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ぷちこさんのレビュー一覧

投稿者:ぷちこ

35 件中 1 件~ 15 件を表示

紅霞後宮物語 第1幕

2021/02/27 13:14

帯の推し文面ほどでは・・・

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

書店と帯の文面がすごく推してたので、読みましたが、そこまででは・・・。

将軍であった女性が後宮入りしてから起こる、後宮内や王位争いのゴタゴタを扱った王道ストーリー。

ですが、恋愛要素はなし(これは設定上、仕方ありませんが)、後宮のイジメの内容もイマイチ(韓流ドラマの後宮イジメをイメージしていると肩透かしです)、元女将軍という設定なのに肝心の戦のシーンはほぼナレーションで終了・・・。

あと、あとがきで「中国の歴史(王朝?)が大好き」だと作者さんが書いていたのですが、作中での「宦官」の扱いがあまりにも史実とかけ離れていたのが気になりました(史実→宦官は卑下されていたし、刑罰の1つですらあった/作中→〇〇いらないから、宦官になろー!なれた、やったー!的なノリ)。

さらっとは読めますが、がっつり後宮物を読みたい方、中国の歴史(王朝)に詳しい方にはオススメできません。矛盾点が気になってしまいます。

2巻から、さらに話を作り込んで面白くなる可能性もありますが、1巻を読んだ感じ、ちょっと買う勇気が持てないです。

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トラペジウム

2021/04/24 18:57

高山さんファンの方が読む小説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

乃木坂46を応援しているので、興味があり、読みました。

ですが、はっきり言って、「高山さんファンが読む小説」という感想を抱きました。

現役アイドルがアイドルにのしあがっていく少女たちを描くと言うのは面白く、テレビに露出するようになっていく少女たちの葛藤などは、作者自身が感じたものなのかな、と思いながら読みました。
アイドルを目指す少女たちの設定も個性的で、作り込まれていると思います。

ただ、話の流れがとても強引。そして、主人公に共感できない。
アイドルになるため、古今東西の美少女を集め、ネットを使ってアピールしていく主人公のやり方は強引で、他の少女たちの心を置いていってしまっています。そもそもアイドルになりたいのは、主人公だけで、他の少女たちは気づいたら、メディアに露出していて、プライベートを失いかけ、精神的に追い込まれていきます・・・。

みんなで協力しながらアイドルになっていく少女たちの青春小説だと思っていたのですが、実際は、何をしてもアイドルになりたい主人公が、周りを利用し、踏み台にして、のしあがっていくだけの小説でした。

あと、最後の方はダイジェストになります。

作者がアイドルだと言うことは分かっていますが、読書家であると言っていたので、もう少し上手な文章を書かれると期待していたのですが・・、これではファンが楽しむ小説です。

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本と鍵の季節

2021/02/28 10:41

読んでいる途中でトリックが分かってしまう

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図書委員の男子生徒二人が、持ち込まれた謎を解き明かすミステリー。

図書館・男二人組(探偵コンビ)・謎(ミステリー)・・、というワードに惹かれて読みました。

しかし、読んでいる途中でトリックは解けてしまいましたし、無理やり図書館要素を謎解きに絡めているせいか、事件に違和感がありまくりでした。最後は、読者に想像させる形で終了・・・。あと、図書館の仕事に詳しい人なら、先の展開がすぐに読めてしまいます。

他にも米澤穂信さんの作品を読んだことがあって期待していたのですが、こちらのミステリー作品は期待したほどではありませんでした。

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青くて痛くて脆い

2021/02/27 10:55

友情か、自己愛か。

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青春の中、一歩踏み出せないもどかしさ、裏切られた苦しさを抱えてもがく主人公(ただし傍観者)が反逆を始める。

最初は主人公に共感して読んでいましたが、後半は共感できませんでした。
どんでん返しのオチによって、主人公の見方が変わってしまったからかもしれません。
自分には、主人公が自己愛の塊に思えました。

あと、作中に「ウザイ」・「気持ち悪い」という言葉が多く見られました。10代、20代にとっては心揺さぶられる鋭利な言葉かもしれませんが、強い言葉を使えばいいというものでは・・・。
某インタビューで作者さんが「『青くて、痛くて、脆い』は『君の膵臓を食べたい』を脱却したくて書いた」と言っていたので、その影響もあって、敢えて強い言葉を使ったのかな?

