あかすりさんのレビュー一覧
投稿者:あかすり
2020/10/29 12:03
怖さはかなりのもの
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女の子二人がヤバいバイトで怪奇にあう話です。第一巻はホールスタッフ、ビル警備員編、個人向け配送業編、治験編が収録されています。でてくる怪異はかなり強烈で、しかもホラー映画のように「くるぞ、くるぞ」とためた後にぺーじをめくったところでドーン!と大ゴマで出てくることが多いので怖さはかなりのものです。女の子が怪異に会ってひどい目にあうけどなんとか助かる系漫画はさいきん「裏世界ピクニック」や「見える子ちゃん」などいろいろありますが、「怖さ」という面では一番かもしれません。あとコメディパートも悪趣味ですが面白いです。
2023/07/02 17:10
はやく2巻を
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「でろでろ」みたいにお化けと戦う話ではなく、近年盛んになってきている怪談師によるスポコン漫画。田中俊行や吉田会長の著書が好きならどストライク。まだ1巻なので今後ゆうやみ特攻隊みたいに怪異と殴りある展開になるかもしれませんが、いまの緩い感じも好きです。あと、押切先生の描く部活の先輩(女部長)と妹は常に最高ですが、今回の部長もかわいいです。
2020/11/15 01:28
しらかみさま怖い
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フリーターのユメちゃん、ハマちゃんが怪奇現象に巻き込まれまくる裏バイトシリーズの第2巻。「人形供養」、「自然保護監視員」、「助勤巫女」、「水族館スタッフ」の4シリーズが収録されている。怪異に巻き込まれてたいそう怖い目にあう⇒なんとか助かる、という王道展開ながら、怪異のビジュアルが怖すぎるのと絶妙なコメディパート(とくに橙というパートナーがでてくるがバカすぎてすごい)がいい味を出している。今回の4シリーズのなかではとくに「自然保護監視員」が好き。しらかみさまがとにかく怖いしオチのインパクトが強烈だった。
2018/09/21 12:19
現世は夢 夜の夢こそ真
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「虚人たち」や七瀬シリーズの最後のようにこの時期の筒井康隆は物語のメタ構造に傾倒していましたが、本作はその集大成であり、現実⇒夢⇒執筆している小説⇒劇のように虚構・夢・現実の区別なく流転していきます。主人公の名前・職業・家族もそれにあわせて変動し、街並みも閑静な住宅地から不穏な長屋、不気味な座敷が連続する異次元とダイナミックに場面転換していきます。地味な中年男性会社員が主人公なためどうしても最初とっつきにくいですがだんだん感情移入するようになり(正直筒井作品ではもっとも人間的な主人公です)クライマックスは圧巻です。私としては筒井作品の最高傑作の一つだと思っています。
あとがきが非常にわかりやすく本書を解説していますので、買おうか迷っている方はまずあとがきを読んでみてください。
2018/07/22 12:39
地味に鹿の子ちゃんがかわいい
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1巻に引き続き変態文学娘の愛読書を娘の不在中に盗み読む父親という設定で1話読み切りのお話が進みます。男塾の話はSNSでバズってリイドカフェのサイトが落ちたと聞きますが、そのほかの話も突き抜けていて大変面白いです。闇が深すぎて訳が分からない話もちらほらありますが、リイド社セールの今絶対購入して損しない一冊だと思います。
2018/05/24 12:48
面白いがどぎつい
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1話目の最初から絵柄がどぎついので読む人を選ぶが、大変面白い。SFと書いて少し不思議なままおっさんになってしまった人なら是非。この漫画が連載されているリイドカフェはアクが強く胸焼けする漫画しか無いが、良作が揃っているので一度読んでみることをお勧めする。
2024/07/19 00:01
文化祭編
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女子のなかに映画好きな男の子、っていう構図は変わらないけど恋愛が前面に出てきた巻。天羽ちゃん頑張ってほしい。
2020/10/29 11:34
スプラッター教養小説?
