汚れたら綺麗にしたいじゃない
2024/06/30 11:21
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪いことをしたくてしている訳じゃない。でもうっかりや若気の至り、カッとなっての失敗は誰にでもある。それに風が吹けば桶屋的な顛末も。それにどう対応するかその人その人、その時その時。
そんな出来事から派生した登場人物たちの行動、心理がひっそりと迫ってくる。
安定のイヤミス!
2023/11/23 17:14
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投稿者:マツモトキヨシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イヤミス大好き&芦沢さんの短編大好物な私にとって
今回の文庫発売は待ちに待ってた!
いや~楽しかったです。
特にラストの「ミモザ」。
朝、通勤時に読んでしまったため
午前中仕事していてもモヤモヤが抜けず大変でした(笑)。
汚れた手をそこで拭かない
2024/02/15 21:07
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「どうでもないこと」で済むような、日常のごくちょっとしたことが、いつの間にか取り返しのつかない事態になってしまっている。誰にでも起こり得ることばかりなのが、じんわりと恐怖だった。
特に、『埋め合わせ』は、なんでこんなことになってしまったんだろう、という結末がブラックすぎて、笑い所も笑えない状態だった。冷や汗、脂汗。主人公と一緒にドキドキしてしまった。
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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪い事は出来ませんね。
やっぱり神様は見ているのです。
嘘は一つついたらつき続けなければいけないので、これは精神的に参ります。
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良いですね、芦沢央っぽい嫌ーな気分になる短編5編。タイトル通り、ではどうすれば良かったのだろう、と考えてしまう話を違ったテイストで描いてるので一気に読めた。それぞれの話のテーマも現実的で、自分の身に置き換えても考えてしまうし、更に分かり易くさらっと読み易いのにしっかりどろっとした物が残る味は、作者が年を重ねる毎に上手くなってる気がする。こういう話がもっと読みたい。
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どの話も恐ろしくスリリング。この本のポイントは2つあって、
①恐怖の対象が幽霊や化け物、狂人など非日常的なものでなく身近で日常的なものであること
②選択次第でギリギリどうにかなりそうな恐怖であること
この身近さがリアリティと臨場感を生み出していると思う。どの主人公も自分自身が原因を作り、それに追い詰められ、バッドエンドを迎えている。恐怖は何かに対して向けるものではなく、文字通り自分で作り出すものであると考えさせられた作品だった。
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【もうやめて……ミステリはここまで進化した!】ひたひたと忍び寄る恐ろしさ、ぬるりと変容する日常から目を背けてはならない。 取り扱い注意! 直木賞候補となった最恐ミステリ。
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後味の悪さが気持ちいい。
プールの話、「埋め合わせ」が1番好きかな。
それにしてもタイトルが秀逸すぎるな〜。
「汚れた手をそこで拭かない」
この作品にはこれ以外ないもんね。
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久々の読了!
どの短編も芦沢さんらしいなんかこうジリジリと人が追い詰められていくような感じが味わえます笑
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"直木賞候補作"という帯に惹かれて少し前に購入したままになっていたものを、ようやく読んだ。
一言でいうと期待しすぎたのかな?という感想。あまりグッとこなかった。
でもそれは私が短編集をあまり好まないからかも。
ほんの少しの隠し事、嘘、油断が、気づけば取り返しのつかない事態に膨れ上がっている。
どれも自分にも降りかかってきそうな事柄で背筋が伸びた。
そして彩瀬まるさんの解説がまたいい。
「汚れた手を、どこで拭けばよかったんだろう。」
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人の嘘、嫌なところがもろに出てくる。
短編なので読みやすい。
このタイプの秘密は良いことないよね…。
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実世界は、小説のように明確な結末がないことの方が多い気がするが、その点をしっかり小説として落とし込んでいるのがこの作品。
どの作品もある意味美しいと言えるほど、人間の嫌な部分をぬるっと表現していて、恐ろしさに拍車をかけていた。人生という括りどころか日常生活でさえ、日々、何千何万という決断で構成されていると言われているが、そのたったひとつの決断で善良な人さえもぬるっとした恐ろしさに巻き込まれていく様が、なんとも他人事とは言えず、読後はしばらく日々の些細なことにさえ警戒心を抱いてしまいそうだ。
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面白かった!
