H&Mさんのレビュー一覧
投稿者:H&M
2024/12/26 21:43
評判通り
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伏線回収がすごい!と聞いて、気になって購入。中頃までは、すごいときいていたけど、そこまですごいってほどかなぁ~、でもまぁ面白いし、ついつい読んじゃうな~、くらいの感じでした。
後半の、騙された感が、もう見事で気持ちいいです。
嘘をついたり、想像力を働かせたり、夢を現実のように語ったり、様々な日記やできごとが、複雑に絡み合う。登場人物一人一人の生きてきた過程がしっかり描かれ、リアリティある、重厚な人物像になっている。
緻密に計算された構成だけでなく、登場人物がとても魅力的であることが、本作の素晴らしさだと思う。みんな、悩みながら、必死に生きている。
白ゆき姫殺人事件
2024/11/04 00:18
時代を反映した作品
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今だから、今読むのがいちばん楽しめる作品だと思った。
SNSの普及具合とか、様々な『今』を反映している。
巻末の資料を参考にしながら読むのは、間違えたところを読んでしまったら楽しさが半減するし、ちょっとめんどくさいが、そういうマイナス要素を考慮しても、星4つはかたいと思う。
2024/11/04 00:05
こころの自由を
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『多様性』や『繋がり』といったことばが、さも正しい、前向きな意味でとらえられているが、全ての人がそう感じているわけではない、全ての人に、全てのコミュニティで必要なわけではない、ということを、この小説でたくさんの人に感じてほしいし、考えてほしいとおもった。
思い出したことがある。
子供の小学校で、コロナ禍の休み時間にいつもひとりでいる子がいて、担任の先生から執拗に、本人にも母親にも、みんなと遊ぶよう指導されているという話を聞いた。その子は、友達もいるし、人望も厚く、ただコロナが怖いから接触を避けてるだけだった。母親からそう説明しても、担任が納得しなかったそうだ。
繋がりって、休み時間に遊ぶことじゃないし、そもそも、同じ学年やクラスに価値観のあう子がいないことだってある。
そういう、【こうあるべき】という形にはめたがる人にこそ、読んでほしい作品だと思った。
比較的いろいろな価値観の人と交わってきた方だと思っていたが、それでも、本作には気付きがたくさんあった。心がヒリヒリとする良作だと思う。
2024/10/31 22:58
最後まで真実はわからない
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4割あたりで、事件の全容がわかったのに、この先どうするの?と思っていたら、二転三転四転五転…と、ずっと急展開し、裏切られ続け、最後まで騙され続ける。
ひっかかっていた伏線が、まさかの事実として明かされたりして、見事のひとこと。
章わけされてないので、どこで中断していいかわからず、ついつい先を読まされてしまう。
あとから、『あの部分読み返したい』と思っても、探すのが大変。
面白かったし、これをどう映像化するのかも興味深い。
映画を見ようと思っている人には、原作も読んでほしい。私的には、比喩表現や描写で、好きな部分が多かった。
2024/10/31 22:41
圧倒されました
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リアルな心情表現や、ストーリーだけでなく、本作の一頁一頁から発される圧、パワーに、ぐいぐい引き込まれ、長さを感じないほど没入してしまった。
母親にも父親にも息子にも娘にも感情移入できるほど、心を揺さぶられる。
後半は特に、たたみかけるように話が展開していくし、一人一人の感情もどんどん深く強く表されていて、とにかく最後まで圧倒されっぱなしでした。
ファーストラヴ
2024/05/16 08:31
読むのを中断できない
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面白くて、止まらなかった。一気読みです。
事件の謎に、面会や手紙で迫っていきつつ、主人公の方にもどこかに共通する物語があるところ、犯人の癖の強さ、等々、たまたま同時期に読んでいた『BUTTER』と似たものを感じた。(それぞれに違った良さがあるので、あくまでざっくりいうと、の話です。)
本作は、ストーリーとして面白いだけでなく、心の表現が細やかで適切で、他の登場人物の心の動きも手に取るようにわかって、没入してしまった。
本心ではない言動や、受け取り方の違い・読み違いによって、だれも意図しない方向へ時間は進む。現実でもいたるところで起こっている事象が、読み進める自身の人生の様々な場面を想起し、心がヒリつく。
こころをわしづかみにされる一作です。
Nのために
2024/05/15 11:12
心書き乱される作品
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読み進める間に、事実と思われたことや、登場人物の気持ちが、どんどん別のものに変わり、何転もする。最終的に答えが出ているようでいて、自分で結末を考えるというか、選びとるというか。
たくさん付箋紙を貼りながらよんだので、もう一度最初から読もうと思う。
傑作だと思う。
流浪の月
2022/10/12 15:34
