伊賀上野城。

伊賀上野は、城内の配置が碁盤の目のようになっており、市内の寺町や武家屋敷が往時の姿をよく留めています。伊賀上野城は、優雅な白壁の建築から「白鳳城」の美称を得ており、日本一高い石垣を持つことから、名監督黒澤明の映画「蜘蛛巣城」のロケ地となりました。ここは、有名な俳句詩人松尾芭蕉（1644～1694年、中国の詩聖李白に相当する地位）の生誕地でもあります。芭蕉は各地を旅しても常に故郷を思い続けました。この偉大な詩人を偲んで、1942年に上野城の近くに俳聖殿が建てられました（建物の形は芭蕉の旅姿を模しており、丸い屋根は笠を、八角形の軒は袈裟を、柱は杖を表し、俳聖殿の額は顔を象徴しています）。また、ここは伊賀流忍者の発祥地でもあり、上野城の隣に設立された「忍者博物館」は、世界で最も多くの忍術資料を所蔵する博物館と称されています。