プロ野球史上初の!『慶應幼稚舎→慶應普通部→慶應高校→慶應大学』と、生粋の慶應ボーイがプロ入りしたと、話題の廣瀬隆太氏(ソフトバンクホークス)。
そんな廣瀬隆太氏は慶應大時代、東京六大学通算20本塁打を放ったスラッガーで、これは2024年現在、阪神タイガース監督の岡田彰布氏(早稲田大)と並ぶ歴代4位ですが、ドラフト指名は3位でした。
かつて、通算23本塁打で1位の高橋由伸氏(慶應大)、22本で2位の田淵幸一氏(法政大)、そして岡田彰布氏も全員ドラフト1位指名だった事を思うと、随分と時代が変わったと思います。
また、通算21本塁打で歴代3位の岩見雅紀氏(慶應大)も、2017年のドラフト2位指名でしたから、東京六大学の人気、話題の選手も、昭和と違い随分とプロの評価が低くなったものだと感じる今日この頃。
実際、田淵幸一氏のルーキーイヤーは117試合出場、打率.226、本塁打22本、打点56で新人王。岡田彰布氏も108試合出場、打率.290、18本塁打、54打点で、こちらも新人王。
高橋由伸氏は126試合出場、打率.300、19本塁打、75打点の素晴らしい成績でしたが、明治大から中日ドラゴンズにドラフト1位入団した川上憲伸氏の、14勝6敗、防御率2,57に及ばず、新人王は逃しています。
一方、岩見雅紀氏はプロ通算5年で本塁打は僅かに1本。通算打率.147で2023年1月に現役引退。
2024年が1年目の廣瀬隆太氏も、出場試合数35、2本塁打、打率.233と、レギュラー定着とはいかず、昭和の東京六大学の花形選手の1年目とは大違いです。
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23本 高橋 由伸(慶大)
22本 田淵 幸一(法大)
21本 岩見 雅紀(慶大)
20本 岡田 彰布(早大)
廣瀬 隆太(慶大)
19本 荒川 尭(早大)
山口 高誉(立大)
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で、この東京六大学通算本塁打記録を眺めると、いつも気になるのが、19本塁打で通算6位タイの立教大,山口高誉氏(立教大選手、最高通算本塁打記録保持者)。
19本塁打タイの荒川尭氏(早稲田大)しかりですが、この上位7名でプロ入りしていないのは、この山口高誉氏だけ。
山口高誉氏はプロ入りを望まず、プロ側も山口高誉氏の体格に難色を示し、そうまでして強行指名する事がなかったので、1991年に本田技研に入社。
山口高誉氏は本田技研でも野球を続けますが、野球を辞めた後も会社を辞める事なく仕事を続け、2024年現在、本田技研のスポーツプロモーション部部長です。
ちなみに、山口高誉氏より2学年上の慶應大のエースで、『幻のドラフト1位』と伝わる志村亮氏がおりましたが、彼は頑なにプロ入りを拒否。
結局、プロ側も強行指名はなく、1989年に硬式野球部のない三井不動産に入社し、2024年現在、志村亮氏は三井不動産リアリティの常務取締役です。
というわけで、山口高誉氏と志村亮氏のプロ野球に行かなかった方の人生も、人として男として、なかなか素敵だな〜と思う爺でした。
勿論!プロの世界に飛び込んだ廣瀬隆太氏も、このまま終わらずに是非とも!大打者になっていただきたいものです。