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猫愛が満載だし、魔法も随所にちりばめられていて、村山さんらしさが溢れるSF小説だった。
太陽光採光システムから小説のヒントを得られるとは!普段素通りしてしまうようなことからも、物語を生み出す事が出来るなんて、やっぱり感性が違うんだなぁ。
姿形がなくなっても、魂はどこかで生き続けるのかなと思わせてくれる、温かな物語だった。
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誰かの思いがたくさん詰まった、宇宙の光に照らされている、美しくてきらきらの贈り物詰合せみたいなお話でした。
村山早紀さんの物語って、目に見えない大切なものの力について、丁寧に語られていて良いなあ、と思います。
月の地下にある街も、ネコビトもイヌビトもトリビトも、そしてヒトも、異星の人も、優しくてふんわりと蝋燭が灯るような、一枚の絵のような、詩のような、あたたかい世界。今の季節にぴったりだということを実感しました。
装丁も可愛らしく、眠る前、大切な誰かに読んで聞かせたくなります。きっと良い夢が見られるおまじないのようなものになる気がします。
私もこんな月に行ってみたいな。
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守護天使 ☆守護天使/虹色の翼 ☆魔法の船/
White Christmas ☆White Christmas/
星から来た魔女 ☆ある魔女の物語/
さやかに星はきらめき ☆幽霊船/あとがき
ずーっと先の時間にある世界。月に暮らすものたちのところにも 本 があって、編集者もいる。その世界と物語に惹かれて読む本は心を優しくしてくれる
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地球から月へ移住した者達がクリスマス民話を集め綴る物語。切なくも優しい物語に心を振るわされ、この本を私も誰かにプレゼントしたい、と思いながら読んでいた、途中までは。
突然、この本は私へのプレゼントではないか、と震えた。何って、長年風早の街に住みたい、村山先生の世界に入りたいと想い焦がれてた私が、この世界に居てる……!私の名前が綴られてるのを見てこの本が更に大切な本になった。サイン会に行って先生にお礼が言いたいくらい嬉しくて、思いがけないプレゼントを貰った。この感動をお裾分けしたいからブックサンタしよ。
にしても、出てくる人達みーーーーっんな大好き!読んでてホッとして心洗われる。魔法使いかと思われるお婆ちゃんが特に大好きすぎて。もう優しすぎて泣く好き。
作中で告げられる「いないと言い切るのは寂しい」っていうのすごく分かる。魔法、優しいお化け、付喪神、そして月で宇宙で生きる者達、いたら良いのにな、と願う気持ちを肯定されたようで嬉しかった。
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Amazonの紹介より
人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、"人類すべてへの贈り物となる本"を作ることに。最果ての星で"神様"が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める。
優しい温かみのあるSFファンタジーでしたが、物語の主人公達は、なかなかの過酷な運命を辿っていたことにちょっと衝撃でした。クリスマスをテーマにした話を集めるということで、4つの話が盛り込まれています。
また、現在パートでは、あらゆる「人」が描かれていて、もしかして未来でもそうなるのでは?と勝手に想像しながらも、新しい解釈が面白かったです。
自分の印象では、クリスマスの話というと、華やかで楽しい話を想像していたのですが、見事に裏切られました。
たしかに読了後には優しい気持ちになりましたが、途中途中は大恐慌や戦争といった負の要素が満載で、気持ちとして悲しく辛かったです。
ただ、様々な「奇跡」を垣間見ましたが、色んな「愛」が溢れていました。
一人だけではなかなか生きていけません。人間に限らず、あらゆる「人」との繋がりのありがたさに感慨深く感じました。
小説内では、地球が住めなくなり、月に移住します。そして人間だけでなく、犬や猫といった擬人化?といったあらゆる人類の描写があります。
未来はどうなっていくのか?戦争のない未来・「みんな」が共存できる未来を望みたいです。そして、話を受け継ぐことで、感動や教訓など、より良い未来を築いてほしいと切に願いたいです。
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読み終わって、暗い場所に本を置いてみたが、残念サンタは現れなかった…。優しい大人のファンタジー小説だけど、なんだかふわふわして噛み応えがないまま読了。「消えないのだ。命も想いも。なくなるのではなく、見えない欠片になって宇宙に残るのだ。そして後の世に生まれひとびとの夢や願いの一部となり、誰かを支え、守り、ときに幸せにしたりするのかもしれない。遠い時の彼方に、昔、誰かが見た夢が叶うのかもしれない。遠い時の果てに一羽の鳥が目的地へと辿り着くように」
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私の孤独に苛まれた心は、確かにこの作品に救われました。
