桜木渉さんのレビュー一覧
投稿者:桜木渉
屍鬼 1
2004/09/06 22:02
正しい屍鬼の楽しみかた
14人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
さあ、まずはこの屍鬼1を購入しよう。
屍鬼は全五巻だけれど、まずはこの一巻だけだ。だって五冊もあるんだよ?
まずは一巻を試し読みしてみるべきだろう。
さて、一巻を開こう。はじめは展開の遅さに、思わずページを閉じてしまうかもしれない。淡々と語られる村の人々の生活、思いなんかがつづられているだけだからだ。
しかし諦めてはいけない。
読書好きなら知っている。
長い前置きの先には怒涛の展開が待っている(かもしれない)ことを。
200ページばかりだろうか。
そこから、屍鬼の本領発揮となるのだ。
一巻を閉じた時、あなたはすぐさま二巻を求めるだろう。
しかし、簡単に手に入ったのでは面白くない。
じらされるから、この屍鬼は楽しいのだ。
そう、屍鬼はそうやってじらされるだけの面白さがある。次の巻を求めて悶え苦しむだけの価値がある。
そのほうが、屍鬼の面白さを噛み締めることができるのだ。
さあ、ゆっくりじっくり屍鬼を読もう。
そして次巻を求めて楽しい苦しみを。
百器徒然袋−風 探偵小説
2004/09/06 21:27
榎木津スペシャル
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
榎木津ファンが待っていた百鬼徒然袋の続編が、ついにお目見えした。
今回の百鬼徒然袋—風の印象は、やはり榎木津一色だった。
めちゃくちゃである。
型破りである。
読者の予想なんておかまいなしである。
そんな今回、個人的に一番印象深かったのは、榎木津がまともにしゃべったことである。
榎木津というキャラクターを知っている人にとってみれば、これは驚愕に値する。あの、榎木津が、外見に見合った口調で喋ったのである。
これは見ものだ。
榎木津ファン必見。
もう一つ、話にはよくでる彼の父も、今回顔を出す。
まさに、百鬼徒然袋は榎木津一色の一冊だった。
ゴーストハント 4 (講談社コミックスなかよし)
2004/02/28 13:47
禁じられた遊び
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最近新聞やテレビによく取り上げられているのは緑陵高校の事件だ。始まりは生徒の集団不登校。理由は「教室に幽霊が出るから」というものだった。その事件の調査に乗り出した渋谷サイキック・リサーチ(SPR)のメンバーに、到着早々教室で暴れる犬が現れ襲うが、唐突に消える。
幽霊が出る、と言われる場所を次々に見ていったナルたちは、「ヲリキリさま」というこっくりさんのような遊びが流行っていることを知ったのだが……。
校内で目撃される怪現象の原因は? 一体ここで、何が進行しているのか?
