昼休みさんのレビュー一覧
投稿者:昼休み
滑走路 歌集
2021/04/21 20:25
生きにくい世の中だけど
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ちょうど、ホームレス女性の撲殺事件やホームレス達の取材記事が悪い意味で話題になっていた秋。
ツイッターでそれとははっきり言わずとも、一連の流れを受けて「非正規雇用」であることとこの歌集を絡めて書かれた記事を見つけ、読みたいと強く思った1冊。
報われない恋愛や、労働、非正規雇用、歌人としての自分、そしていじめ。
生きることの泥臭さ、日々の中できっと誰もが感じる孤独にそっと寄り添ってくれるような本だと感じた。
別に励ましの言葉が使われているわけじゃない。
あるのはただの作者の心の叫びで、自分の叫びを、自分で慰めるように綴られている。たった31音のごく短い言葉なのに。それがとても胸を打つ。
最後の秘境東京藝大 天才たちのカオスな日常
2021/04/26 14:59
見事な取材力&文章力!!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上野にある東京藝術大学についてのノンフィクション。東京大学の3倍の入試倍率だそう。
存在を全く知らなかったんだけど、美高と音高、そのエピソードも幅広くて、面白くて、ちょっと考えさせられた。特に印象に残ったのは、9章の「人生が作品になる」のブラジャー・ウーマン。
そのバックグラウンドの掘り下げ方がとても丁寧で、見事。
2021/10/02 20:43
ひなちゃん、眩しい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最後のひなちゃんの帰宅シーン、胸がギュッと苦しくなる。
それでも、泣きながら、力強く自分の行動を肯定して見せるひなちゃんのまっすぐな心がとてもまぶしい。
2021/04/29 12:54
零くんと3姉妹の物語
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
第1巻では、まだ3姉妹ともちょっと距離がある零くん。
将棋シーンでは、繊細で孤独な心が痛いほど伝わります。
そのぶん、3姉妹との交流、特に食事シーンに癒されます。
わすれられないおくりもの
2021/04/27 14:20
永遠のお別れを、優しく描く
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
幼少期から実家の本棚にあった絵本ですが、子どもの頃はあなぐまさんとsどうして会えなくなってしまったのか、うまく分かってはいませんでした。
ですが、残された動物たちが、あなぐまさんとの思い出を語るシーンはその時の幸せな気持ちを一緒に感じ、絵本全体に感じる別れの寂しさを乗り越えることができ、お気に入りの絵本でもありました。
あなぐまさんお別れについて、あえて説明せず読ませてくれた親には、感謝です。
モカと幸せのコーヒー
2021/04/27 14:12
コーヒー好きには堪らない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
おいしいコーヒーを、じっくり丁寧に淹れて一息・・・。
そんな愛しいお茶の時間を愛する、大人のための絵本!
21匹のネコがさっくり教えるアート史
2021/04/26 14:54
キュートなアート解説
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
アートに興味が出てきて、学びたいけど何から手をつけたらいいか・・・という時に出会って、「さっくり」学べるのがちょうどいいなと思って購入。
少しずつ興味の幅を広げたいけれど、今はやっぱり「印象派」と「点描画法」のページだけ何度も開いてしまう。
アート史としてはもちろん、この本自体が1つのアートとして眺めているだけで楽しい1冊。
お茶の時間 カフェが自分の部屋化していることないですか?
