マルクス・アウレリウスさんのレビュー一覧
投稿者:マルクス・アウレリウス
古代ローマごくふつうの50人の歴史 無名の人々の暮らしの物語
2023/04/03 20:30
日の当たらない歴史に光を当てた本
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
タイトルにあるように古代ローマのごくふつうの人々の暮らしに光を当てた本。碑文や史料に基づきながらも平易な解説で生き生きと甦ってきて秀逸。一部にごくふつうとは言い難い人や、そもそも人でない紙や動物も含まれるが、そこはご愛嬌。一般の歴史書ではあまり取り上げられない世界を覗き見できるのが心地良い。古代ローマの生活史の本は他にもあるが、個々に取り上げられているものは少なく、知的好奇心を満足させてくれるだろう。
マルクス・アウレリウス 『自省録』のローマ帝国
2023/02/10 04:39
読みやすい
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
政治や戦争に明らかに向いてないにもかかわらず、皇帝として人間として誠実に懸命に取り組み、苦闘した生き方が見えてくる。ストア哲学者としての一面を意識的に過小評価しているように感じるが、オタク的とも言える哲学への傾倒と実践は、この人物にとって決定的に重要だったことは、彼自身の「自省録」と虚心に向き合えば、否定することはできないと思う。その上で、彼を取り巻く多彩な人物や、パクス・ロマーナの繁栄に翳りが見え始める当時の時代状況など、他の歴史的要素が彼に与えた影響を考えさせてくれる。「ローマ皇帝群像」を筆頭に貧弱な史料残存状況が残念だが、それらを駆使して鮮やかに手際良く見事にまとめ上げられた1冊。
アンナ・コムネナ 1 (星海社COMICS)
2024/03/21 21:15
ビザンツの女性歴史家!
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こんなマイナーな人物がマンガになるとは!商業的に成り立つのか心配だが、フルカラーという贅沢な仕様、4コマという読みやすさ。「うたえ!エーリンナ」が素晴らしかったので心配ないかな。アンナへの愛と敬意にあふれている。普通に気楽に読めるし、史実にも目配りが細かい。続刊にも期待!
ファイティング・ファンタジー 6巻セット
2024/03/05 05:20
スティーブ・ジャクソンの新作!
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ソーサリーと新作サラモニスの秘密という豪華セット。ジャクソンのゲームブックの世界を存分に楽しめる。待望の新作にはジャクソンらしいアイデアや新機軸があり、小説を手掛けたためか文章も長く、背景世界などの厚みも感じられ、読み物としても楽しめる。続刊BOXセットも企画されているとのこと。是非未邦訳のFFシリーズの新訳を期待したい。
グノーシスの神話
2023/12/30 00:50
第一人者による素晴らしい仕事
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グノーシス研究の第一人者が様々な文献から抜粋、紹介、解説してくれる、時代的、空間的にも幅広いグノーシスの世界をかなり手際よくまとめてくれている素晴らしい仕事と言えよう。グノーシスというのは、その名称とは裏腹に、あまり知性的とは言えず、むしろそう偽装しているためなのか、とにかく文献は難解というか、晦渋というか、素直に読んでも言いたいことがよくわからんのだが、その辺を上手く著者が解説してくれているため、何とか理解が進み、興味が持てるようになっており、流石の手腕と唸らされる。この本で少し自信が持てたら、さらに他の本や原典に当たってみよう。
グノーシス 古代キリスト教の〈異端思想〉
2023/12/30 00:31
グノーシス入門としてオススメ
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グノーシスは非常に幅が広く、時代的にも長きに渡る思想傾向、運動であり、捉えどころがなく、どこから手を付けてよいか分からず、結局放り出してしまう、というような事になりかねないが、この本では叙述をウァレンティノス派、バシレイデース、マルキオンの3つに主に絞って紹介してくれているため、わかりやすく、入り口として申し分ない。この本で少しグノーシスに理解や興味が持てたら、勇気を持って、この思想の残した大海に漕ぎ出してみよう。きっとそう思わせてくれる力のある本だと思う。
大ピンチずかん 1
2023/12/24 20:27
息子が大ウケ
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あるあるの大ピンチが満載。絵も絶妙に可笑しい。息子(小2)は爆笑、妹(47歳)も絶賛。老若男女楽しめる平和な時代の平和な本。
古代ローマ人は皇帝の夢を見たか アルテミドロス『夢判断の書』を読む
2023/10/12 01:48
マイナーだけど素晴らしい
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アルテミドロスという著者も、「夢判断の書」という作品もマイナーで、この本が商業的に採算取れるのか心配になるが、中身は面白い。タイトルの内容は最後に少し出てくるだけだが、サブタイトルの通り原著の副読本としては秀逸な出来だ。原著はまさに奇書、迷信のオンパレードのようで、楽しいと言えば楽しいが、読み通すには忍耐も必要だが、この本を読めば、原著のバックグラウンドとしてのローマ帝国セウェルス朝から五賢帝期の小アジアの中の上くらいの階層のギリシア人の社会、生活、文化、宗教や考え方などが生き生きと浮かび上がってくる(これもまたマイナーだが)。だがこういった小世界を掘り下げて考える事ができるのも奇跡のような素晴らしい体験ではないだろうか?プラトンやソポクレスを読むのとはまた違った読書体験ができる。
2024/09/19 00:50
ナキア王妃恐るべし
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ナキア王妃執念深いな。息子でさえも目的のためには道具として使うことに躊躇いもない。隠し子騒動なんかもあるがまだ可愛らしいとさえ感じる。
2024/09/19 00:42
大サービス
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番外編3編収録とサービス精神満点。本編と違って気楽に読める。この漫画を読んで、考古学を志した知り合いがいます。ヒッタイトの色んな本を読み、先日トルコに念願の発掘に行きました。そのエネルギーと行動力に感心し、半信半疑で天は赤い河のほとりを読んでみることにし、この作品にはそうした力が確かにある、と思いました。
2024/09/19 00:31
ついに決着
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ナキア王妃との長い闘いがついに決着。魅力的なキャラクター、ルサファの死と引き換えに。しかしこれだけの大罪人でもカルケミシュに流罪で済むんだな。こんなとこで、オリエント史では有名なカルケミシュが出てくるのは、まさに絶妙な塩梅だわ。
2024/09/18 23:48
ナキアは諦めない
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ナキア王妃の往生際の悪さには呆れを通り越して感心するわ。ウルヒは死んでも、まだこの2人は諦めない。一体何のために?ここまで徹底してると哲学的でさえある。
2024/09/18 23:43
ウルヒとナキアの秘密
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いよいよナキア王妃に引導か?ナキアとウルヒ、王子ジュダの関係、秘密が少しずつ明らかになっていく。ただの極悪人ではなかったんだな。極悪なのは間違いないけど(笑)
2024/09/18 23:38
やるじゃんイル・バーニ
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イル・バーニがウルヒを捕らえていた。彼らもこの作品中なくてはならない出色のキャラ。ラムセスとはサヨナラだけど、入れ替わり立ち替わり魅力的なキャラクターが登場するから素晴らしい。
2024/09/18 23:33
エジプトとの決戦
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カイルとラムセスの格闘、史実を離れたシーンだけど、演出上やむを得ないか。ユーリも完全に軍指揮官で、女子高生とは思えない(笑)。作者もラストスパートに向けてノリノリやな。