「禁じられた遊び」の他に、この巻には「サイレント・クリスマス」も同時収録されている。こちらは読後、寂しさとともにほんわかと心温まるものがある。リンさんに光をあてよう! ということで、原作者の小野不由美が新たにストーリーを書き下ろしたらしい。原作の小説のほうでストーリーを知っているから漫画のほうは読んでいない、という人も楽しめると思う。(この漫画、ストーリーを知っていても勿論楽しめる。小説を読んでいる読者も多い。)
この緑陵高校の事件「禁じられた遊び」は、漫画ゴーストハントでは初めて、四巻、五巻にわたっての話になる。つまり、この「禁じられた遊び」、四巻だけでは終わらないのだ。ご購入の際は、四巻と一緒に五巻も買うことをおすすめします。
原獣文書 2 (Wings comics)
2004/03/04 13:58
まだまだ謎。
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運命の石——それは雌雄同体の大陸人の性別を無理矢理に決めてしまう石。
一巻で、超マイペースなレイ・ジーン博士と警備班班長の村上静馬の間でその石が割れてしまい、両者の性別を決められてしまう。男役にレイ・ジーン、女役に村上。……勿論、男の村上(しかも身長190cm)に女役などできるはずもない。
ギャグだわ。
お笑いだわ。
こういう展開が苦手な方もいらっしゃるだろうが、この原獣文書はそれがメインと言うわけではけっしてないのでご安心を。私としてはむしろお笑い要素である。
この二巻では、基地に大陸人からの攻撃がはじまり、しかもそこに魔人と恐れられるゼーンも加わる。レイ・ジーンにそっくりだというゼーン。ふたりの関係について、ゼーンが重要なことをもらす。
まだまだ謎の多い原獣文書。そして謎が読者に解かれる前に、次の謎が出てくる原獣文書。出来ればまとめて読みたい作品である。
ゴーストハント 5 (講談社コミックスなかよし)
2004/02/29 15:15
緑陵高校の怪・真相
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緑陵高校の事件「禁じられた遊び」、解決編。
渋谷サイキック・リサーチでバイトをしている麻衣と霊能者の真砂子は、ともに自殺した生徒の坂内君が霊に呑み込まれるという光景を見る。霊と霊が共食いをしてより強力な霊となっていくこの緑陵高校で、一体、何が起ころうとしているのか?
前巻では女性陣が白い服で表紙、男性陣が白い服で裏表紙(ただしリンさんとナルは拒否)でしたが、今回は全くの逆。男性陣が黒い服で表紙、女性陣が同じく黒い服で裏表紙となっている。とっても目の保養になる一冊。またキャラクターのプロフィール(誕生日・血液型・身長など)も巻末に載っている。私的にリンさんが好きな私は、この五巻があらゆる意味でとってもおいしい。リンさん好きの方は必ず手に入れておきたい一冊だ。
原獣文書 1 (Wings comics)
2004/02/29 14:43
やっぱりなるしまゆりはおもしろい!
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原獣文書第一巻を開く。わずか二ページで、そこにはなるしまワールドが繰り広げられていた。
人類は「メデューサ病」という原因不明の流行病で激減した。その後も大規模な地殻変動や隕石の衝突——気付けばかつての世界地図は役目を果たさず、新大陸に新生物の、冒険の舞台が用意されていたのだった。七つの博士号と七つの古代言語を解する世界屈指のブレーン、レイ・ジーン・セイバーへーゲン博士27歳おっとりぽややんと、ガードで班長の村上静馬25歳常に活火山とその他個性的なキャラクターたちの新大陸冒険物語。……と、言ってしまえばなんだかお気楽そうであるが、そこはやっぱりなるしま氏の漫画。笑いアリ、小難しくも深みある遺伝子の話アリの、ぎゅぎゅっと濃縮された漫画なのである。
なるしまさんは好きだけどこの漫画は読んだことない、というあなた! 是非これは読むべきです。なるしまワールドに、口元がゆるんでくるはず。
烈光の女神 ハイスクール・オーラバスター 1
2002/06/23 15:19
新生オーラバ、始動
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はるか古に天のさだめた因縁。妖は人を喰らい、空は妖を喰らうものであると。
ついにあのハイスクール・オーラバスターが帰ってきた!!
「崎谷先輩はきらい」
きっぱりと告げる冷泉院皐。空者や妖者と言った言葉を簡単に口にする彼女は、しかし妖の者ではない。ではなんなのか?