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烏に単は似合わない

2021/02/28 10:54

独創的な設定

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人に変身できる烏の一族という、独創的な設定に惹かれて、読みました。

后の座を争う中で起こる事件とありますが、事件は最後まで解決されず、放置の状態で話は進んでいきます。后の座を競ってはいますが、恋愛要素はほぼなし。最後の最後になって、すべての謎(伏線)が回収されます。

なので、読んでいる途中でモヤッと感じるところもありました。回りくどいです。

ですが、1巻は全体を通しての序章のようなもので、2巻から主人公を新たにしてスタートするので、2・3巻と読んでから判断してほしいです。独創的で、緻密な設定なので、巻を経るごとに設定が濃厚になって、面白くなっていきます。

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吸血鬼ドラキュラ

2021/08/04 23:38

吸血鬼小説といえば、これ!

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レ・ファニュの『女吸血鬼カーミラ』に影響を受け、描かれた作品ということで、『女吸血鬼カーミラ』を先に読んでから、本作を読みました。

タイトルにもあるように、吸血鬼であるドラキュラ伯爵の話です。が、さまざまな登場人物による日記形式で話が進んでいくので、
ドラキュラ伯爵の日記(視点)は出てきません。そのため、彼の行動や心情は、すべて日記の書き手であるキャラクターたちの想像によるものになります。

また、男の吸血鬼になりますが、『女吸血鬼カーミラ』のようなレズっぽさならぬ、ホモっぽさは出てきません。怪奇色が強めになっています。

物語は、弁護士であるジョナサン・ハーカーがヨーロッパの辺境トランシルヴァニアにあるドラキュラ伯爵の元を仕事で訪れたことから始まります。
ジョナサンはドラキュラ伯爵に知らないうちに城に閉じ込められ、自由を奪われてしまいます。脱出を試みるジョナサンですが、その途中でドラキュラ伯爵が吸血鬼であることを知ってしまいます。
そして、ジョナサンとその仲間たちによるドラキュラ伯爵退治が始まります。

ーーーとは言え、ジョナサンたちとドラキュラ伯爵が対峙するのは、後半になるので、冒頭から人間と吸血鬼の壮絶な戦いを期待されて読まれた方は肩透かしをくらってしまうかもしれません。前半はドラキュラ伯爵について、彼の習性や恐ろしさが長々と語られます。それにより、ドラキュラ伯爵の恐ろしさがよく分かり、世界観を濃厚なものとしてくれるのですが、自分自身も「面白いけど、伯爵退治にいくまでが、ちょっと長いかも・・・。」と思ってしまいました。

読まれる際は、どっしりと構えてから読まれることをオススメします。

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発現

2021/04/29 22:43

彼、彼女たちに見える「何か」

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ある日から「何か」が見えるようになった主人公。
自分がおかしくなったのではと、精神を病みかけますが、自身の母親も何かに怯えていたことを思い出します。

母は何に怯えていたのか?
まさか、自分と同じ「何か」が見えていたのでは?

その「何か」の正体を求める主人公により、戦時中に隠された「ある出来事」が明かされていきます・・・。

昭和時代と平成時代が交互に語られながら、「何か」の正体が解き明かされていくのですが、「何か」の正体が気になって、ページをめくる手が止まりません。

ただし、その「何か」の正体に救いはなく、とても重い話となっています。

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文豪ストレイドッグス 1 太宰治の入社試験

2021/03/29 11:17

太宰と国木田の初任務

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太宰治が武装探偵社に入社し、先輩の国木田独歩と任務につき、事件を解決する話。・・それは表向きで、タイトルにもあるように太宰には極秘で、太宰に探偵社員の資格があるかを見極めるために事件捜査と同時進行で入社試験が行われます。

全体を通して、国木田目線で話が進んでいきます。国木田が太宰をどう思っているのか、国木田の理想とはなんなのか、国木田が配偶者の女性に求める条件とは?
捜査する事件そのものは途中でポートマフィアが関わってきたりと不穏感満載ですが、間に挟まれる太宰と国木田のやりとりがすでに出来上がっていて最高です。

この話は前日譚として、単品でも読めますが、本編のギルド戦と繋がるところがあるので、ギルド戦の前に読むのがオススメです。

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アスク・ミー・ホワイ

2021/08/13 18:18

暗く重いテーマに反して、爽やかな読後感。

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LGBT・薬物・スキャンダルと、社会的なテーマばかりを扱っているので、暗く重い話なのかと思い、読み始めました。
ですが、一人称の文体のためか、読みやすく、あっという間に読み終わっていました。

