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uruudukiさんのレビュー一覧

投稿者:uruuduki

358 件中 1 件~ 15 件を表示

つかみがいい

12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そもそも、お試しで読もうと考えるかどうかは、お試し価格であるかどうかというだけでなく、別に何らかの理由が有るのが普通だろう。例え只でも、読まない物は読まない。
 ところで、この「鬼滅の刃」は、理由が有っても読むか読まないか、だいぶ迷っていたコミックだ。理由は、まずアニメからだったというところにある。印象がえぐくて、コミックに手が出なかったのだ。
 どうも、他のアニメの原作で懲りたというのが原因だったのだろう。
 ところが、このお試し版を読んで、考えを変えた。
 まず、第一につかみがいい。自然に話に入っていけるのだ。主人公の炭治郎の心情に無理が無く、展開の速さにも置き去りにされない。たまに、絵に分かり難い所も有るが、読む勢いを削がない。
 話も、書きようによったら殺伐とした話になるところを、アニメよりも遙かに温もりが有り、後も読んでみたいと思わせる展開だった。弱さと優しさが、応援をしたい気持ちを掻き立てるいい作品だと思う。

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大辞林 第4版

大辞林 第4版

2020/10/23 12:47

ジレンマ

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

辞書が紙である理由。
 文章を書く時。また、読んでいる文書に気になる字が有る時に、手元に置いて必要になる物。
 この定義を考えるとすれば、辞書はスマホに入っていて有用な物だ。当然のように、利用をしている。
 だが、これが不都合な時がある。何がかと言えば、目的の字だけを引き、こうだったかな?といった関連だけ調べれば、後は見ないか、目に入らないからだ。
 広く項目が目に入る。
 この漠然とした見方が意外と必要になる時、重要な場合が有るのだ。
 ある時点では、その字は意味が無いかも知れない。つまり必要としているか、いないかという点では必要の無い語句と言える。
 ところが、そうして目に止まった語句は、思いがけないところで力を発揮する。
 文章に変化を求める時、表現に生きてくるのだ。何故か紙の匂いと共に思い出したりする。単なる文字だけではないということなのだろう。
 因みに私はこの大辞林に載っている文字で忘れられない語句が有る。
「ちょんちょこりん」
 何故か引っ掛かって忘れられない。他のこういった辞書には、見た限り無かったと思う語句。何だかほんわかとなる言葉である。

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少年と犬

少年と犬

2020/08/12 15:08

予測と違った小説

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

どうも、馳星周さんにはとんだ先入観を持っていたようだ。
 どこかで、犯罪どっぷりの「ハードボイルド」みたいな。
 そころが、読み始めて少し背筋が寒くなった。まるでこの犬が「守護天使」ではなく、死神のように思えてきたからだ。それほど賢い犬なのだろう。けれども、人の意を汲み、また、意に介さない。
 真意は投影する人の心次第とも、言えなくは無いのだ。
 ただ、最後まで読んで「ああ、そういうことなのか」と思った時、とても悲しくなった。自分の都合次第で犬の想いを斟酌する人の悲しさ、犠牲を払ってでも守ろうとする犬の忠誠心に……。
 それでも、人はこれを愛情というだろうか?
 オオカミの血を引く犬の、忠誠心は固いという。どう感じるか、読んで確かめて頂きたい。

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9番目のムサシ ゴーストアンドグレイ 2 (BONITA COMICS)

9番目のムサシ ゴーストアンドグレイ 2 (BONITA COMICS)

2020/07/11 12:52

大がかりなドラマ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

異世界ファンタジー、恋愛どっぷりなどの話が多いこの頃、恋愛を絡めながらでもいい、大がかりな冒険漫画というのが少なくなったなぁと思っていたところで、この「9番目のムサシ」シリーズに遇った。
 どちらかと言えば、話のつくりは正統派なのだと思う。けれども、ドキドキ、ハラハラしながら読める。話が大きいだけに、次に何が出てくるのだろうとワクワクする。
 スーパーウーマンが活躍すると言えば、変身ものを考えるかも知れないが、一応生身の女性だ。強過ぎて、自覚はほとんど無いようだが……。それこそ、国際問題にズバズバと切り込み、踏み込んで行くのだ。自らを災禍の中に放り込むように、出て行く。
 読み手を引き込む要素の強い作品に、すっかりはまってしまった。
 そして、気が付けば、発刊されたらすぐに分かるように、登録をするまでにのめり込んでいる自分がいた。
 チョット立ち読みが、チョットでは済まされなくなったという話だ。(笑)

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赤と青とエスキース

赤と青とエスキース

2022/08/03 16:46

絵と人と――

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

絵は流転し、熟成するのだろうか?
 絵が熟成するように、出会った二人の関係も熟成し、一所に留まらないように、人も流転を逃れられないのだろうか?
 一枚の絵を軸に人達は関り、離合集散をする。
 絵自体の何かが変わるわけでもない。
 ただ、関わる人の気持ちと関係が常に動いて、生を綴って行く。
 ただハッピーエンドの小説を読みたいと思うのなら、お薦めしないけれど、愛しさを求めるのなら是非とも読んで頂きたい。