血なまぐさい犯罪ではなく、だれもが持っている火種が着火してしまったみたいな詰め合わせ。
この話がめっちゃ好き!面白かった!って鼻息荒く熱く語るような話はないけど、一番読んでてドキドキしたのは「埋め合わせ」。
先生がプールの水を出しっぱなしにしてお金を払ったって言う事件は知っていたので、当事者目線で見られてすごくハラハラした。最初はちゃんと言おうとしていたのに、タイミングが合わずにずるずる時間が過ぎて、結果隠ぺいするって話なんだけど、これはめちゃくちゃわかる。あんな報道見たら隠ぺいしようと思う。
終わり方が好みなのは「ただ、運が悪かっただけ」。妻の理屈っぽいところがここにつながるとは。死んだ男がすごく胸糞悪い奴だったので結構スカッとした。
あと「忘却」は忘れるという意味も色々変わってくるのだと思った。
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またしても体調を崩している。
なんだか今年は季節の変わり目全部で体調を崩していて、厄年が全て終わったにも関わらず、しんどかったような気がしている。細菌が目に見えたらいいのに。免疫が目に見えたらいいのに。
今回は、咽頭炎だ。
発熱もない、頭痛もだるさも鼻水もない。ただただ、喉が痛くなって、声が出なくなった。
今はもう声以外の不調は全くなく、約一週間、声が出ない生活を送っている。
仕事に支障は出まくりだし、家にいても独り言ばっか言ってたことに気づかされるし、結局わたしは一人で外出している時以外は基本的にずっと喋っているらしい。そんな時はもう、カフェで読書一択!
人間関係を描いているのに、まるでホラー作品を読み終えたかのような読了感を覚える作品というのが、ある。代表例は、辻村深月さんの『噛みあわない会話と、ある過去について』とか。
あの、ぐりぐりとこちらを追い詰めてくるような描き方は本当に本当に怖かった。
で、本作品はというと。
5つの作品の主人公(もしくは登場人物の一人)は、みんなある隠し事を抱えている。その隠し事は、絶対に他人にばれてはいけない。でも、もしかしたら誰かには、その隠し事のことがばれたかもしれない。そしてその誰かは、ばれたら一番やばいやつかもしれない――
という、ずっとこのヒヤヒヤ感とともに進んでいく読書で、まるでそれは、解説を担当されている彩瀬まるさんの言葉を借りると「閉鎖空間に監禁されたデスゲームの参加者のような切迫感」。カフェの喧騒が嘘のように静かになった世界で、わたしの唾を呑む音だけがごくり、と響き渡る。悲鳴を上げそうになったその瞬間、再び喧騒の中へ。何が起こったか分からなくなると同時に、息苦しさだけが残り、呼吸が浅くなっていることに気付く。目の前には、まだ温かいソイラテ。そんなに時間は経っていないはずなのに、ずいぶんと時間が経っているような気がする。それだけ追い詰められていたということか。
特に印象的な作品は2つ。『埋め合わせ』と『ミモザ』
いずれもものすごく日常的な場面を描いている分、怖さがましまし。
『埋め合わせ』の主人公は小学校の先生。日直で学校へ行った日に、あることをやらかしてしまう。彼は必死でそれを隠そうと、計画を企てる。そして実行する。さて、この計画は果たして成功するのか否か。
『ミモザ』の主人公は、料理研究家の女性。現在は結婚し、夫がいる。しかし、すでに関係が終わった不倫相手に再会。彼が放つ言葉が、愛の言葉だったらまだマシだったかもしれない。
この『埋め合わせ』に、五木田先生という先生が出てくる。
この男、読みながらやばい匂いがぷんぷんしているのだけれど、この先生、実写化したらたぶんわたしの好みなんじゃないかという気がしていて、P82「とらえどころがなく、いつも飄々としていて、話していると落ち着かなくなる。(中略)なぜかこの男から呼ばれると男子生徒からふざけ交じりに『センセイ』と呼びかけられているような気持ちになるのだ」。たぶん、シュっとしていて黒縁のメガネをかけた無造作ヘアー男子だと思うんだよね��偏見)。それでいて学校の先生!
あと、『お蔵入り』に出てくる小島のそこはかとない色気の描写。P149「スポーツ中かのような健やかさと、それを裏切る双眸の暗さ。土でわずかに汚れた頬と、濡れて額に張りついた長い前髪には、どこか倒錯した色気がある」。
こういう描写があるのも、やっぱり女性作家さんの作品だよなぁ(偏見)。
だけど、基本的には要注意の作品。裏表紙にもあるように、「凶器のように研ぎ澄まされた”取扱い注意”の傑作短編集」です。ゾクゾクしたい時におすすめ。
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少し期待が大きかったから、こういうことかって拍子抜けしてしまったのもある。
一番印象深かったのは、第二編の「埋め合わせ」。毎年のようにこういったニュースを目にするし職業柄同情してしまった。
何かを間違えた時、保身に走ってしまいそうになるけど、素直に謝ったり反省したり、そういうことが大切。ズルはダメ、絶対。