2021/04/26 14:51
お茶の時間に思う、ふとしたこと。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「ドラえもんのポケット」「いちごの季節」「デザートバイキング」「旅先にて2」「文庫本書下ろし」が好きだった。
コーヒーやお茶を飲むこと自体にはフォーカスされていないけど、お茶をしながらゆったり読むのにいい感じ。
午后のあくび 2
2021/04/26 14:40
春夏秋冬の不思議なお話
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大好きなコマツシンヤさんの、午后のあくびの第2巻!今回も春夏秋冬の4章仕立て。
やっぱり私は「夏」のお話が好き。だけど今回は「秋」のお話も好みのものが多かった。
夏・・・「今年の梅雨市」「雲を売る店」「夏の夜の音」「開かずの冷蔵庫」
秋・・・「窓のあかり」「憩いのひととき」「夜間図書館」「遠くの街の知らない黄昏」
2021/04/21 20:40
美術館に行くといる、あのひとたち
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
岐阜県立美術館の監視係の方が著者。
こういうお仕事の裏側がわかる話は結構好き。
「ヘルメットの思い出」がなんか良かった。
特別なお出かけ・・・という時にいくイメージだったけど、もっと身近に、ふらっと美術館に行ってみたいなと思った。
の
2021/04/21 20:32
新感覚しりとり?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「わたし の 」という言葉と、少女の横顔からスタートすると、「王さまのキングサイズのベッド」「森の動物たちの図書館」といった場所から、「さし絵のゾウのすべり台の順番待ちの赤鬼」や「ジャングル帰りのお父さん」などのユニークな生き物や人物に繋がったかと思えば、「はじめての夕暮れどき」や「風の通り道のいいにおいのもと」など、自分がその場にいるかのような空間まで、ありとあらゆるものを「の」という一文字で繋げて見事な1冊!
考えごとしたい旅フィンランドとシナモンロール
2021/04/21 00:35
ただの旅行エッセイではない!
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
タイトル通り、テーマは「旅」と「考えごと」。
この2つを1セットにした本はあまりないように感じる。大体は「旅」にちょっとおまけで「考えごと」があるような気がするけど、ミリさんは人よりも思慮深い人なんだろうな。
楽しい旅の記録のはずなんだけど、年齢的なこともあるのか「人生で最後」「死」というワードが出てきたりどことなく本全体に仄暗さを感じた。でもそれが別に嫌じゃない。
それはミリさん自身がきっと考えること1つ1つを穏やかに受け止められているからなんじゃないかと思う。
非日常の楽しい「旅」だけじゃない、異国の地に旅してきているけれど、「日常」がすぐそこに感じられる、そんなミリさんのエッセイが好きだと思う。
ジヴェルニーの食卓
2021/04/20 23:34
巨匠を見守る眼差し
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
印象派の画家たちの人柄、画家としてのポリシー、生き様を、本人ではなく身近で寄り添っていた女性の目線を借りることで描いた1冊。
印象派の画家ではモネとルノワールが好きだけれど、この本を読んでドガに興味が湧いたし、メアリー・カサっトという画家を知ることができた。美術史は知らないことばかりだけれど、本を読みながら調べたり、作中の絵画をよく観るようにしたり、物語の中でより一層味わい深く芸術を感じることができた。
ゴッホ 最後の3年
2021/04/20 16:18
ゴッホの人生
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ゴッホの病的なまでに1つの対象物にのめり込んで追求していこうとする生き様、分身のような弟テオの存在、それとは別に、他者と分かち合えない孤独、それらが全て詰め込まれたような作品だった。
孤独なゴッホが素朴な自然を愛していたこと、そして
深く観察していたことがよくわかるし、それを全力で支え続けたテオ、2人の死後作品を管理し、隣同士に墓を建てたテオの妻ヨー、という人間ドラマがあった。
メンタルに効く西洋美術 逆境にもくじけないアーティストたち
2021/04/20 16:10
各章のタイトルがキャッチー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙の雰囲気からライトな読み物だと思って購入したら、読み応えたっぷりの本格派だったため読むのに時間がかかったが、無事読了。
絵画だけにとどまらず、彫刻や写真など幅広い芸術作品とそれを生み出した芸術家、また芸術に携わる職業人について、当時の日記や手紙、回想録、当時の社会情勢などももとに掘り下げた1冊。
特に興味深く読んだのが4章の「印象派の2強女性」と8章の「共感か同情かー日系人強制収容所の記録写真」。やっぱり芯のある強い女性には惹かれる!
ここをもっと深く学んでみたい。
それから、西洋思想にみる「カップル」の起源、「My other half」という言葉はとても惹かれた。