京都紅葉狩り｜西明寺の物の哀れの美

高山寺を出て、日本最古の茶園を通り抜け、清滝川に沿って歩くと、紅葉で彩られた西明寺に到着します。山道は長くなく、両側には石灯籠や奉納者の姓名が刻まれた石碑があります。 数歩歩くと、美しい形の日本橋が見えてきます。個人的には、この赤い橋こそが西明寺の最大の見どころだと感じます。まさに橋が紅葉よりも赤いと言えるでしょう。枯れ枝や落ち葉を背景に、特に凄美に見え、日本文化における物の哀れの美を瞬時に理解できたような気がしました。 西明寺は山に寄り添い、水辺に佇んでいます。清龍川のせせらぎが、寺内に春は桜の花を咲かせ、夏は山を緑で覆い、秋は紅葉で染め上げ、冬は白雪をもたらし、寺院に四季折々の風情をもたらします。古びた大門と鐘楼、至る所に苔むした石塔や石灯籠が見られ、これが長い歴史を持つ古刹であることを訪れる人々に物語っています。 西明寺は832年に創建され、空海大師の弟子である智泉大師によって開かれました。別名を平等心王院といいます。寺全体の敷地はそれほど広くなく、約20分で回れますが、比較的知られていない場所なので、ゆっくりと鑑賞することができます。毎年11月初旬になると、ここの紅葉がいち早く黄金色に変わり、清滝川の両岸に黄色い紅葉が広がります。まるで天が黄色い絵の具をこぼしたかのように、鮮やかで目を奪われます。 観光のヒント： 高山寺と神護寺の間に位置しているため、多くの人が西明寺を休憩ポイントとして利用しています。ゆっくりとお茶を飲みながら、秋から冬へと移り変わる貴重な暖かな日差しを楽しむことができます。寺内には小さな趣のある茶屋があり、旅人が腰を下ろして休憩し、日本式のお茶体験を楽しみながら紅葉を鑑賞することができます。これもまた素晴らしい体験です。 西明寺を後にし、せせらぎの音を聞きながら、清滝川沿いの道路を神護寺に向かって歩き続けます。空気は冷たいですが、特に清浄です。振り返ると入口のカエデの木が見え、まばらな葉が真っ赤に燃えるように色づき、石灯籠の緑の苔が日光を浴びて輝いています。静かで精巧な西明寺は、忙しい紅葉狩りの行程に、ゆったりとした雰囲気をもたらします。周囲の紅葉を楽しむ人々の影響を受けることなく、せかせかとした足取りにならずに済みます。