おとといに調子を崩して、昨日は何ともなく御岳渓谷を散策したが、今日も自制するつもりだったが、天気があまりにも良くて、城山の竜胆を見に行きたくなって、朝食の後九 時半ぐらいにすぐに準備をして出かけた。ただ、南武線は何ともなかったが、中央線が人身事故で遅れているようで、高尾発十 時十二 分の小仏行きバスにはとても間に合いそうにない。しょうがないので、予定を変更して高尾山口駅から 6 号路を高尾山へと登り、城山へゆくことにして、高尾駅から高尾山口駅へと出る。高尾山口駅はさすがの人手で、これで紅葉の最盛期だと一体どうなるのであろうかと思うばかりの人出である。ロープウェイはもちろんのこと列をなしている。ロープウェイ駅も紅葉は最盛期ではないが、これから良くなるであろう気配が満々である。山登りの人波を見ると 1 号路はもちろん多いが、稲荷山コースも多そうで、私が行く琵琶滝コースも人が多い。高尾山の人気は恐るべしである。高尾病院への道へ入れば、渓流の傍に吊舟草が今を盛りと咲いて、秋海棠もピンク色を見せて美しい。右手のロープウェイの路線へと日差しが当たってロープウェイの両側の紅葉がまだまだ淡いが、それなりの気配がある。さあ、琵琶滝コースへと入ろう。若い人が多いのだろう、来る人は皆追い抜かせて、渓流の白々とした音が聞こえてくる。尾根の高いところには日差しが当たって美しい。山道そのものが晩秋の気配そのものとなって、山をゆく一歩一歩に心が和らいでゆくような気持ちになる。晩秋の山とか枯木山とかは、人をそんな気分にさせるものなのかも知れない。草紅葉のような雑木紅葉を楽しみながら行こうではないか、時に芒のひと叢があり、今日は風がなくてほうけてはいる。琵琶滝の白き流れを見てゆけば、所々に紅葉の鮮明なものも見る。谷二つ橋で渡って、浅い渓流を登り詰めて、山腹を少し横方向に行って、すぐに木の階段が地獄のように延々と続くが、ミヤマシキミの花の蕾とミヤマシキミの真っ赤な実を眺めながら行けば、途中にコウヤボウキと出会う、ポツリポツリとの出会いが嬉しい。そのうちに木の階段を終了して、そこに長椅子が何箇所かあるが、ほとんど人が占領しているので先へ行こう。紫式部の実の美しい一樹を過ぎて、頂上への道を辿れば左手の山肌にコウヤボウキがたくさん咲いている。社から社からの多くの人と合流して高尾山頂へ行こう。何本かの紅葉が頂上に色を添えている。頂上標識は人が並んで順番に写真を撮っている。また、多くの人が昼食を楽しんでいる感じである。中央線の電車の中からは富士山がくっきりと見えたので期待してきたのではあるが、残念ながらもう雲が出て全く見えない。山の天気は気性が激しいのである。ここで昼食は座る場所もないので、高尾山を下りて紅葉平へと行く、階段で下りて紅葉平の茶店でなめこ汁を注文して、丹沢山塊を見つつ、おにぎりの昼食をいただこう。ここの一樹が見事に赤くなっているが、全体が紅葉するのはまだ先であるだろう。ヤクシソウの黄色い花があちこちに咲いて、リュウノウギクの一群れがきれいに咲いている。シラヤマギクも咲き残りであろうが、あちこちに見かけた。アキノキリンソウの咲き残りも見る。ノアザミも結構あちこちで見かける、ガマズミの赤い実もたわわにつけた木を見かける。紅葉平からは一丁平へと今日は脇道を通ることなく、高尾山の縦走路を歩いて行こう。こちらへ来るとさすがに高尾山の喧騒はないけれども、今日は平日だったはずという感じの多さなのである。紅葉平らからの下りは、芒と草紅葉を分ける登山道をひたすら下る感じである。下るところまで降りれば、一丁平の登りとなる。青空が少しずつ雲が増えていっているという感じで、山の天気は分からない。一丁平にも紅葉の早い木があり写真へと収める。一丁平を降りて、城山へとまた登って行けば、曇天となって城山から関東平野を一望すれば関東平野は日が当たってるようだが冬霞でよくは見えない。山頂の紅葉も少し色合いが良いけれど、曇天となってしまったのでイマイチである。山頂のアワコガネギクの黄色がとても鮮やかである。そこからは林道を下って行こう。見ればフユノハナワラビが一本咲いている。そして、リンドウが左手の山肌のあちこちに咲いている。これを見に来たのである。思った以上に咲いているのでとても満足です。見つけては満足、見つけては満足です。さあ、あとは下るだけです。シラネセンキュウを見て、アズマヤマアザミの咲き残りを見て、イヌショウマの咲き残りを見て、林道入り口のキツリフネを見て。十四 時四十分発のバスが出る日影バス停に着きました。今日は四 時間の山歩きでした。
ありがとう、高尾山系。
ありがとう、竜胆。