ホリデーシーズンにつき、クリスマス・ムービーを紹介しています。

何度も映画化された『若草物語』ですが、こちらが圧倒的な素晴らしさを誇っています。

そして、個人的にも全ての映画のなかで、ベスト10に入る1作品でもあります。

 

『若草物語』(1933)
監督 ジョージ・キューカー
共演 フランシス・ディー(長女メグ)、ジーン・パーカー(三女ベス)、ジョーン・ベネット(四女エミー)
撮影 ヘンリー・ジラード


【あらすじ】
父を南北戦争にとられ、母一人に娘四人で家を守るマーチ一家の悲喜こもごもの春秋を、四人四様の成長と共に語っていく。
次女ジョーはお転婆で物語作りの名手、長女メグは反対に淑やかな良妻賢母型、三女ベスは音楽を愛し心優しい病弱な娘、四女エミーは気位の高い現実家で絵が上手。
隣家の富豪の孫ローリーはジョーに恋するが、彼女はそれを振り切ってニューヨークへ…
※ラストシーンは、クリスマスの日となります。

 

女性映画の巨匠ジョージ・キューカーによるキャサリン・ヘップバーンの作品の1つです。


次女ジョーをキャサリン・ヘップバーンは演じているのですが、お転婆さをまといながらも、ところどころで優雅な仕草が入ることで、ジョーが自己主張が強い一方で、柔らかい性格を感じさせる存在となっています。

他にも、大仰でベタな演技になりかねないようなシーンであっても、キャサリン・ヘップバーンがやると、演技っぽさが消え失せます。
そして、そこでのキャサリン・ヘップバーンの心の動きに思わず笑みがこぼれてしまうのです。


キャサリンの口が大きく顔の表情が他の女優より、ずっと印象づけるからかもしれません。


 


 

淀川長治は以下のように述べています:
 

どうして彼女の両手の使い方から体の動きがこうも美しいかと思ったところ、彼女は舞台に野心をもったころ、マイケル・モードキンにバレエの手ほどきを受けていたのだそうだ。
なぁるほどと思った。

 

体はゴツゴツしているけれど、羽毛のようにしなやかで軽いのね。
手をどこに置いたらどんな感じにみえるか、脚をどう組んだらどんな感じにみえるかも、ちゃんと頭の中に入っている。
だから、この人のとるポーズはいつもきれいで、きれいで、きれいで、惚れ惚れとする。

手も足も、指も口も、全部使って演技する。

そう、彼女は首筋だけででも芝居できるのね。
たとえば、男が後姿を見てるのを知っている首筋、っていうのがある。
彼が見てる、私を見てるわ、っていうときの女の心情が首筋だけで出せるの。
そういう感覚がすごいね。本当の、本当の名女優でした。


無論、キャサリン・ヘップバーンがメソッド演技とは無縁なのは言うまでもないことです。

 








『若草物語』が1949年に再度映画化された際に、主演を演じることになったジューン・アリソンが、過去のフィルムを取り寄せようとしたところ、映画会社から「絶対に観ないように」と厳命されたそうです。
それは、キャサリン・ヘップバーンの名演技にジューンに染まると困るからだったそうです。

キャサリン・ヘップバーンは自伝でこのように振り返っています:
 

なにもかもが、満足のいく出来栄えだった。この映画に出られたのは本当に素晴らしかった。
ジョージ・キューカーの演出は完璧だった。彼はみごとに雰囲気をとらえている。
私にとっても、青春時代の記念碑となる作品。


 


 

1995年2月に、生まれてはじめてパリへ行ったときに、パリの「ぴあ」のような雑誌で、ある小さな映画館で"Little Women (Cukor)"と英語で書いてあるだけで、これはジョージ・キューカー作品で、何の話か全く分からないけど見る価値があるに違いないと思って、観たときの感動は一生忘れないでしょう。

 

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