ブカレスト -- かつての「歓楽の都」は今どこに。

★ブカレスト -- かつての「歓楽の都」は今どこに★ 少し古びた建物、至る所に見られる落書き、情緒あふれるカフェ、生活感溢れる路地……これがルーマニアの首都ブカレスト（Bucharest）の第一印象です。 ブカレストは歴史ある古都で、歴史文献に登場してから500年以上が経ちます。ルーマニア南東部のワラキア平原に位置し、歴史的にはワラキア公国の首都であり、ルーマニア建国後は共和国の首都として、政治・経済・文化の中心であり続けています。 二つの世界大戦の間、美しい並木道や建築物、上流社会の優雅な生活から「小パリ」と呼ばれ、当時の繁栄ぶりが想像できます。 ルーマニア語で、ブカレストは「歓楽の都」を意味します。第二次世界大戦の戦火による破壊と、その後のルーマニア共産党政権時代に建てられた色彩の乏しい簡素な建築群により、今日のブカレストは新旧が入り混じった都市となっています。 やや荒廃した建物、まばらな人影、冬の寒さが漂う雰囲気は、私たちの旅の主要な目的地ではありませんでした。しかし、古い街並みを探索するのが好きな私は、中世ヨーロッパの雰囲気が濃厚な旧市街を見逃すわけにはいきませんでした。 ドゥンボヴィツァ川はドナウ川の支流の支流で、目立たない存在ですが、北京の紫禁城周辺の堀よりも狭いものの、ドナウ川のロマンを携えて街を流れ、この都市に活力をもたらしています。 川辺でスターバックスを見つけ、座って旧正月元日の朝食をゆっくりと楽しみました。太陽は高く昇っても眩しくなく、冬の朝の斜陽がドゥンボヴィツァ川全体を金色に染め、通行人の足音に驚いた無数の水鳥が金色の光と朝霧の中を行き来していました。