けんたんさんのレビュー一覧
投稿者:けんたん
112日間のママ
2016/02/16 21:13
一生に数冊しか出会えない,必ず読むべき本
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本が出版されることを知った時,一生に数冊しか出会えない,必ず読むべき本であると思いました。先日,京都の書店で行われたサイン会に行って購入し,清水健さんに直接お会いすることができました。
清水さんの奥さんは,妊娠直後に乳がんが発覚します。
妊娠中のため放射線治療などができず,出産をあきらめるか否かという,「命の選択」を迫られます。
2014年5月20日に手術で皮下乳腺全摘出,10月23日に男の子を出産しますが,その後,肝転移,骨転移,骨髄転移が確認されます。
激しい副作用に苦しみながら抗がん剤治療を続けますが,病魔は情け容赦なく身体を蝕んでいきます。
親子3人で最初の,そして最後のお正月の竹富島旅行。清水さんは写真を撮り続けます。
2015年2月11日に亡くなられ,清水さんは御遺体をタオルで拭いた時に初めて手術の傷痕を見ます・・・。
サイン会には,小さな子供を連れた若いお母さんたちが大勢来られていました。奇しくも最近,イクメン(?)国会議員が起こした騒動がありましたが,本物のイクメンパパの清水さんの書かれたこの本を一人でも多くの方々に読んで頂きたいです。
完全独習統計学入門
2015/11/30 23:20
統計学の入門書の決定版
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私が以前使っていたのは、「確率・統計」の本であり、「確率」の勉強のためには、順列・組合せを勉強しなければなりませんが、
「袋に何色の玉を何個ずつ入れて取り出すときに・・・」
とか、
「何個のサイコロを振って、出た目の合計が○○になる確率は・・・」
など、退屈で面白くないものでした。
しかし、本書は、純粋に統計学からスタートするので、すぐに中身の濃い統計学に触れることができます。
練習問題もついており、その解答もついています。
初めて統計学を学ぶための、決定版と言えるのではないでしょうか。
滑走路 歌集
2020/12/22 18:05
日本文学の至宝
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
萩原慎一郎さんは、現代の石川啄木だと思う。
しかし、彼の短歌は、啄木のような陰湿さが無く、何となくスッキリしている印象を受けた。彼の心が美しいからだろう。
日本は、日本の文学界は、萩原慎一郎という至宝を得て、そして失った。
彼が生きて行けないような社会は、世の中は、何か大切なものが欠けていると言わざるを得ない。
輝く夜
2016/01/31 21:00
百田ファンの女性の必読書
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『永遠のゼロ』の著者である百田尚樹さんの短編集です。
5編とも,クリスマスの時期の女性の話であり,一応はハッピーエンドで終わります。
ただ,第3話『ケーキ』は,あまりにも切ない病床での夢の話です。
百田氏の外見からは想像もできない(失礼),女性の心理を描いた作品で,百田ファンの女性は必読と思います。
ツナグ
2016/01/29 20:19
映画でカットされた部分が最高傑作
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この小説の中でも,『アイドルの心得』が,最高傑作の章と思われます。
友人にも読むように強く勧めましたが,映画を見る予定だからと拒否されました。
ところが,後でその友人に聞いたところ,映画では,『アイドルの心得』が無かったそうです。
主人公の故・水城サヲリが故・飯島愛さんではないかとネットで噂になっており,私も読みながらそう思ったので,映画化できるのか気になっていたのです。
そういう理由で,映画を見た方にも本を読まれることを強くお勧めします。
塚本邦雄の青春
2020/01/20 21:44
目次を見ただけで痺れ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まず、目次を見ただけで痺れを感じました。塚本邦雄の歌の断片が並んでいたからです。これは期待できると。
実証的な文章により、塚本邦雄の人物像が明らかになっています。時代背景にも言及されていて、若い読者層の理解を助けてくれています。
クライマックスは、『高踏集』『水葬物語』への反響の記述で、情け容赦ない批判を浴びせられたことがわかります。
塚本ファンのみならず、短歌愛好家なら必読の本と思われます。
清唱千首 白雉・朱鳥より安土・桃山にいたる千年の歌から選りすぐつた絶唱千首
2019/04/05 06:44
和歌のアンソロジーで最もおすすめ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
塚本邦雄氏による和歌のアンソロジーの中でも、最大の千首を収めています。
千首すべてに丁寧な解説がされています。
いくつかの和歌は、あたかも細胞のように、読んだ人の中に残り続けることでしょう。
和歌文学の基礎知識
2019/04/03 17:39
和歌は日本の精神的支柱
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
和歌について、31項目に分けて書かれています。
項目の一つ一つは短いので、忙しい方でも読みやすいと思います。
和歌は日本の精神的支柱なのだと、あらためて思い知らされました。
愛する源氏物語
2018/11/26 10:33
俵万智さんならではの本
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
古典和歌を現代短歌に翻訳することは、数学における数式の変形にも似ているような気がします。誰にでもできることではありません。この困難な仕事を得意としておられる俵万智さん。まさに古典への案内人です。
紫式部が、源氏物語の中で、男性の短歌を女性の短歌よりも少し下手に詠んだことに面白さを感じてしまいます。
解説百人一首
2018/07/31 20:05
男子校のノリ
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
男女共学しか経験のない私にとって,これが男子校のノリでは,と思われました。
女子がいる教室ではブーイングが起こりそうな文章とイラストの数々。
歌よりも先に,冗談やイラストを覚えてしまいそうな,楽しい面白い本です。
神戸、書いてどうなるのか
2016/02/09 22:06
神戸を愛する著者の心が伝わる本
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
81ページ最後の行に,オリックス時代の清原選手について,
「あれほど孤独な生き物を見たことがない」
と,逮捕を予言するような記述があります。
また,先日,水木しげるさんが亡くなられた後,神戸の水木通に水木さんに因んだ何かあればいいのにと友人と話していたのですが,この本にも同じ趣旨の記述がありました。神戸を愛する人々は同じことを考えているのですね。
告白
2016/01/31 16:00
痛快な(!?)復讐劇
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
娘を教え子に殺された女性教師の復讐劇です。
少年法で,’守られている’犯罪少年に対し,あのような(少し歪んだ)形で復讐することには,当然のことながら賛否両論があると思いますが,私は,正直言って痛快でした。
マンガでわかる微分積分 微積ってなにをしているの?どうして教科書はわかりにくいの?
2015/12/12 16:29
微分積分の授業を受ける前に読みたい本
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一冊を通してストーリーがあるマンガではありません。項目ごとに,向かって左ページに文章と数式による解説があり,右ページに数コマのマンガがあります。マンガの中にグラフも書き込まれています。
余談ですが,サイエンス・アイ新書のマンガ学習本はストーリーがない本が多く,ブルーバックスとオーム社はストーリーマンガが多いような気がします。
とりあえず,高校の微分積分の授業を受ける前に,まず本書を読み,次に教科書を読んでおくことをお勧めします。授業のわかりやすさが全然違うと思われます。
マンガ物理に強くなる 力学は野球よりやさしい
2015/12/12 15:38
青春ストーリーで学ぶ物理
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公が打ったファールボールが,天才女子学生に当たってしまうところから始まる,青春ストーリーマンガです。
天才女子学生が講師役になり,主人公に物理を教えますが,一方的に天才女子学生をライバル視する女子学生が登場し,ストーリーが面白くなります。
初めての力試しの問題が解けなかったのは,私も主人公と同じでした(笑)。
読後感もさわやかで,何度でも読みたい本です。