30代が高校生を演じているのに違和感がないワケ。“岸優太(26歳)がいてこそ”の最新作を考察
小沢としおの同名漫画を原作とする『Gメン』が2023年8月25日より公開中だ。
主人公である門松勝太(岸優太)は、“彼女できる率120%”とされるモテモテ男子校に転校してくるものの、入ったクラスは校舎が隔離され問題児ばかりが集まった“G組”だった。
その校内最底辺クラスでも「彼女を作る!」目的で仲間と一致団結した勝太は、エリートの瀬名拓美(竜星涼)と運命的な出会いをする。
簡単に内容を言うのであれば「クセ強すぎなキャラが全力でふざけ倒して、ときどきマジメになってちょっと感動する青春コメディ」だ。
軽めの下ネタを含む漫才的なボケやツッコミのオンパレードで、良い意味でうるさいくらいに叫びあったりする。でも、時折キャラクターが口にする悩みは切実なもので、そこからの友情や絆の物語にちょっとウルっとする。
そういう作風だと割り切れば、きっと劇場からクスクスと笑い声が漏れる様も含めてきっと楽しめるだろう。
本作のプレス資料によると、撮影現場ではアドリブが多く、台本にないやり取りやセリフも飛び出しまくっていたらしい。特にプロレスオタク役を演じた矢本悠馬の自由すぎるアドリブによって、カットがかかった瞬間にその場の全員が崩れ笑い転げるというのが日常風景だったのだとか。
そんな中でも主演の岸優太は、アドリブのひとつひとつに驚きながらも懸命に対応していたらしい。そして、出演者が楽しくしていることが映画本編からも伝わるから、観ているこちらも楽しい。そんな映画なのである。
「おバカだけどアツいやつ」な主人公・勝太を演じた岸優太はこれ以上のないハマり役だ。天然で愛されキャラな本人そのままのキャラクターにも思えるし、仲間や女の子のために怒りを噴出させることもある。
さらに、本気のアクションになると、撮影前からかなりの時間をかけて猛特訓しただけのことがあるキレのある動きに惚れ惚れとできる。
事実、峠本悠悟プロデューサーが実写映画化に当たって絶対条件として決めていたのが、まさに主演を岸優太にすることであり、その理由のひとつが「仲間想いでちょっと天然なところが岸さんのイメージに一致している」からだった。さらには、原作者の小沢としおも「岸くんは勝太を演じるために生まれてきたのではないか」と太鼓判を押している。
『クローズZERO』や『東京リベンジャーズ』などに続くヤンキー漫画の実写映画化作品であり、目玉となるのは豪華出演者、特に主演の岸優太だ。
何しろ「岸優太がいてこその映画」であることが本編からも、プロデューサーの言葉からも伝わる。そして、個人的には岸優太と田中圭との絡みも激推ししたいのだ。
作品の魅力を踏まえつつ、その理由を記していこう。