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「昼、少女は遊びを覚え、夜、少女は遊びで人を壊す――。『鬼死ね』『マザリアン』の著者が、1973年の大阪を舞台に放つ兇悪ビルドゥングス・ロマン」という紹介文。ビルドゥングス・ロマンを調べてみると教養小説とある。メイコがさまざまな友達と遊びを通じた触れ合いの中で人間性を形成していく、という全体を通しての背骨は、たしかに教養小説的。メイコが回を追うごとにかわいくなっていくのはみてて楽しい。いっぽうでスプラッターシーンはあまりリアルじゃないので大丈夫だと思いますが人によってはダメだと思うので、まずはWebアクションに1話無料で掲載されているのでそれを読んでみてから購入を検討することをお勧めします。
2018/06/10 14:04
秀吉考察
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翼の生えた犬と秀吉の関係について膨大な文献と現地の取材に基づいてていねいに考察されています。歴史小説や教科書ではみられない秀吉像が九州と金を中心に描かれており、大変興味深く読みました。
2018/06/10 13:45
愛すべきお馬鹿
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とにかくくだらないミステリー短編集です。表題作のほか国内外の有名推理小説のパロディが多く、下ネタも多いですが嫌悪感はなくクスッときます。本腰を入れて読む感じではないですが、満員電車での通勤などあまり読書に体力を消耗したくないときにサラッと読むのに最適だと思います。
2018/06/17 13:47
LGBTとは
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ゲイ漫画では海外でも大変有名な田亀先生の一般向けの漫画。男性のシャワーシーンや酔っぱらって帰ってきて男同士でドキッとする瞬間など、ヘテロな恋愛漫画だと「サービスシーン」に該当するようなエピソードにおかしさを感じましたが、そういうのは抜きにしてこれはLGBTの人たちを理解するうえで非常にすばらしい漫画です。小学生の女の子が主人公の男性が気を使って聞けないことをきいてくという流れが自然でよく、男性同士の夫婦について「どっちが旦那さんなの?」というド直球の質問に「どっちもハズバンドですよ」という回答は大変新鮮でドキッとさせられました。長い間LGBTの世界にいる方ならではの言葉だと思います。
2018/06/17 13:14
面白い
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某所で酉島伝法さんが絶賛されていたので興味を持ち読みました。
舞台はコンベンションセンター直結の新しくできた巨大チェーンホテル。廊下にある抽象画、果てしなく続く長い廊下、廊下の突き当りにあるスタッフ専用扉、、、先日出張でアメリカのホリデイインに泊まりましたが、まさにそのままの風景で、ナイトテーブル上のデジタル時計の赤いランプの色まで同じで少し笑ってしまいましたがこういった何気ない備品が後半に行くにつれて重要な意味を持ってきます。前半部分の理不尽な虐げられ方は読んでいて辛いですが、後半になりSF(ホラー?)になってからはめまぐるしく場面転換があり、映画的なスピード感があります。主人公の行動は不用意なことが多く正直感情移入しづらかったですが、それを補ってあまりある情景の描写、秀逸な舞台設定に引き込まれました。
2018/06/10 14:44
都市とは何か
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警察に勤務するさえない中年男性綾田(あいでん)カイムと情報震なる未知の脅威でほぼ壊滅した世界で生きる女性軍人綾田ミウ。話が進むに従って個人だけでなく都市、世界のアイデンティティが変容し、2人の物語が結びついて結末に至る重厚さはさすがです。2012年7月刊行された小説で、直接地震が出てくるわけではないですが東日本大震災直後の不安、地震そのものだけでなくこれまで普通に生活していた世界そのものの不安定さに気づいてしまった不安を思い出しました。
2018/11/04 13:12
刻刻自体は名作ですが
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刻刻の後日談。物語の最終盤に文字通りデウスエクスマキナとして出てきたある登場人物が中心のおはなしです。話としてはコメディタッチで主要な登場人物のその後が分かって楽しいのですが、いかんせんボリュームが少ない。本編はまちがいなく星5つで、名作だとおもいますが、これにたいして100円払うのはさすがにきついかなと思います。
2018/09/27 13:21
だいぶひどいマンネリ
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孤独のグルメ、野武士のグルメと巻をかさねるたびにマンネリ化してますが、本作も同様です。作者も分かっているのか足立や大久保の市場など面白い食堂に行っているのですが、最後に力石が来てこけて終わるのが毎回一緒で、だんだん主人公の心の狭さにムカついてきます。孤独、野武士でも感じた「そうじゃないんだよ、僕たちはそんな主人公を望んでないんだよ」がここでもまた、、、開き直って普通のグルメレポにした方が断然いいと思うのです。