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紅茶の本

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

何冊有っても、つい欲しくなる本が有る。そんなに買ってどうするのか?と自分でも疑問を持っている。
 そんな本の一つが紅茶の本だ。
 基本的には、紅茶の淹れ方がそう変わるものではないが、細かい所で微妙に違っていたりする。本によって載っているカップが違う。お菓子も、同じお菓子でもレシピが少し違ったりする。
 それに、掲載されている茶葉も、著者による好みの違いか、傾向が違う。
 だから面白くて、気が付けば「また買ってしまった」になる。
 ここでも、ハーブティーの紹介が有って「ふむふむ」と読んだ。因みにフレーバードティーも載っていたが、こちらは匂いのきついのが苦手な方は、用心かも知れない。フォションなど、海外のは特に香りが強い傾向にあるので、好みが分かれるのだ。
 なお、チャイティーでは、先日テレビでインドの方が本格的な淹れ方を披露されていたが、香辛料をたっぷり入れ、ベースにはアッサムを使い、煮出すのだそうだ。是非試したいと思う。

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歴史手帳2021年版

歴史手帳2021年版

2020/10/04 21:29

手帳を買い求める頃

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

十月が近付く頃、毎年様々な手帳が出て、特設コーナーが設置されるが、歴史手帳は、時に手帳コーナーではなく歴史関係の書籍の棚に納まっている時がある。
 理由はわかる。厚さのほぼ半分が歴史資料だからだ。
 毎年、その年表や官職名や図録が要るのか?と不思議がられる時も有るが、これが有るからありがたい。
 何分、それぞれの関係の本が有ったとしても、急遽必要となった時に、調べる手間を掛けられない、時間が無いという時がある。ネットで調べるにも、絞り込みがどうもという時も有る。案外紙の資料の方が調べ易いと思う時だ。
 だから、今年もまた、来年に備えて購入するのだ。

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月の影影の海 上

月の影影の海 上

2019/10/18 14:46

講談社から新潮へ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

当初講談社のX文庫で出た時はライトノベルか?といった括りだったのかも知れないが、読み始めてじきに、主人公の成長に従って、どうもライトノベルではないと感じたのを今でも思い出す。たしかに主人公は若い。けれども、この、上巻を読み終わる頃には、背景が複雑になり、関わる多くの登場人物の感情や動きに読んでいるこちらまで物語の世界に飲み込まれていた。
 そのシリーズが今度新潮社から再び出た。しかも、表紙にかかっている絵が新たになっているのだ。買うべきか買わぬべきか。当然新たな話については買うとして、なかなか悩みどころだ。
 ところで、なぜか気になるのは、陽子を失った親達(「育ての親」というべきなのか)の消息で、その後どうなったか、どうしたか、直後だけでなくその後を知りたいと、作者の小野先生がどう考えていらっしゃるのか知りたいと思うのは、本話からの逸脱か……。としても、あくまで個人的興味として、今後書かれるかもなど、期待をしている。

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たとえ里山でも――。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

四方を高い山に囲まれ、四季の風景に恵まれた長野県で、以前目が点になるような経験をしたのを、この本を読んでいて思い出した。
 戸隠神社と言えばパワースポットとしても知られていて、奥社に向かう道は両側に杉の大木が並び立ち荘厳な気持ちになる――。のだが、そこは途中から大きな石が有ったり、木の根を踏んだりのなかなかに急な山道を歩いて行かなければならない、山の中だ。
 スニーカーでも、山道に慣れていない人には厳しいだろう。
 そこをハイヒールで登っている女性がいたのだ。
 上まで行けたのかどうかは不明だが、途中で動けなくなったらどうするのだろうかと、とても気になった。
 最近は、キャンプだの、バックカントリースキーなどがもてはやされているように思う。
 だが、たとえ里山でも軽い気持ちで入らない方が良い。里山も奥には道の定かではない深い山が控えていて、方向を見失ったり,熊や猿の群れ、猪などと遭遇する危険が有るのだ。
 ベテランの登山者でも何が有るかわからない、元は神聖な神の地として畏怖されたのだ。怖い場所だったからだろう。
 多くの人が入るようになった現代でも、山が危ない場所なのは変わらないのだと、改めて思った一冊だ。

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うる星やつら復刻BOX Vol.4

うる星やつら復刻BOX Vol.4

2023/01/23 12:19

高橋留美子感満載!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

よもや「うる星やつら」全巻を買う日が来るとは――!
 人間ってのは解らないものだww。
 高橋留美子さんの長編の原点は「めぞん一刻」なんじゃないかと、ずっと思っていたけれど、令和版「うる星やつら」のアニメを観ていて、あんがい「うる星やつら」かも……と思った。そうとなったら気になって、探したらこの復刻BOXがあった。
 コミックから飛び出すのは――。
 ちゃらんぽらんな男に、不可思議でかわいい女の子たち――。アップテンポの軽音楽にのりのりみたいなストーリーが、くるくると展開して、やっぱり高橋留美子だ。
 さて、全巻そろったことだし、昭和の「うる星やつら」に浸ってみようかww。

