けを覚えながらも、その禁断の背徳感に飲まれ共鳴してしまう。
人の醜さの中に隠れる美しさと、圧倒的な歪みが描かれ、アートと同じで角度を変えると全く別物に感じる、枠に嵌まらない作品。
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マハさんの連作短編集。
連作といっても短編同士の繋がりはなく、アート関連のノワールであるということだけです。
マハさんの新境地です。
字が大きくすらすらと読めました。
「深海魚」Secret Sanctuary
女子高に通い漫画を描く瀬川真央と、真央の家の押し入れにある「海の底」を共有する佐々木流花の二人の話。
「楽園の破片」
ジャパン・ソサエティの高木響子43歳はゴーギャンを通して知り合ったレイ・オークウッドとの不倫関係をなかなか清算できずにいますが…。
「指」Touch
名門大学で仏像研究をしている女子学生と講師の不倫カップル。これは全くの官能小説だと思いました。
「キアーラ」Chiara
日本人修復家の亜季は聖フランチェスコ大聖堂の、地震による損壊の修復チームに入りますが、自分が自分の体で取引した山城の手引きであると知り修復チームから身を引こうとします。
「オフィーリア」Ophelia
額縁の中の絵に封じ込められた女。
死にゆくその瞬間を画家の絵筆によって永遠に留められている女。
その絵が日本人の画家にロンドンで買われます。
後半は芥川龍之介の作品を思い出しました。
「向日葵奇譚」Strange Sunflower
山埜祥哉という台本にある行為と同じことをしてみるという俳優の初めての舞台監督の塚本は、フィンセント・ファン・ゴッホを演じさせようと台本を書きます。
そしてゴッホになりきった山埜は一体どういうゴッホと同じ行動をとるのか…。
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いつもとは違う 暗い闇の様な短編集。
官能小説は やっぱり慣れない人が無理して書いている様な印象。
ミステリーも違和感。
美術品の描写は さすが原田マハさん
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原田さん初のノワール小説。
確かに今までの作品とは全く違う!
エロス、殺意、禁じられた遊びが満載。
アートがテーマになっていなければ、原田さんの著書だとは気付かないと思う。
どちらが好きかと言われれば、間違いなくいつもの作品なんだけど、これはこれで面白かった。
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タイトルから想像して何か呪われた絵にまつわるストーリーなのかと勝手に思っていたけど、違ったし、長編かと思ったら短編集でした。
今までの原田マハさんのアート小説を期待して読むとちょっと期待ハズレになってしまうかもさはれません。
どの物語もぞーっとする部分があって、怖いよマハさん!と思いました。こういう小説も書けるんだなぁと新たな一面を発見です。
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深海魚
子供の頃、イジメにあう。シングルマザーの母は夜スナックへ。一人で押入にはいる。
女友達を呼んで二人で押入。海の底。
全裸になって抱き合う。7年ぶり再開。母に気づかれ、会えない。会いにいく。部屋はゴミ溜め。手が血で濡れている。母を殺した?
楽園の破片
ボストン美術館で講演へ
満席だが目当て不倫相手のハーバード大教授
43歳で一回中出しされて妊娠
ゴーギャンの楽園の入り口にいる
指
私大で助手する30代女。4人と不倫
現在の相手は48才。セックス下手くそ
仏像の手の中指がたっているのを見て
男にこういうに指を使って欲しい
キアーラ
イタリアで旅行。大地震発発生。壁画の修復プロジェクトに参加。推薦したのは昔
肉体感関係のあった日本人教授。
留学生時代、求められて相手をした。
久しぶりに会い求められるが拒否
復刻プロジェクトからも抜ける
地元な少女が天才的な復興能力があった
間違えを発見
オフィーリア
自分の娘をモデルに絵を描く画家
画商に一目惚れかれて妻にさせられる
嫉妬する画家に不思議な夢をみる
娘が不倫、男に抱かれている
画家な溺死する女の絵を依頼される
娘が瀕死の状態で池に浮かんでいる
絵を描いた画家は、娘を絵の中にとじこめた
自殺
向日葵奇譚
ゴッホの舞台を売れっこ役者に演じさせる
これまでにないゴッホの姿。ゴッホが画家になってからの自画像がない。冴えない後姿の写真を発見。うだつな上らない凡人ゴッホを演じさせる。舞台はスタンディングオベーション
脚本家と役者は互いの姿を同じ夢で見た
画家はゴッホの、後ろ姿を演じる役者
役者をそれをのぞいている、脚本家
青いパジャマを脚本家が、着ているのを役者が夢でみた。事実だった
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6篇収録の短篇集。それぞれが独立した作品で連作ではない。ないのだが……。マハさんの著作が好きで20冊以上読んでいるが、これは初めて出会うタイプの作品群だ。著者初の「ノワール小説集」とある。
マハさんといえば「アート」が欠かせない要素だ。本書に収録されている短篇もアートが絡んでいるが、主題はアートではない。どろどろの欲と野望が、淫靡に、グロテスクに、おぞましく描かれている。これまでのファンがどう反応するか興味深い。
ぼく自身は微に入り細を穿つ性描写に辟易としながらも、おっさんの強みで淡々と読み進めた。どれもおもしろかったが、一番好きなのは向日葵(ひまわり)奇譚だ。ベタだが(笑)。
