さんしろうさんのレビュー一覧
投稿者:さんしろう
本日は、お日柄もよく
2015/12/13 21:01
言葉のイメージを一新させてくれた作品
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最初から最後まで感動する場面満載であり、読んでよかったと実感できる作品。自分がスピーチや言葉に対して抱いていた軽佻浮薄というイメージが一新された。舞台は物語の中ではあるが、作り手が読み手に対して抱く思い、読み手が聞き手に対して持つ気持ちによって、言葉とはこれほど力を持つものかと再認識。読後感が実に素晴らしい作品であるが、原田先生の作品を読むと、なぜか三浦作品を思い浮かべてしまう。
生きるぼくら
2015/10/27 23:42
日本人なら米を作ろう
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「楽園のカンヴァス」があまりに面白かったため、他の作品を読むのを敬遠していた。が、原田先生こんな涙腺崩壊ものも書けるのか!とびっくり。後半は最終頁までずっと涙涙。家族、農業、仲間といった現代の日本人が軽視しているものを再認識させてくれる実に素晴らしい作品であった。読み終わって無性に自分も米が作ってみたくなった。
超高速!参勤交代
2015/08/23 15:05
痛快時代劇小説
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
物語は単純な勧善懲悪時代劇であるが、その道具として参勤交代を使うという発想が斬新であり、最後までテンポよく話が進み気持ちよく読めた。途中途中で必ずトラブルがあり、人情、旅情、お色気、緊迫感様々な要素を楽しむことができるのがまたよい。ところで、読後調べてみたら、湯長谷藩も内藤政醇も実在していたことを知りびっくり。
怒り 下
2016/03/28 22:41
人の信の心を問う推理小説
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
血文字の意味、動機など、本流であるはずの八王子事件に関しては謎を残し、その他の3つ(4つ?)の人間物語は終結させるという想定外の結末には、いい意味での裏切られた感が残った。、並行して進むいずれの物語も、人の「信」の心を問うており、日常我々が踏み込む機会の少ないだけに考えさせられた。吉田作品は初めてであったが、このような展開でありながら、読後破綻を感じさせない作者の力量は、さすがの一言。
天国までの百マイル
2015/09/12 16:19
母の素晴らしさを思い出させてくれる秀作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
素晴らしい作品であった。高田郁先生以外の本でこれほど泣けたのは初めて。母が、子が、男が、女が、そして医師が相手を思う尊い気持ちが、全編にわたって散りばめられており、涙の乾く間がない。おかあさんは「貧乏なお前に助けてほしくはない。金持のお前に見捨ててほしい。」との件(くだり)は、自分の母もまさにと思った。また、平成の母(女)たちからはこのような感情は感じられないなとも読後思った。
真田三代 上
2015/11/23 15:33
真田頑張れ!家康に負けるな!
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幸村は、日本史中最も好きな人物の一人であるが、意外に本がなく、ずっと探していたところである。おそらく大河化の影響か最近本屋で目立ち始めたのはうれしい限りで、本書を購入。武田VS上杉VS北条という戦国時代中でも最も熾烈であった闘いの中で、真田の難しい立ち位置が実によく書かれており、説得力があった。家康嫌いな私としては下巻のVS徳川の合戦が楽しみ、昌幸と幸村の活躍に期待。
あい 永遠に在り
2015/08/15 14:32
高田先生らしい心洗われる作品
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文庫本化を待ち、即購入。人物伝と時代物の違いはあるが、澪つくし同様心洗われる作品であった。安穏に堕さず、常にその身を苦境に置く寛斎、その夫を明るく健気に支えるあいの姿は実に感動的であった。あいを、何とか斗満へ行かせてあげたかったが、寛斎ほどの優れた人物に愛され、激動の時代を生き抜いたあいは、自分の一生にきっと満足であったろうと思う。
あと少し、もう少し
2015/08/15 14:29
40年前を思い出しました。
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中学生、駅伝、中山間地という取り合わせが絶妙であった。それぞれ何らかの事情を抱えた、まさに寄せ集めの6人が一つの襷をつないでいく物語は実に読み応えがあった。先生の言葉、中学校はいくらでもやり直しがきく、中学の部活は技術以上に学ぶことがあるとのセリフに作者の意図を感じることができた。早速中学生の娘に読ませることとした。
陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス
2015/08/09 12:06
実に陽気な伊坂作品
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伊坂作品は何パターンかあるが、チルドレンや死神と同系列のこの手の作品が好みである。一風変わった登場人物たちの非日常的な行動に、軽妙な会話がうまく絡んでおり、読んでいて実に気持ちがいい。妙な蘊蓄や諺が次々に出てくるが、それがコミカルであり、伊坂先生のセンスに脱帽である。続編の日常と襲撃も読もう。
陽気なギャングの日常と襲撃 長編サスペンス
2015/08/09 12:04
奇想天外な伊坂ワールド
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陽気で知性と義侠心に富むギャングたちが多くの人を助けるという奇想天外な世界であり、中身は詭弁にあふれているが、登場人物たちが実に魅力的であり、伊坂先生の起承転結をまとめる技術のせいかついつい物語に引き込まれてしまう。見事なコメディであり、こういう何も考えずに楽しめる作品は貴重と感じた。
阪急電車
2013/02/27 22:56
おすすめ
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大学時代を関西ですごした私は、こういった作品はつい買ってしまう。しかし、買ってよかったと思わせてくれる作品であり、心が癒された。お勧めです。
追想五断章
2015/10/11 14:08
後味の悪さがたまらない推理小説
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
米澤作品特有の微妙な暗さが漂う中、米澤推理小説には珍しく、展開が緻密で、終末が予想できない面白さがあった。ひとつの小説の中に結末のない5編もの小説が出てきて、それぞれが過去の事件の謎解きにつながるという造りは、斬新であり読み応えがあった。それにしても、米澤作品は学園ものを除き、独特のほの暗い感じが何ともいえず好きである。
新釈走れメロス 他四篇
2015/10/27 23:44
爆笑!森見ワールド
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表題作では、、へっぽこ京大生が京都市内を疾走、お馴染みのキャラたちも登場し、森見ワールド全開で大爆笑であった。いつも思うのだが、下品で荒唐無稽な話なのに、再読したくなるのが森見作品の不思議なところである。
百年法 下
2015/10/12 15:02
不老不死の是非という重いテーマを扱った小説
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上巻はSF調であったが、下巻はサスペンス調。人の命を法が定めなければならない世界、その是非に関し、要所要所に国民投票が登場し、日本国民の良識が問われている。遊佐とケンが形式上の主役ではあるが、最初から最後まで国民の国の将来を考える意識が実質的な主役であったように思える。さて、自分であったら、どのような選択をするだろうか?