母の使いであった雪<すすぎ>に襲われた希沙良。心はまだ砕かれたまま、癒えてはいないというのに。
個々の胸に刻まれるモノは痛くて辛い。けれど目が離せない。
言葉の美しさに酔い痴れる一冊です。
MAZE
2004/03/25 17:23
読者を飽きさせない展開で最後まで引っ張る作品
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恩田陸に興味を持った私は、彼女の本を四冊も同時に購入した。しかし同じ作者の本を読むのはなんだか疲れてくるもので、そのうち私は別の作者の本に浮気をはじめた。というのも、恩田陸のミステリはなんだか性に合わなかったのである。しかもこのMAZE、内容が推測できない表紙なのである。だから私はこのMAZEを最後にして、彼女のミステリ以外の話を読んだり、別の本を読んだりしていた。そしてしばらく、MAZEのことは忘れていたのである。
だがそれは失敗だった。
このMAZE、恩田陸のミステリは合わないなと思っていた私にとって、目から鱗だった。
アジアの西の果ての荒野に建つ白い箱状の建物。そこには人ひとりが通れるだけの入り口があり、中は高い壁が区切る狭い通路がまるで迷路のようにあるだけ。天井はない。それだけの矩形の建物なのだが、中に足を踏み入れた者が時々、行方不明になるという。
人間消失の謎を解き明かすミステリーだ。
私はこの本を最後にまわし、しかも数ヶ月間も読まずに放置したことを後悔した。人間消失。なんて面白そうな四文字だろう。恩田陸らしい結末だが、彼女のミステリを倦厭していた私にもかなり楽しめた。
これでまた、彼女の本を読み漁る日々が続きそうだ。
ゴーストハント 1 (講談社コミックスなかよし)
2004/02/15 10:20
少女漫画の枠をこえる
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知っている人は知っている。あの十二国記や屍鬼を書いた小野不由美のデビュー作「悪霊シリーズ」。このゴーストハントは、その「悪霊シリーズ」を原作として書かれた漫画だ。
主人公麻衣は、ひょんなことから渋谷サイキックリサーチという心霊現象を究明する会社でバイトをさせられる羽目に。魅力溢れるキャラクターに、毎回凄みを増す恐怖感。原作が少女小説です、なんて嘘だろっ!?という面白さ。心霊に関する見方かちょっとかわるかもしれません。
小野不由美の悪霊シリーズを読んでみたいけど手に入らない、という人にもオススメかも。何はともあれ、少女漫画の枠をこえた面白さです。
ゴーストハント 3 (講談社コミックスなかよし)
2004/02/28 13:00
放課後の呪者
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渋谷サイキック・リサーチ(SPR)でバイトをしている谷山麻衣(16)は、立て続く湯浅高校の怪現象に関する依頼に首をひねっていた。麻衣のバイトしているSPRは、心霊現象を調査、解決する事務所だ。その依頼を断り続けていた気分屋の所長渋谷一也——通称ナル(17歳!)は、校長が直接事務所へ足を運んだことで、ついに調査に乗り出すことにしたのだが……?
その席に座ると必ず電車の扉に腕を挟まれて引きずられるという事故にあう「呪われた席」。ロッカーが倒れたり備品が荒らされたりする陸上部の部室……。次々に寄せられるあまりの量の怪現象に、悲鳴を上げるSPRの面々。「この数は尋常じゃない。何か原因があるはずだ」と、所長のナルは判断を下した。
ゴーストハント第三巻「放課後の呪者」
一巻、二巻でナルが好き、ぼーさんが面白い、麻衣が可愛い、などなど、お気に入りのキャラクターを見つけた方も多いのでは? 今回は、そんなSPRのメンバーたちの秘密や意外な素顔もちらほら見え隠れします。必見です! そして以前から定評のあった恐さも、この三巻から一気に跳ね上がります。恐いけど目が離せない。思わずじっくり読み直してしまいました。
ゴーストハント 2 (講談社コミックスなかよし)
2004/02/25 21:31
人形にまつわる恐怖
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原作小野不由美、漫画いなだ詩穂によるゴーストハント第二巻!
森下典子の依頼で、彼女らの住む古い洋館の調査を依頼された渋谷サイキックリサーチ(SPR)。家具がガタガタと揺れる、閉めたはずのドアがいつの間にか開いている……。依頼者の姪・礼美(八歳)のお友達という怪しい西洋人形ミニー。“ポルターガイスト”の起こるこの洋館には、一体何があるのか? ミニーとポルターガイストは何か関係が?
