まるわれいさんのレビュー一覧
投稿者:まるわれい
11 件中 1 件~ 11 件を表示 |
押井守の映画50年50本
2020/09/27 00:08
映画を「語る」ということ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
映画監督、押井守が「1年に一本ずつ、50年分の映画を語る」という意図で語られる本で選ばれる映画がイコール映画史に残る傑作・名作であるとは限らない。むしろ脱線して思いもよらぬ結論に落着していくところに本書を読む意味がある。押井守による「映画の演出論」として読むも良いし、「アニメ業界のよもやま話」としても一級の本である。
2019/02/01 15:45
この展開は予想外
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
同タイトルの登場人物「来夏」と「美津羽」を主人公とした、番外編。というのが作品の内容ではあるが、本編からは遠くはなれた、想像だにしないストーリーが展開されるため、人によっては拒否反応が出るかもしれない。本編を、誰かに寄り添い、寄り添われる女の子たちの物語と捉えている方にはお薦め。
決定版ゾンビ究極読本 GEORGE A.ROMERO’S SAGA OF THE DEAD
2019/12/16 16:25
ロメロの前にロメロなし。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2017年にこの世を去った孤高の映画作家ジョージ・A・ロメロ氏が遺した「ゾンビ映画(リビングデッド・サーガ)」にのみ焦点を絞る潔い構成と、世に蔓延るゾンビを扱った映画、テレビ、ゲームを「もどき」と斬り捨てる編者の言いきりが我が意を得たりの痛快さで、同好の士にはたまらない内容。氏の作家論を求める読者にはやや不向きとも言えるが、20世紀を代表するモダンホラーモンスターの創始者の研究所として第一級の参考資料であることは疑いないので、同ジャンルに挑みたい創作者は必携・必読の一冊となるだろう。
「怪奇大作戦」の挑戦
2019/04/08 15:40
迫真のルポルタージュ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
放送50年を経て、なお燦然と輝き続ける名作テレビドラマ「怪奇大作戦」制作の時代と実態を迫真の筆致で描く単行本シリーズの最新刊。制作時の逼迫した財政状況や企画の頓挫など、円谷プロダクション第1期黄金時代の終焉については本文を参照していただくとして、実制作部分への記述について「第24話」をはずす編集方針には(敢えて)異議を唱えたい。没シナリオや企画段階のストーリーまで言及している著者の的確で鋭い視点や深い考察は感服の一言だが、であればこそ欠番のエピソードにも踏み込んでほしかったというのが正直な感想だ。欠番も止むを得ないエピソードであっても、当時の情勢や(現代において)欠番となる根拠や社会事情など、後世に遺す意義は十二分にあると思う。後進の研究者のための第1級の資料本となる内容であるだけに非常に惜しい一冊であると言わざるをえない。
アニメ監督で…いいのかな? ダグラム、ボトムズから読み解くメカとの付き合い方
2019/02/19 21:31
先人の知恵に学べ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
日本が世界に誇る文化(らしい)、マンガ・アニメーションの1ジャンルにしてかつて一世を風靡していた「ロボットもの」の監督として、「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」「機甲界ガリアン」「蒼き流星SPTレイズナー」など数々の名作を送りだした高橋良輔氏が明かす、ロボットアニメの作り方指南の書として読みました。これらの作品のロボット(正式名称がそれぞれあるが割愛)たちが、どれひとつとして同じものがないその理由が監督みずからの筆によって解き明かされる過程に、ロボットアニメファンのみならず大興奮は必至です。作品世界の構築やキャラクターメイキングの考え方の教科書としてクリエイター志望者は須らく読むべき名著です。「ロボットアニメには□ンダムとエヴ△しかない」などという現状に反発する気概を持つ若者(に、限りませんが)はこの本を読まなければなりません。我々は「面白いロボットアニメ」が見たいのです。
バブル
2022/11/29 22:22
読んでから見た方がいい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