遥か未来、人類が宇宙に生きるようになった時代。月面都市〈新東京〉に暮らす猫から進化した新人類ネコビトのキャサリンが様々な場所と時代のクリスマスのお話を集めて本を作るSFファンタジー。一人でも隣に本があれば孤独じゃない、暖かい気持ちになる本でした
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荒廃した地球に見切りをつけ、月へと移住した人類。そこでは猫から進化したネコビト、犬から進化したイヌビト、恐竜の末裔であるトリビトが、人類の仲間として共存している。
ネコビトの1人であるキャサリンは書籍の編集者で、新聞社の三百周年記念事業としてクリスマスにまつわる物語を集めた本を製作中だ。4章それぞれに、収録される作品が掲載されているのだが……。
んー、ほぼ同世代の村山さんが、「昔のSFみたいな作品を書きたい」と呟いたことから始まった本だそうだが、少々期待外れだった。設定こそSF的だが、中身はいつもと変わらないFT&人情噺だ。舞台が月面というだけで、人々の暮らしは現在と何ら変わらない。今でさえ出版危機が叫ばれているというのに、「四六判のハードカバー」だの「活字」だのが生き残れるのか? むしろその設定に違和感を覚えてしまった。
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【収録作品】
第一章 守護天使 ☆守護天使
第二章 虹色の翼 ☆魔法の船
第三章 White Christmas ☆White Christmas
第四章 星から来た魔女 ☆ある魔女の物語
最終章 さやかに星はきらめき ☆幽霊船
ディストピアの先のユートピアといった趣。
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月に住むネコビトの編集者のキャサリンは
『愛に満ちた、人類すべての贈り物になる本』を作ることになります。
そして宇宙で語り伝えられているクリスマスの物語集を作ります。
各お話を巡る連作短編集です。
この物語は作者あとがきによると、
ずっと以前、ある司書さんと交わした約束ー
「いつかきっと、図書館が登場するお話を書きます」をついに実現させたお話でもあるそうです。
小説家を目指す青年涼介がタイムスリップする話。
ケンタッキーフライドチキンの付喪神とロボットの少年のお話。
司書の琴子の祖母が魔女と友だちになる話。
他、とても優しいタッチのSFばかりです。
「もし宇宙船で星の海を旅していても、本があればひとりじゃない」
「眠る子どもの枕辺に、そっと贈り物を届けるのは、不思議な存在ではない。その子を愛する誰かです」
「宇宙には、優しいお伽話が満ちている」
本を愛する人たちの話が宇宙規模で語られている壮大なファンタジーでした。
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なんと暖かくて優しい物語だろう。
こちらの作者さんの本は別でも読んだことがあるのだけど、前読んだ本(数年前でタイトル失念)も優しくて素敵なお話だった。
今回は遠い未来の世界に住む人(人間だけではなくネコビト、イヌビトなど)のお話。主人公であるネコビトのキャサリンは編集者として働いている。仕事でクリスマスの素敵なお話をまとめた本を作ることになり、いろいろな話を集めていく。様々なお話があるけど、どれもクリスマスにぴったりでなんだか心が温かくなる。
個人的には、地球に残されたロボットと付喪神のお話が好きかな。
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あったかい優しいSFファンタジー。
猫が好きな方はぜひ読んでほしいなあ…キャサリンの可愛さ愛おしさに何だか涙が出てしまうところが何度かありました。読み終えたあと、心があったかい優しい気持ちになれるのがよかったです。
星を渡って、時を超えて、どうかこのすてきな本がこれから先ずっと誰かの手に渡りますように。
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クリスマスの時期に読みたくて、図書館でずっと
予約待ちをしていて、ようやく読めた本。
ようやくといっても、長い期間ゆっくり読んでいた。後半になるにつれて、面白みが増して来る。
クリスマスってどうしてわくわくするんだろう。
本が持つ力ってなあに?
いろいろな世界、宇宙、おばけ。
たくさんの種族が交わって暮らす未来の未来のおはなし。
一つ一つの物語に紡ぐ人の想いの欠片を感じて、
それを色々な人と共有し忘れないために言葉に残していく。
本ができる過程やその想い入れは、素晴らしいなと思った。
なにより表現が素敵すぎて、一つ一つの言葉がキラキラしていた。
村山早紀さんの本は初めてだけれど、心があたたかくなる、魔法のような本を紡がれる方だと感じた。
手元に置いておいて読み返したいなあ。
特にスーツケースのお化けのお話と。
魔女のお話が好きでした!
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SFっぽいファンタジー
地球が滅びた何年もあと、人と共に月に暮らすネコビトやイヌビト、トリビトたちが、長く読みつがれるクリスマスにちなんだ物語の本を編集していく。
いいお話だったけれど、いまいち物語の世界に入り込めなかったのが残念。
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美しく優しい、切ないファンタジー。
ある登場人物の「神も仏も信じないけど人の心や想いは受け入れられる」、という考え方に同感だなと思った。