2024年12月23日
長浜「焼鯖そうめん」再訪
琵琶湖北部に浮かぶ周囲2kmほどの小さな島、竹生島から長浜港へと向かいました。片道たった35分の船旅なのですが楽しかったなぁ〜。
長浜港には第3便に乗船する人たちで長い行列ができていました。8時50分発の第1便が20名ほどだったのに対し、11時40分発の第3便は60〜70名といったところ。定員は164人(※)なのでまだ全然余裕がありますが、休日の午後の便は避けた方がイイかもしれませんね。
※「べんてん」という船の場合。
港から1kmほど歩いて、再び北国街道までやってきました。黒壁スクエアを中心に、多くの観光客で賑わって………いませんね。何でだろ。長浜には何度か来ていますが、日中でこんなに閑散としていたのは初めてかもしれません。
湖北地方の郷土料理「焼鯖そうめん」をいただくため、黒壁スクエアの近くにある「翼果楼」という人気店に入りました。前にも紹介したことのあるお店ですが、もう17年も前の話ですからね。なぜ海無し県の滋賀にサバを使った郷土料理があるのかと申しますと、店の前を通る北国街道は、かつて小浜など日本海から京都までサバを運んでいた鯖街道でもあるからです。昔からサバを使った料理は身近な存在だったんですね。
江戸時代末期に建てられた商家を活用したお店で、店内外ともに趣のある佇まいです。丁度お昼時なので行列を覚悟していたのですが、お客さんはチラホラといった程度。運良く窓際の席に座ることができました。
17年前に訪れた時は「焼鯖そうめん」の単品(当時840円→現在990円)だったので、今回はちょっとフンパツして「お千代膳 焼鯖寿司付き」(2,300円)にしてみましょう。
鯖街道の起点となる小浜の浜焼き鯖・三輪素麺の中でもコシの強い古物(ひねもの)・地元長浜にある老舗 鍋庄商店の醤油を使用しているそうです。唯一の専門店だけあって、いろいろとこだわりがあるんですね。
「お千代膳 焼鯖寿司付き」は、焼鯖そうめん・焼鯖寿司・赤コンニャクの田楽・白和え・お吸いもの・ながは豆といった内容です。「焼鯖そうめん」を供する店は長浜市内だけでも10軒近くありますが、こちらのお店のものは味もさることながら見た目もイイんですよね。ちなみに「ながは豆」というのは、落花生を粉末状の黒ゴマときな粉で包んだ豆菓子で、長浜にある「ごまの蔵」というお店の人気商品だそうです。
焼いたサバを2日間掛けて甘辛くじっくりと煮込み、その煮汁で素麺を茹で味を染み込ませるのだそうです。しっかりと甘辛い味が付いているので、素麺でありながらお酒やご飯との相性も良し。なのでメニューには、ご飯や十八穀おにぎりが付いたセットもあります。今回頼んだのは焼鯖寿司付きのセットですけどね。サバは柔らかく、若干パサッとした感じがありながらも美味しくいただけます。
卓上にはぶどう山椒とユズ七味が置かれていました。折角なのでちょっと試してみましょう。
山椒を振り掛けてみました。ちょっと掛けすぎたかなと思ったのですが、イイ具合にパンチの効いた旨さに変化しました。好き嫌いが分かれるでしょうけど、個人的にはオススメしたいです。しかし……こうなると酒が欲しくなってしまいますね。
「焼鯖寿司」のサバは適度に脂がのっていて、「焼鯖そうめん」のサバとはまた違った美味しさがあります。下に隠れている大葉とショウガが良いアクセントになっていますね。
「赤コンニャクの田楽」には、甘い味噌ダレとケシの実らしきものが掛かっております。三二酸化鉄で赤く着色されたコンニャクですが、見た目と違ってクセはありません。しっかりとした歯応えがあり、ザクザクとイイ食感ですね。先ほどいただいた赤コンニャクは”おでん”でしたが、今回はデザート感覚でいただくことができました。どちらもイケます。