同名アニメ映画のノベライズ。鳴かず飛ばずでひっそりと公開が終わった映画のダメなところを補って余りあるSFファンタジー作品。例えばなぜ「人魚姫」のモチーフが出てくるのか?など、少なくとも原案の段階まではきちんとしたエンタメを志向していたことが分かるので、一読をお勧めする次第である。
OTOMO THE COMPLETE WORKS 8
2022/03/21 14:29
紙の本であること。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
長らく絶盤状態にあった諸作のほか、大友克洋氏の多岐に及ぶ活動の全てを収録した全集刊行はまずはめでたく。全41冊(予定)の端緒を飾るのが「童夢」なのは全くもって正しい、意義のあるセレクションである。
問題は本の保護カバーにビニール素材を用いた装丁にあるように思われる。外装保護用のビニールケース(SDG’sとは……)には「ゆがみ、割れ、破れ、色の変色等が生じる場合もございますが……(後略)」と表示されているが、このような注意事項を提示してまでするような装丁なのだろうか。
大友氏の活動を広く紹介することへの妨げとなるような過剰な包装には反対である。作品は間違いなく必読の大傑作であるがゆえになお一層気になるところである。評価点1点マイナスは装丁への苦言であると承知願いたい。
2020/11/01 18:13
ガール・ミーツ……
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
祖母の置き土産をめぐってトンデモない人(?)たちが次々とやって来てしまう基本ホラーのラブコメディ漫画。「自分を殺してほしい」と宣う年齢不詳のヴァンパイア美少女に惚れてしまう美少女、という設定が作者の作風と良くあっていて非常に好感が持てる。血を吸う行為を「いやらしく」描かせてこの作家の右にでる人はそれほど多くないだろう。
最高の映画を書くためにあなたが解決しなくてはならないこと
2020/08/12 17:24
実践編それゆえに
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
シド・フィールド氏による「脚本執筆の教科書」シリーズ第3弾は、脚本執筆にまつわるトラブルへの対処法を、実際の作品を例に具体的に解説するという、文字通りの教科書的内容で、脚本家以外の創作者ならびにその志望者は、一度は目を通しておくべき一冊です。
「脚本の問題は、プロット(筋立て)、キャラクター、構造(構成)の三つの中にひとつだけ」というこの一言だけでこの本の凄さは分かりますが、本書にはさらに具体的な問題解決の方法が記されているので、行き詰まった脚本や創作物を抱えた人はこの本を読んで、ぜひ作品を完成させてください。
書かれている内容が先に刊行された氏の著作と被るところも多々見受けられますが「なぜか私たちはいつも忘れてしまうので、私は(覚えるまで)繰り返し述べる」ということなので、読み飛ばすことなく何度も暗唱すると良いでしょう。
内容自体は満点ですが、誤字や脱字、翻訳の精度にやや問題があり、日本語として成立していない(「てにをは」は、かろうじて合っているが)文章もかなり散見されるので星一つを減点としました。
巻末収録のトラブルシューティングガイド(問題解決リスト)の性質上、電子書籍の方が使い勝手は良いかもしれません。
2019/11/03 18:53
忘れものをとどけに。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
未収録短編集と銘打ちつつ、巻末に収録されている短編(「特別編 料理」)は、某マンガ専門店の紙書籍「第1巻」の購入特典(小冊子)だったりするので、ファンアイテムとしては中途半端な印象です。電子でも紙でもどちらでも良いので(両方ならなおのこと良い)完全な形の単行本を編纂してほしいところです。以上の点を考慮するとオススメはしづらく。作品自体は良いだけに辛いところです。
快感少女(1)
2020/09/20 19:28
「少女マテリアル」分売版その1
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
鳴子ハナハルの初(にして最後の?)成人漫画単行本の単体エピソード。
「2/4〜4ブンノ2〜前編」を収録。
携帯電話(スマートフォン)閲覧を想定した画像演出が施されているが、性描写場面が全カット(トリミング)されるなど、オリジナルの図板を著しく損なっているため、実用面(いわゆるオカズとして)ではまったく役に立たない粗悪品である。
よい点を強いて挙げるならセット購入価格がオリジナル単行本よりも安くなるくらいだが、100円程度の差であり足りないものを考えればとてもお買い得とは言いがたい。
11 件中 1 件~ 11 件を表示 |