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八ヶ岳に移住した75歳の女性「リタイアのはずが保育園の園長になってしまいました」

 地方移住で理想の暮らしを手に入れた人を表彰する「ニッポン移住者アワード2024」。  都内で開催された選考会でグランプリに選ばれたのは、リタイア先のつもりで移り住んだ村で、思いがけず保育園を開園することになった75歳の女性でした。
「ニッポン移住者アワード2024」表彰式

長野県原村の橘田美千代さん(中央)

5年前に移住してゆっくり暮らしていたら…

 長野県原村は八ヶ岳の麓にある静かな山村。橘田美千代さんは、東京で乳幼児保育に45年かかわったのち、「庭で花を育てながら、のんびり暮らしたい」と5年前に移住しました。  家族とともに家を建て、ゆっくりと暮らしていたある日、村内にある八ヶ岳中央農業実践大学校の牧場で、赤ちゃんをおんぶして羊の毛刈りをする女性を見かけます。  話を聞いてみると、彼女は移住者で近くに頼れる人がおらず、村の保育園にも生後10か月未満の乳児は預けることができずに困っていたそう。
橘田美千代さん

保育歴45年の橘田美千代さん

 さらに調べると、村内には農業従事者や自営業者が多くいますが、彼女たちも移住者と同様に子どもの預け先がなくて苦労していることがわかりました。  そこで橘田さんは一念発起、これまでの経験を生かして活動を開始します。

クラウドファンディングで保育園を設立

八ヶ岳風の子保育園

「八ヶ岳風の子保育園」

 村内の若いお母さんたちの意見を聞きつつ、リタイアした同世代の保育士や現役の保育士の協力を得て、「原村に乳児保育園をつくりたいプロジェクト」を立ち上げ。  地域の人たちの賛同のもと、クラウドファンディングや寄付を募って2022年4月には認可外保育園「八ヶ岳風の子保育園」として出発。その後、「社会福祉法人織りなす」を設立し、定員20人、0~2歳児までの乳児保育園は2023年4月に認可保育園となりました。
長野県原村の子どもだち

長野県原村の子どもだち

「2025年には、0歳から5歳児までの40名定員の保育園をつくる」という目標を掲げる橘田さん。ニッポン移住者アワードの選考委員からは「花を育てるはずが、子どもを育て始めた行動力がすごい!」と驚きの声が。  年齢をものともせず、地域を巻き込み社会課題を解決しようとする姿勢が評価され、第1回のグランプリ受賞者となりました。 「このような賞をいただいて励みになります。これからも村の仲間とがんばって、子どもたちがのびのび成長できる環境をつくっていきたい」という橘田さん。  同世代の仲間と手を取り合って、移住した地域を豊かにする活動に関わる姿に、会場から大きな拍手が送られました。
日本移住者アワード2024

日本移住者アワード2024

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がんばる移住者たちが日本中にいる
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ニッポン移住者アワード「ニッポン移住者アワード」とは  移住で理想的な暮らしを実現した人たちを表彰するコンテストです。選考は、地域創生や地方移住に知見のある識者で構成する選考委員会が担当。自己実現・家族の幸せ・地域貢献・コミュニティ活性化・事業立ち上げ・伝統継承・次世代育成など、さまざまな視点で審査を行い、グランプリほか各部門賞を選考します。同時に各自治体の取り組みも審査し、移住者や地域の方々にとって魅力的な移住促進施策を行っている自治体を表彰。移住者とその暮らしを支援する自治体双方を審査対象とします。フジサンケイグループの産経新聞社、ニッポン放送、BSフジ、扶桑社、ポニーキャニオンが主催。
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