和順古鎮を歩く--時の記憶を探して

和順古鎮を訪れる前から、綺羅文昌宮が騰衝最大の古建築群であることは知っていました。そのため、和順古鎮にはそれ以上の規模の古建築群はないだろうと推測しました。 古鎮の街路には祠堂や古い邸宅などの歴史的建造物が点在していますが、新旧が入り混じっており、見分けるのが難しいです。 民国時代、現代文化の風がこの南西の辺境の小さな町に吹き込み、様々な民国時代の建築物が古鎮に独特の風情を添えました。 川沿いの「天下和順」牌坊は、2002年に元々あった古い牌坊を基に再建されたものです。川にかかる2つの石造りのアーチ橋は、民国時代に建造された双虹橋です。 古鎮に入ってまず目に入る古建築が文昌楼です。八角形の優美な姿で、軒が空に向かって伸び、山の斜面に沿って次第に高くなり、威風堂々としています。 中庭を通り、花で飾られた脇門をくぐると、中国最大の郷鎮図書館である和順図書館があります。南西の辺境の小さな町にこのような規模の図書館があるということは、地元が教育をいかに重視しているかを物語っています。 図書館は典型的な民国風の建築で、中国と西洋の様式が融合し、優雅で開放的です。大きなガラス窓があり、室内は広々として明るく、採光も十分です。 閲覧室に座ると、窓の外に文昌楼の軒が見え、風情たっぷりで、最も美しい郷鎮図書館と称されるのも納得です。 この旅では、いくつかの祠堂も見学しました。何度も破壊と再建を経ていますが、一部の古い建築は保存されています。伝統への敬意から、建物の写真撮影は控えました。 弯子楼は古鎮で比較的規模の大きな古い邸宅で、現在は民居博物館として一般公開されています。 和順古鎮は60元の入場料を徴収し、古鎮内のどの観光スポットも追加の入場料はかかりません。この古い邸宅は李氏一族の祖宅で、現在も李氏一族が維持管理しており、町は入場料収入の一部を支援として提供しています。 邸宅の塀と一部の建物は波状の曲線を描いています。これは通りの形に沿って空間を最大限に活用するためだと言われていますが、不思議なことに、建物の内部には不規則な構造は見られません。 弯子楼には3つの中庭があり、建築は古風で重厚です。中庭には観葉植物や盆栽が置かれ、サンドブラスト加工されたガラスの花窓が建物に色彩を添え、古い邸宅に現代的な新風をもたらしています。 中庭は静かで、ほとんど観光客はいません。中庭のベンチに座り、静かに秋の日差しを楽しんでいると、時間が止まったかのようです。 同じ屋根の下、同じ一筋の日差しの中で、歳月の移ろいを感じ、物は同じでも人は変わり、感慨深いものがあります。 古城の街路を歩いていると、門を通して中庭に咲く花々が見えます。偶然、規模の大きな邸宅に入りました。中庭には假山と蘭の花があり、非常に精巧な装飾が施されています。ここはすでに民宿に改装されており、建物の大部分が改築されています。 川辺の洗濯亭は非常にユニークな構造で、亭の下には井の字型に交差する通路が水上に浮かんでいます。この亭は、海外に住む故郷を離れた人々が、家に残る女性たちの洗濯を便利にするために資金を出し合って建てたそうです。温かみのある建物で、家族愛と郷土愛に満ちており、素朴で深い思いが込められています。