LGBT・薬物・スキャンダルについて、キャラクターたちがそれぞれ考えを述べるシーンがあるのですが、押し付けや共感を求めてくる感じではなく、あくまでも自分たちの生き方の一つとして語られているので(色々な意見をお持ちの方がいらっしゃるとは思いますが)、自分は爽やかな読後感でした。

表紙と裏表紙には作中のワンシーンが描かれています。読む前は、社会的なテーマを扱った作品には合わない表紙なのではないかと思っていたのですが、今はとても気に入っています。挿し絵みたいで、素敵でした。もし、文庫化して、挿し絵を入れるようであれば、同じ方に描いて頂きたいです。

ただ、作中に男同士の性描写が何度かありました。自分は爽やかな文体なこともあって、性描写の表現も素敵に感じましたし、この作品には必要なシーンだと感じましたが、苦手な方はご注意ください。

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女吸血鬼カーミラ

2021/06/24 23:26

美しい少女たちの幻想的な関係。

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父と大きな城で暮らすローラ(わたし)の視点で、美しき吸血鬼カーミラとの物語は進んでいきます。

ある日、美しき吸血鬼カーミラが乗る馬車がローラの城の近くで事故を起こします。城に滞在することになったカーミラに、ローラは魅了され、友情を育んでいきます。しかし、城の近くの村で、若く美しい女性が何人も不審死を遂げます。疫病かと恐れる村人たち。ローラも不調を訴え始めます・・・。

この作品は、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』に大きな影響を与えたことで有名ですが、それと同じぐらい、百合小説としても有名です。ローラとカーミラの友情は、友情を越えた恋愛関係のように見えますし、実際にキスをしたり、独占欲を丸出しにしたセリフを互いに吐くシーンもあります。美しい少女2人が愛を囁く姿は、幻想的で、甘美的です。しかし、あとがきによれば、作者は「カーミラは吸血鬼なので、性別はない。」と述べていたそうなので、作者としては百合小説を書いたつもりはないそうです(百合小説として、紹介されてしまっていますが・・・)。なので、百合小説としてではなく、幻想的な吸血鬼小説として、ぜひ読んでいただきたいです。

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空への助走 福蜂工業高校運動部

2021/06/03 11:49

高校三年間にかける、それぞれの青春

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『2.43』シリーズを読んでから、読みました。『2.43』シリーズのスピンオフということですが、こちらの作品単体でも十分楽しめます。

「強者の同盟」
福蜂工業高校バレー部のエースを狙う高杉、尋慶女子高校テニス部エースの美人で勝気な赤緒。小柄で地味だが躍動感あるスポーツ写真を撮るはっち。中学時代に強者の同盟を結んだ高杉と赤緒、その二人の写真を撮ってきたはっちの友情以上恋愛未満の話。

「空への助走」
明日岡高校陸上部を引退した涼佳。小学生の頃より太っており、ブブ佳とからかわれていた。そんな涼佳を助けてくれた元陸上部の拓海先輩に淡い恋心を抱いていたが、突然後輩の柳町に告白される。東京の大学に通う拓海先輩を想う涼佳であったが、走り高跳びに打ち込む柳町の成長を見つめるうちに、心が惹かれていく。

「途中下車の海」
新人戦を控えたある日、顧問のシャークと衝突した、福蜂工業高校柔道部主将の長谷。生まれて初めて稽古をサボり向かった海で、クラスメイトの平政と出会い、半ば強制的に釣り部へ入部させられる。平政と並んで釣りをしているうちに、長谷は長年続けてきた柔道への思い、ライバル校である鷺南高校で柔道部顧問をする父親への葛藤を吐露していく。

「桜のエール」
春になり、高校生活最後の試合に向け、部活の垣根を越えてエールを送りあう福蜂工業高校の面々。そして、そんな彼らにカメラを向ける福蜂工業高校の映画研究会。高校三年間の思いを胸に、各部の主将に率いられ、彼らは最後の試合に挑む・・・。

個人的に一番面白かったのは、「強者の同盟」でした。部のエースであり、クラスでもカースト上位にいる赤緒が、同じ強者である高杉に向けて放った「梓の仲間は強い子ぉらだけでいい。負け組は梓に釣りあわん」というセリフに強者のプライドと、部活へかける思いの強さが垣間見え、痺れました。
また、「2.43」シリーズを読んだ後に読んだため、「桜のエール」での福蜂バレー部のやり取りには、うるっとくるものがありました。

「2.43」シリーズでは、高杉以外にも個性豊かな福蜂バレー部のメンバーが出ているので、他のスピンオフも読んでみたいです。

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シャーロック・ホームズ全集 2 四つのサイン

2021/04/29 23:10

目が離せない!シャーロック・ホームズの追跡劇!

