江南のポタラ宮。

浙江省金華市の武義県柳城畲族鎮にある上黄村は、「江南のポタラ宮」と称される絶景の古村落です。この村は高山の中に隠れており、海抜850メートルに位置し、まるで世間から隔絶された桃源郷のようです。 車で向かう途中、景色は徐々に静かで爽やかになっていきます。蛇行する山道を抜けると、ついにこの隠れた古村落に到着します。上黄村を初めて目にすると、その独特な建築様式に魅了されます。ここの家屋のほとんどは現地の材料を使用し、黄土と石で建てられ、層状に重なり合った美しい建築景観を形成しています。それぞれの家屋が歴史の趣を漂わせ、まるで千年の物語を語っているかのようです。 村の小路を歩くと、古風で美しい景観が広がります。石の基礎、黄土の壁、黒瓦の屋根、これらの風雨に耐えてきた建物は今でも当初のように堅固です。村人たちの生活リズムは外の世界よりもゆっくりしているようで、彼らはのんびりと忙しく過ごしており、静けさと調和を感じさせます。 上黄村は建築が独特なだけでなく、自然の風景も非常に魅力的です。村は漏斗型の山あいに位置し、背後には竹林が茂る大山があり、両側を山々に囲まれています。山道から見下ろすと、黄土の家々が層状に重なり、まるで棚田のように壮観な景色が広がります。村の入り口にある展望台から眺めると、村全体の美しい景色を一望でき、心が晴れ晴れとします。 特筆すべきは、上黄村が2016年12月に第4回中国伝統村落リストに登録されたことです。この村は豊かな歴史文化的背景を持つだけでなく、素朴な民俗と伝統的な生活様式も保存しています。現在、ほとんどの村民は山を下りて移住していますが、まだ数人の高齢者がここに留まり、自分たちのやり方でこの古い土地を守り続けています。 上黄村を訪れる過程で、私は歴史の重みと静けさの美しさを感じました。ここはまるで時間が逆流する場所のようで、世俗の喧騒や悩みを忘れさせてくれます。村の小路を散策するにせよ、展望台から景色を眺めるにせよ、心が晴れ晴れとし、名残惜しく感じずにはいられません。