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スーダンは前例のない飢餓の惨事に直面 – 国連3機関が警告

新たに発表された急性の食料不安の予測 (今年6月から9月の期間)によると、スーダンで2,560万人が深刻な急性食料不安(IPCフェーズ3以上)に直面しており、うち75万人以上が最も深刻なレベルの壊滅的な飢餓(IPCフェーズ5)にあることがわかりました。

ローマ/ニューヨーク発 - スーダンは2000年代初頭のダルフール危機以来の規模で、壊滅的な飢餓の惨事にあると、国連3機関のトップは警告します。 

WFP国連世界食糧計画(国連WFP)、国連食糧農業機関(FAO)、国連児童基金(UNICEF)は、スーダンでの1年以上にわたる戦争により食料安全保障が悪化し、スーダンの人々、特に子どもたちの状況が急速に悪化していると警鐘を鳴らします。スーダン国内と、スーダンからの200万人以上の難民を擁している近隣諸国において、各機関は共に大規模な支援を実施しています。 

人道支援をさらに拡大し、必要とされるスピードで各機関が支援を実施するためには、即時の停戦と、外交的・財政的両面での新たな国際的な努力、そして妨げなく持続的に人道支援を実施することが求められます。 

統合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification, IPC)の最新の予測によると、スーダンの食料安全保障の急速な悪化により、国内14の地域で75万5,000人が5段階の急性食料不安の指標で最も深刻な「IPCフェーズ5」にあることが明らかになりました。戦闘により最も大きな打撃を受けた地域と、紛争から避難した人々が集まっている地域で、特に深刻な食料不安が確認されています。また、「IPCフェーズ5」の75万5,000人を含む、2,560万人が「IPCフェーズ3」以上の深刻な急性食料不安に直面しています。これは、スーダンの戦火に見舞われた人口の半数の人々が、毎日、自分や家族が食べる食料を手にいれることに苦労していることを意味します。 

2004年にスーダンでIPCの調査が始まって以来、スーダンで壊滅的な飢餓(IPCフェーズ5)が確認されたのは今回が初めてです。20年前のダルフール危機とは異なり、今回はスーダン全土に危機的状況が波及しており、壊滅的の飢餓は首都ハルツームや、かつてはスーダンの穀倉地帯であったゲジラ州にまで及んでいます。 

前回、1,770万人が深刻な急性の食料不安(IPCフェーズ3以上)に直面していると発表された昨年12月の報告から増加しており、飢餓の状況がスーダンで著しく悪化しています。また、緊急レベルの飢餓(IPCフェーズ4)にある人々は昨年12月には500万人でしたが、現在その数は850万人に増加しています。 

「国連WFPのスーダンのチームは、命を救う支援を届けるために昼夜問わず危険な状況の中で、働いています。しかし、今回発表されたデータは、飢きんを防ぐための時間が急速になくなってきていることを示唆しています。私たちが今年支援できた人々よりも8倍の数の人々が支援を必要としているのです。スーダンの状況の悪化が、より広範な地域に政情不安をもたらし、人道的惨事に陥るのを私たちの支援活動を拡大させることで食い止めるためには、大幅な人道的アクセスと資金の拡大が緊急に必要です」と国連WFPのシンディ・マケイン事務局長は述べました。 

UNICEFのキャサリン・ラッセル事務局長は「最新の報告は、スーダンの紛争がこの国の子どもたちに与えている壊滅的な影響を物語っています。飢餓と栄養不良は驚くべき速さで広がっており、国際的な協調と資金がなければ、状況は制御不能に陥る危険性があります。時間がありません。脆弱な人々への妨げのない人道支援のアクセスが遅れれば、子どもたちの命が失われることになります」と話しました。 

「新たなIPCの報告により、スーダンの食料安全保障状況は急速に悪化し、数百万人の命が危険にさらされていることが明らかになりました。私たちは現在、作付け期を前に、農作物の種子を人々に配布しています。スーダンの農家の人々を救う残り時間は少なくなってきています。これからの6カ月の間に、人々が作付けし、食料の底がつかないように支援するために、FAOは6,000万米ドルを緊急に必要としています。何百万の罪なき人びとの命を救うために、私たちは共に大規模な行動をとらなければなりません」と屈冬玉FAO事務局長は話しました。 

国連WFP、 FAO、UNICEFはスーダン全土の人々を対象に、マルチセクターで飢きんを予防するための活動を主導しています。 

国連WFPは、今年これまでにスーダンで300万人以上の国内避難民や食料不安を抱える人々を支援し、年末までにさらに追加の500万人に支援ができるよう活動を強化しています。国連WFPは、近隣諸国や前線からの人道的アクセスを拡大し、新たな人道物資の輸送経路を緊急に開設するべく活動しています。国連WFPは今年、ダルフール地域で約50万人分の食料や栄養支援物資を、チャドから国境を越えて輸送しました。今後数週間に、さらに約25万人分の食料や栄養支援物資の輸送が予定されています。国連WFPはまた、ダルフールやスーダンの他の地域で、多くの道路が通行不可になる雨季が始まるのを前に、重要な国境地点や供給ルート沿いに食料支援を配置し始めています。 

FAOは今年前半に種子の配布と家畜のワクチン接種を通じて380万人を支援し、現在は、スーダンの180万世帯以上(900万人に相当)の農耕・牧畜世帯に対し、生計活動の再開と食料の現地生産を支援する準備を進めています。FAOは約8,000トンの穀物の種子(ソルガムとキビ)を購入し、食料不安が壊滅的なレベルに達しているダルフールとコルドファンを含むスーダン全土の87万以上の農家を支援する予定です。FAOの経験から、紛争下でも農民が土地と投入資材にアクセスできれば、食料を生産できることが明らかになっています。 

2023年4月に紛争が始まって以来、UNICEFは550万人近い子どもたちに栄養状況のスクリーニングを実施し、重度の急性栄養不良に苦しむ32万2,000人以上の子どもたちに命を救う治療を提供してきました。UNICEFは、より多くの子どもの死を防ぐために、人道支援 パートナーとともにマルチセクターの対応を拡大し、500万人以 上の人々が安全な水にアクセスできるようにし、今年に入ってか らの5ヶ月間で50万人以上の子どもたちに麻疹の予防接種を 実施しました。UNICEFはまた、子どもたちが再び学べるように支援し、35万人を超える妊産婦とその家族に現金を提供し、暴力、別離、トラウマから子どもたちを守るためにあらゆる努力をしています。 

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国連世界食糧計画(WFP)は世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を通して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直りつつある人びとのために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。

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富田 絵理葉 eriha.tomita@wfp.org

田中 理子  satoko.tanaka@wfp.org

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