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シャーロック・ホームズの元に、上品な若い婦人が依頼を持ち込んだところから物語は始まります。

若い婦人の依頼を解決するため、婦人に届いた謎の招待状の招待主に会ったホームズとワトスンですが、その先で殺人事件に巻き込まれてしまいます。

持ち前の頭脳で犯行のトリックを暴いたホームズは、ワトスンを連れて、犯人の追跡を開始します。ですが、思ったように追跡は進みません・・・。

なんとしても犯人を追い詰めようとするホームズの執念、そして追い詰められた犯人の抵抗は凄まじく、追跡劇から目が離せません。

今回の作品は、トリックもさることながら、追跡劇がとても面白いです。

あと、ワトスンが依頼主の女性に惹かれていくシーンは、とても自然で、追跡劇の疾走感を邪魔することなく、そっと添えられていて、微笑ましいです。

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文豪ストレイドッグスDEAD APPLE

2021/04/22 11:40

ノベライズ版にも映画の疾走感があります

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同タイトルの映画のノベライズ版です。

映画を視聴後に補足として読みました。
ときどき、バトル物の映画のノベライズを読むと映画のようなバトルの迫力や疾走感がないものがありますが、そういったことはなく、ノベライズ版だけでも十分に楽しめました。

また、映画で中也が叫ぶシーンがあるのですが、その時に「太宰」と言ったのか?それともたまたま太宰に聞こえただけなのか?と双黒ファンの間で囁かれていたのですが、そのシーンも収録されているので、中也が何と言ったのか分かります。気になっている方は、ぜひ確認してみてください。
その他にも、映画版とノベライズ版はセリフに少し違いがあるので、確認してみると面白いかもしれません。

あと、巻頭に両面カラー印刷のピンナップが付いています。

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シャーロック・ホームズ全集 1 緋色の習作

2021/04/22 11:14

ホームズとワトスンの最初の事件

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シャーロック・ホームズの活躍を読みたく、どの翻訳がオススメなのか調べたところ、こちらの全集が多くのサイトで高評価で紹介されていたので、読みました。

翻訳作品にありがちな「日本語にしたために文法に違和感がある・・・。」といったこともなく、最後までスラスラと読めました。注釈も巻末にまとめられていたので、本文の邪魔になりませんでした。また、巻末の解説も豊富で、シャーロック・ホームズ初心者の私にはとてもためになりましたが、文庫化する際に頁数が大幅に減らされてしまったようなので、解説目当てで買われる方は文庫化前の単行本サイズで買われることをおすすめします。

内容に関しては、謎はもちろんですが、犯人が特定された後も面白かったです。
よくあるパターンですと、犯人が犯行理由を独白する形になりますが、緋色の習作では、犯人が犯行に至るまでの半生が一つの物語として作者の手により執筆されていました。その間、ホームズやワトスンは出てきませんが、犯人の犯行に至るまでの半生はとてもスリリングで、息を飲むばかりでした。

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2.43 清陰高校男子バレー部 1

2021/04/20 10:13

心理描写が丁寧

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アニメを見て、原作小説を購入しました。

アニメでは、主人公の黒羽と灰島メインで話が進んでいきました。が、小説は途中で他のキャラクターたちの目線に変わり、彼らから見た黒羽や灰島、バレーとは何か?が語られていきます。

今回の上巻では、女子バレー部の末森目線とバレー部の主将の小田目線の話があり、2人のキャラクター像を詳しく知ることができました。特に、女子バレー部の末森はアニメでは空気だったので、女子から見たバレーボールはどういうものなのかを知れたのは良かったです。

あと、物語が中2の途中から始まるというのもスポーツ作品としては珍しく、新鮮に感じました。メインとなる話は高校に入ってからのようですが、中学生部分があるおかげで、より彼らの葛藤を知ることができ、感情移入して、読むことができました。

何よりも主人公の黒羽が「普通」なのがいいです。周りから見れば高身長で才能があるのに、本人は気づいていなく、あがり症で、楽な方にいきがち・・・。スポーツ作品にあるあるな自信家な主人公ではなく、まさに等身大の高校生(中学生)で、共感できます。

下巻を読むのも楽しみです。

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