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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誘拐された中学生の従姉妹を救出すべく、彼ら一族が所有する孤島の屋敷「雷龍楼」へ向かう穂継。過去に密室殺人が起こった館で、交渉の鍵となるモノを探す中で、再び凄惨な事件が繰り広げられる。過去と現在の密室殺人と誘拐、複雑に絡み合う事件と人間模様が特徴のイヤミス。
「トリックが存在するなら密室ではない」密室の定義にこだわり、人の心理の深くまでを求めた、貪欲で真っ直ぐなミステリに戦慄した。
「読者への挑戦状」として先に色々明かされるが、読み進めれば進めるほど、何を求められているのかわからなくなり、思考が停止する。すべて揃っている。ミステリにおいて重要なポイントだが、何もかもが揃い過ぎても逆に見えなくなる。それを硬軟織り交ぜて表現した、挑発的な本格ミステリ。
個人的には目で読む派だが、Audibleで読んだ(聞いた)ら、この作品の一番の仕掛けをより堪能出来そうだと感じた。想像する事を純粋に楽しめる作品。
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同居中の従妹が誘拐され、犯人の要求で伯父の持つなんらかの書類を盗み出すべく親族の法要へ向かう青年。
しかし彼は殺人事件に巻き込まれて犯人にされかけているという。
誘拐犯との利害の一致で、誘拐された従妹と誘拐犯は限られた情報から状況を推理していく。
冒頭で示される作者から読者への挑戦に犯人が書かれているという奇抜な始まりのミステリー。
これは間違いなくイヤミス。
傲慢にも自分の目的だかのために他者を傷つけてもいいと考えている人達が報いを受けた話なのでは。
犯人にも被害者にもざまぁみろっていう感じで同情できないわ。
いや、別に死んで欲しかったわけではないけれど。
だいたい因果応報っぽい。
肝心のミステリー部分は途中から何かおかしいのでは?と時間がズレている可能性と演技の可能性は考えたけど、現実と虚構がごっちゃになってたのはわからなかったなぁ。
まぁ最後のオチは読めてたので衝撃とかはなかったんだけど、単純にどっちも俗物だったせいかもしれないな。
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#読了
2024/8/30
雷龍楼の殺人/新名智
なんとなくこんな感じかなぁ、とは予想はついていたし後半もやっぱりそんな感じかなぁ、と。昔の殺人の犯人は意外かも。ただ兄(又は年上の男性)をにぃにとか変な呼び方する女は地雷しかおらん。
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設定がすごい密室殺人、すぐには行けない孤島、警察すぐには到着できない、病院にもすぐに行けないミステリーの定番を超えた最高傑作。監禁された所と殺人現場の孤島での同時進行の謎解きが面白い。ラストの意外な結末に驚愕してしまいました。
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申し訳ないけれど、正直に言ってこれはあまりにつまらなかった。
文章もまるでロボットが書いたのではないかと思えるほど生きていない文章であった。大きなお世話だろうがもう少し作家の言葉で書くべきかと。
登場人物も無駄に多いと感じた。
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どうも読んでる途中で違和感があった。
穂継が目的を達成できねば、人質である霞は殺されてしまうという危機的状況の中、何故か穂継と誰か(正体不明の女性)は2年前の事件についての考察をしている。時系列がズレているというオチなのだろうか?しかし、叙述トリックはないと最初に書かれているし…等と思いながら読んでいたら、そう来たか。予想できなかった。
雷龍楼という少し変わった造りの屋敷で起こった殺人事件。事件が起きたときに犯人が隠れられるような場所はなく、関係者の中に加害者がいるという疑心暗鬼が募る。そんな状況で次の殺人が起きる。不可解だった最初の殺人に比べ、次の殺人は容疑者が絞られてきた…。
ここまでは緊張感を持って読んでいたのだが、なんとクライマックスは犯人が生き残っている者たちを殺しまくるというカオスに…。ここまで来ると緊張感というより恐怖感を覚えた。早く、逃げて穂継!としか思えない。
ただし、その恐怖感も裏切られることになった訳だが。
2年前の事件の犯人は明らかにサイコパス。ここまで酷い状況であれば、関係ない人を巻き込んでも何とも思わないかもしれないが、最も殺したかった人への動機が恐ろしい。
誰も幸せになれない結末だったが、私は面白く読めてしまった。
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ラストが驚愕だった!