NetGalleyにて読了。
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短編集。
最初の『深海魚』を読み終えて、その淫靡さに思わず作者が原田マハさんだったのか分からなくなる。こういう話も書かれるんだな。
どの話もどことなく暗いエロさがあった。
私が気に入ったのは、32歳の女性が家庭のある男性(教授。50歳近く)と釈迦如来坐像を見に行く『指』。女性がもう男性に飽きてきていて、それでも男性から性的な興奮を得ようとしている執着が愛しく思える。いつだって彼女は男性を捨てることが出来るのに。釈迦如来の滑らかな指のように愛撫してくれと男性に願い続けるが、決してそれは叶わない。感じている様に声を出す女性は、本当は男性を悦ばせるためではなく、自分を慰めるためなのではないだろうか。何とも読んでいて淫らな気持ちになった。
『オフィーリア』では、あの有名な沈みゆく女性の絵画が色々な者の手に渡る。絵の中の沈みゆく女性視点で物語が語られるのが新鮮。絵の中で生き続けるというのは、美しいことなのか、それとも残酷なのか。人々の争いや裏切りを目の前にしながら何も出来ず、今にも沈みゆくオフィーリアは死の直前を永遠に生き続ける。
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一見美しいと見える絵でもその背景には人間の営みとか心の闇とか憎しみのようなものがある。そのストーリーのような気がした。
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あれ?これは原田マハさんの書いた本だよね⁇と何度も思うくらい今まで読んできたものと違っていてびっくりした。
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ノワール=黒
人間の暗くて悪意のある、ドロドロしたストーリーだった。
マハさん、初めての試みとか?
表紙の絵も、やたら怖いし、
登場人物に感情移入しづらく、あまり感動は得られなかった。
印象に残ったのは、
第5編の『オフィーリア』
最後の『向日葵奇譚』
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私のイメージと違う原田マハの作品だった。
少しびっくりしたが、ものすごく引き込まれた。
なんとも言えない世界観。
特に深海魚と指が私は好きだな。
そして原田マハさんの文章も好きだと再確認。
本当に良かった。
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「リボルバー」から約2年半、マハさんの最新作の小説です♪
(私個人としては30作品(31冊)目の読了)
ってか、マ・ハ・さん...
キャ━━━(艸///Д///il!)━━━ァァ!!!
6編からなる短編集ですが、のっけから...(/// ^///)
29作品目となる「キネマの神様」を読み終えたのが昨夜、ギリセーフではありましたが、危うく泣かされるところでした。
その前には「暗幕のゲルニカ」「楽園のカンヴァス」これぞ原田マハ!!って作品を立て続けに読み終えたが故にギャップが凄すぎる^^;
「アートの暗部を炙り出す、禁断の小説集」
「ついに封印が解かれた、著者初の「ノワール」小説集」
まさにマハさんの「禁断の書」。
う~ん...これから手にするマハさんファンの為に、あまり内容にはふれない方がいいのかも。
でも、でも...( ´ノω`)コッソリ...〇〇や〇〇で、ちょっとエロくてダークなんです。
これ以上は( *・×・*)クチチャック!!
ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!
深海魚 Secret Sanctuary
高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。
楽園の破片 A Piece of Paradise
ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。
指 Touch
私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。
キアーラ Chiara
アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。
オフィーリア Ophelia
わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは…。
向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower
超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。
著者について
原田 マハ
1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。’05年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、’06年作家デビュー。’12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。’17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』など多数。’19年、世界遺産・清水寺で開催された展覧会「CONTACT」の総合ディレクターを務めるなど、日本・世界各地のアートと美術館の支援を続けている。