景徳鎮｜人里に庵を結び、山中に世を離れる。

「人里に庵を結びて、車馬の喧しさなし」「東籬の下に菊を採り、悠然として南山を見る」 宿の名前からその野心が伺えます。確かに、その野心は実現されています。 景徳鎮の宿泊施設の中で最高峰と呼べるでしょう。唐代の建築特徴とデザインスタイルを見事に再現しています。 全体的に「侘寂」の風情を醸し出すデザインで、調度品や備品には時の流れを感じさせる趣があります。本来の内なる美しさを保ちつつ、数々の美しい器物やデザインのおかげで、宿に一歩足を踏み入れた瞬間から心が静まっていくのを感じます。 テラス付き庭園ダブルルームに宿泊しました。扉を開けると、美しい東洋式庭園の景色が広がります。小さな東屋、楓の木、小川、石畳の小道が、心を癒してくれます。室内には茶室があり、畳の上に座ると、背後には金色の屏風が。上質なお茶を一服、夕陽が景色に黄金色の余韻を残す中、時間さえも輝きを増したように感じられます。 ロビーには一本の松の木が天を仰ぐように立っています。1階はカフェバー、2階は美しい器物の展示室になっています。現在は「動かぬ暗礁シリーズ」が展示されており、「山海は滅びゆくも、拡散するエネルギーと痕跡は確かに永遠なり」というコンセプトに心を揺さぶられました。茶室や応接室も美しく、素晴らしい器物の展示や上品なデザイン、そして美しい体験が待っています。 宿は三宝鎮に位置し、周辺には多くの陶磁器店や工房があります。小さな三宝寺もすぐそばです。ゆっくりと散策しながら、景徳鎮のスローライフを体験できます。