あれだけの殺人事件は真子が描いたプロットで、実際には殺人事件は起きていないことも、霞が犯人を滅多刺ししたのも、その犯人が穂継だったことも…。
なんともやるせないラストだった…。
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密室の結末が意外な方向に進みました。賛否両論な展開だと思います。違和感はありつつ、途中までとても読み応えがあったので、私は少し残念に感じました…。
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感想
古典的クローズドサークル。目新しくもあり展開はサプライズ満載。現実にあり得ない状況だからこそ興味が掻き立てられる。
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何とも言えない。
屋敷、密室、トリックと豪華な品揃え。
好きな人は好きだろう。
そもそも、好みの分野でないのに読んでしまった。
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楽しめました。
最後のどんでん返しが驚き。
怪異のある話が多めな印象のある作家さんですが、これは完全にミステリーでした。
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雷龍楼、印象は昭和初期の名家のお家騒動かなと。湖と海の違いはあれど犬神家の一族が真っ先に浮かびました。映像化されたら綺麗なんだろうな。ストーリーが進むごとに何かモヤモヤした感情を最後まで引っ張りました。
にいには策士策に溺れましたね。色男だから感情移入出来ませんでしたが。
アリアドネの声を読んでいたのか伏線バシバシ分かっちゃいました。でも面白かったですよ。
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タイトルと表紙に惹かれたが内容も面白かった!
ありがちな館、密室殺人かと思いきや・・・。
オチは悪く無かったが、多少無理のある設定がチラホラあるがトータルで見れば悪くは無かったが、もっと面白くなる余地はあったはず!?
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物語の舞台や込み入った設定、どんでん返しの叙述トリック、登場人物の現実離れした歪んだ思考と自分にとっての好みの要素満載で星5つに相応しい作品だった。
その上で、やっぱり十角館の殺人にはなり切れないと感じてしまう。
霞を侮ったということに尽きるのだろうが、ちょっと穂継達の計画は杜撰過ぎる印象は否めない。
そのあたり、より説得力があれば、もっと重厚感が増したと思う。
叙述のネタばらしとして意識したであろうパンダの下りも、どうも狙い過ぎな感じがして、せっかくのカタルシスシーンがちょっとインパクトに欠けたような。
フェアといえばフェアなのだが、ちょっとヒントが多過ぎて丸わかりだったのもあるかも??
めちゃくちゃ好みだっただけに、細部でもっとこうならばというワガママが出てしまう(笑)
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Amazonの紹介より
富山県の沖合に浮かぶ油夜島。この島にある外狩家の屋敷「雷龍楼」では2年前、密室で4人が命を落とす変死事件が起こった。事件で両親を失った中学生の外狩霞は、東京にいるいとこ・穂継の家へ身を寄せていたが、下校途中、何者かに誘拐される。霞に誘拐犯は、彼女を解放する条件となる「あるもの」を手に入れるため穂継が雷龍楼へ向かったと告げる。しかし穂継が到着した夜、殺人事件が発生。その状況は2年前と同じ密室状態で、穂継は殺人の疑いをかけられる。穂継が逮捕されると目的のものが手に入らないばかりか、警察に計画を知られてしまう。穂継の疑いを晴らしたければ協力しろ、と誘拐犯に迫られた霞は、「完全なる密室」の謎解きに挑む。
なんといっても目をひいたのが、「読者への挑戦」です。
冒頭、正確にはプロローグの後にまさか登場するという斬新な方法には驚きでした。しかも犯人と誰が殺されるのか?、被害者も提示するので、いったい何を楽しめばいいの?と思ってしまいました。
ただ、誘拐犯やどのようにして犯行したのか?といった過程は提示されていなかったので、そこを楽しめればいいのかなと思いながら、読んでみました。
ある程度、情報があるので、この人は後々殺されるんだという驚きはないのですが、それにしても恨まれる性格ではなく、むしろ優しい人達が殺されたことに残念感がありました。
展開としては意外と早いです。あっという間に連続殺人へと発展するので、犯人がいかにして犯行を行ったのか気になるばかりでした。
そればかりでなく、過去の変死事件とどう関係していくのかも気になりました。
同時進行として、一族の関係者の誘拐事件も発生します。解決するためには、事件の舞台となる「雷龍楼」にて「あるもの」を手に入れてこいということで、別の関係者が潜入します。
どう2つの物語が結んでいくのか?そして誘拐犯は誰なのか?そういった興味を持ちつつ、展開していくのですが・・・個人的にこれは無いなと思ってしまいました。
確かに新たなるミステリーで新鮮感はあるものの、今迄の楽しみを捨てちゃったかのような雑感がありました。
屋敷で起きた連続殺人の真相を知りたいのに、まさかの結末だったので、期待していた分、この方法はちょっと残念だなと思ってしまいました。
さらに誘拐事件の真実も、イヤミスだったので、なんとも言葉を失ってしまいました。誘拐に秘められた謎、そしてその真相にはそういうことだったんだということはわかったのですが、あまりにも悲劇的すぎる一面もあったので、全体的に微妙に感じてしまいました。