一巻でおなじみの面々がまたもや登場! 「人形の家」の他にも番外編的な「公園の怪談!?」も同時収録。こちらはコメディちっくで笑って読めると思います。
因みにこのゴーストハント、友人の母も読んでいるとか。年齢に関係なく楽しめること請け合いです。
ダレン・シャン 奇怪なサーカス
2002/06/27 23:46
クレ様の親ばかっぷりがたまらんっ
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巻を追うごとに面白さの増す、このダレン・シャンシリーズ。私がイギリス児童文学系に大ハマリしたのは、この一冊がキッカケでした。
親友のために人間をやめる。ダレンに迫られた選択は重い。
平凡な人間の生活に別れを告げる一巻は、ダレンの苦悩が辛い(でもそんなダレン少年が可愛いっ)。
闇の世界に足を踏み入れたダレンは、この先一体、どうなってしまうのか?(でもきっとクレプスリーがいるから大丈夫!!)
と、いう話です(ホントか!?)。そんなこんなで、私はこの本で泣きました。
豹くんの異常な愛情
2004/09/07 14:57
久しぶりに楽しめた本
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普通のBL好きへ
このタイトルに気おされてしまう、ごく普通の人。
最近面白いBL本を読んでないなあっていう人。
もうここらへんが限界? 楽しめる質のいいBLはないんじゃないの? って思ってる人。
そんな人に読んで欲しい。
できるなら、初めて手にとるBL本は、こういう作品であってほしい。
よく、初めて目にしたBL本が過激すぎてついていけなかったって、トラウマになってる人がいるけど、これは大丈夫だから。
これは、ラブに突っ走る豹くんの、恋のお話。
そう、これは恋愛小説なのです。
永遠の娘 ハイスクール・オーラバスター
2002/11/02 10:52
炎将編が今、終幕を迎える。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
不滅の王とこの永遠の娘で、ついに炎将編は終幕を迎えた。
炎将が始めて登場したとき——それはもう、数年前にもさかのぼるが——、大嫌いだった。子供っぽく、わからずやで、それでいて強い。
敵将のなかでも、最も嫌いなタイプだった。
炎将が次に登場したとき、それほど嫌いではなくなっていた(別に好きでもなかったが)。
そしてシャドウイーター。
炎将の元には一人の猫がいた。
名前を春名子。
何の能力も持たない人間の春名子は、炎将と行動を共にしていた。
何故?
ちぐはぐな二人の最後の物語。
だいっ嫌いだった炎将は、いつのまにか、絶対に失いたくない存在になっていた。
それは春名子との出会いに始まって。そして、この終幕が降りるとき。
伽羅王と炎王の決着が、今。
人を喰らう妖の者と一緒に暮らした人間の春名子は、猫と呼ばれていた。その関係は、外から見れば、何かおかしなものだったけれど。それでも当人には大切なものだったのだろう。
そう、思う。
炎将の、本当に最後の物語。
ハンター×ハンター No.19 (ジャンプ・コミックス)
2004/02/29 14:41
新編突入!
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前の巻のラストで出てきた謎の巨大蟻の正体が、この19巻ではっきりする。
今までは、たとえ作中で命をかけた戦いと言っても、安心して見ていられた感があるが、今回はそうはいかないようで。なにしろその蟻——キメラアントは、人を食糧としてしまうのである。
はい。ここで苦手な人は回れ右をしよう。そして残ったみなさまは一緒にこのキメラアント編(勝手に命名)が完結するまで、毎回次巻が出るまでの苦しみにのたうちましょう(笑)
そう。今回のH×Hは、今まで以上のスリルとゴンやキルアの成長が期待できるのです。
因みに、表紙はレオリオですが、本編には一瞬たりとも出てきません(笑)