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黙殺される教師の「性暴力」

黙殺される教師の「性暴力」

2022/08/26 13:50

有ってはならないこと

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まず、第一にこの本は興味本位で読む本ではないということ。
 被害者が大人でも、心が引き裂かれる苦しみと怒りと、時に自死さえ招きかねない自己否定にさえ陥りかねない犯罪に、子供が遭ったというのに――。
 それも、教育の現場という最も子供が守られなければならない場所で行われたということに、言い様の無い腹立ちを覚えた。
 しかも、その子供の訴えを否定し、なお傷口を広げるような対応をするとは……。
 この本を読んで改めて思うのは、教育の現場はどうなっているのだろうということ。そして、裁判がいかに被害者を傷付けるかということ。
 ただ、それでも、あなた達は凄いと思ったのは、傷付いた子供を守り、ご両親と支援者の皆様がとことん戦ったこと。何よりも、被害者である子の、真っ直ぐな強さだ。
 そしてつくずく思うのは、このご家族とお子さんの心の傷が少しでも癒えること。
 教育現場が子供たちにとって安全であること。
 祈るような気持ちで読み終わった。

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ただいま神様当番

ただいま神様当番

2022/07/09 16:04

ある日、突然「お当番」になる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本当は、なりたい自分が有って、なれない自分が有って、自信も一歩踏み出す勇気もない自分がいる。
 そんなあなたを援護して、勇気付けて、ほろっと笑顔をこぼさせる本。
「神様当番」なんて言うから、どんな素敵な神様が出て来るかと思えば、ある本の登場神様「ガネーシャ氏?」を彷彿させて、なぜかにやにや笑いを浮かべてしまった。
 これを読んだら、もしかしたらちょっと、自分にも他人にも寛大になれるかも……、という神様と人達の話でした。

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小野篁 その生涯と伝説

小野篁 その生涯と伝説

2022/05/16 15:57

平安時代の人は面白い

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今時の子供なら、「……閻魔様に舌を抜かれるよ!」と言った所で「何?」と聞き返されるくらいならまだましで、「ない、ない」と笑うだろう。
 その、閻魔様の「お仕事を手伝った」という話が有るくらいだから、現代でも結構な天才に違いないだろう。
 幼くして才気溢れた菅原道真公に比したら「晩成」なのだろうが、さすがに逸話が有る人だ。それも、些か人離れした話だけに、常人ではないなと思う。
 それにしても、平安時代やそれ以前の人物には面白い話が多い。
 菅公や、安倍晴明ほどではないかも知れないが、とにかく面白い人だ。
 そんなこんなで、さんざん図書館から本を借りて読んでいたのが、どうにも我慢が出来なくなって購入に至った。
 繰り返し読むには、図書館では二、三回繰り返して借りた時点で、「何だかなあ」だった。
 じっくり読みたい本なのだ。

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日出処の天子 1 完全版 (MFコミックス)

日出処の天子 1 完全版 (MFコミックス)

2020/12/20 23:43

聖徳太子

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

何故に現在購入が出来ない本の案内が来るのか謎だが、これが「BL」の括りだと知って、正直驚いた。
 山岸涼子さんの描いた、別解釈の歴史漫画という括りで捉えていたので――。
 いつの時代も政争は有るし、それが悲劇を生むが、諡号「聖徳太子」が生きた時代は、負ければ存在すら消されかねなかったようだ。歴史に名が残っても、負けた人の人となりは正確には伝わらない。歴史は勝者によって紡がれると聞いたことが有る。
 その中で聖徳太子は扱いが違う。実在したかどうかさえ定かでないと、現代では問われる。何が人を捉えて離さないのか。
 だが、この山岸涼子さんの「日出処の天子」全巻を読んで、改めて魅力的だなと思ったのは確か。
 紙の本、全7巻で一万円以上になるコミックだから少し尻込みするが、やはりまた購入できるようになることを願う。

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広辞苑 第7版

広辞苑 第7版

2020/10/17 15:30

広辞苑の改定、次回には

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

広辞苑第7版が出てから、後数カ月で3年になる。早いものだ。道理で傷むわけだと思いつつ、黒いカバーの縁がだいぶ手擦れして気になったので、自分でカバーを拵えた。
 この広辞苑だが、次回の改定では「新型コロナウィルス」が載るだろうかと考えている。もし載るのなら「COVIDー19」になるのだろうか?
 こういった辞書を他にも使っているが、出版社ごとに載っている項目に違いが有って面白い。その他社の辞書にも次回の改定にはどんな語句が載るのか興味がある。
 ただ願いたいのは、次回の改定には、新型コロナウィルスが載るのなら「終息した」という記述が付いて、過去形で語られるようになることだ。

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