ひきこまれました
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最初の場面がどこにつながるのかのドキドキも、更紗の生い立ちも、文との日々、大人になったふたりのヒリヒリとした生活も、どの場面にもひきこまれましたし、気持ちを持っていかれました。
すべてに、現実味と生々しさと優しさと偏見とおためごかしと中途半端な知識を振りかざす怖さと、、、押し寄せてくるものに圧倒されっぱなしでした。
登場人物ひとりひとりがそこにいきているように、「いるよなぁそういうひと」と思わせるリアリティある表現力、人物設定に、力量を感じました。
本屋大賞納得です。
「今を生きる」人の心に刺さる世界の名スピーチ50選
2022/10/12 15:14
あんまり響かず
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それぞれの方がどう行った方でどんな主義主張があり、どんな経験をされてきたのかが、さらっとわかるので、今後の選書の参考にはなりました。
しかし、私の心の琴線には響かず、スピーチの切り取り方もちょっといまいちに感じられました。
購入を検討されている方には、少しパラパラ見てみて、好きそうな内容か、確認してからにした方がよいと、アドバイスしたいです。
落日
2022/10/12 15:07
久々に湊作品を読みました。面白かったです。
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視点がかなりあちこちへとぶので、いちいちこれは誰だっけと探り、ちょっと読みづらさがありました。
しかし、イヤミスといわれがちな湊さんですが、この作品はその仄かな香りがするくらいで、私としては読後感がよかったので、もしまだ湊作品を読んだことがない方がいたら、この作品から読むことをおすすめしたいな、と思いました。
視点の散らかりがひっかかりながらも、どんどん読ませるあたり、湊さんのミステリーならではの作風ですね。
逆ソクラテス
2022/05/29 21:39
後悔なし
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保管と持ち歩きのため、基本的には文庫しか買わないのですが、どうしても読みたくて買ってしまいました。
様々な方々がお薦めする意味がわかりました!これは、本当に心の深いところに永遠に残るであろう名作です。
うっかり、同時に『短編少年』を買ってしまい、『逆ソクラテス』がかぶってしまいましたが、全く後悔していません。
今はただ、周囲に薦めたくてたまりません。我が子だけでなく、広く老若男女、全ての人に読んでほしいです。様々な登場人物の、境遇や思いや衝動が、幾重にも迫ってきて、何度でも読み返したい一冊です。
神曲
2022/05/14 01:22
私には向いていませんでした
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漫画を読みなれないので、絵がよほど好きでないと気になってしまうし、言葉が少なすぎて、内容が理解できなかった。普通の、文章でかかれた本を読みつつ、同時進行で漫画も読んだら良かったのかも。
私には、漫画で読む系は向いてないみたいです。
青くて痛くて脆い
2022/05/14 01:11
意外に良かった
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はじめのうちは、また『君の膵臓を食べたい』パターンか、と思ったが、意外や意外、おもしろい展開だった。途中でやめそうになったが、読み進めて良かった。
ヒリヒリする感じも、痛みも怒りも、どんどん迫ってくる感じがよかった。
ビタミンF
2022/05/11 01:21
泣けるかなぁ
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リアルに情けないおじさんの話がばかりで、リアルに情けない夫を想像して、ついイラッとしてしまった。
ヒリヒリした日常を描いていて、それが目に浮かぶようで、痛いところをえぐられて、内容はいいんですが、目に浮かぶようだからこそ現実に引き戻され、情けないおじさんにイラついてしまう。
私だけでしょうか。
作品自体が悪いわけではないけど、好みじゃなかった、というのが、正直な感想。
そんなわけで、『涙腺キラー、最泣の一冊』という帯にもイラッとしてしまいました。
泣けるかどうかは、読者による。
そして、バトンは渡された
2022/05/11 01:03
瀬尾ワールドもりもり
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大好きな瀬尾まいこさんの作品でありながら、未読でした。映画公開前のプロモーションで、メインキャスト3名を見ていたので、そのイメージで読みましたが、ぴったりのキャスティングでした。(他の配役にはちょっと不満もありましたが。)
注)映画は見ていませんので、キャスティングしか分かりません。
これまでの作品と同じく、血のつながらない家族との愛情、やさしく穏やかな時の流れの中、周囲の『身勝手』や『悪意(同調圧力)』に巻き込まれたりしながらも、それでも淡々と、大切なものを大切にしていくお話。
そして、個性や関係の表れる、おいしそうな食事と、それを食べる情景。
そんな流れるような心の機微を感じつつ、話は自然な流れのまま伏線回収をして、あたたかな気持ちを読者に残してくれます。
小中高校生にも、ぜひ読んでほしい。