アンテナ展開(7)自宅アンテナ・諸々の検討事項(中間報告)

 自宅アンテナの本番設計は、途中で停滞しています。というのは、家の構造物の素材及びその取付仕様を細かく見ていきますと単純なモデル化や教科書での安全基準をそのまま適用しただけでは、本当の安全設計とはならず、安心して運用できないことが、だんだんとはっきりしつつあるのです。

(一般論)
 今から20年以上昔となるアパマン運用時代には問題は表面化しなかった、アパート/マンション等の建物筐体に繋がる金属体へ無線機からの給電ケーブルの片側を接続して、それをアンテナの一部として高周波電力を供給することは、現在のハイテク化された宅内設備環境では、危険な行為であると言えます。 

 それに対応するべく、建物内にある電子制御関連設備全てに影響がないか?の安全基準を設けるべき時代となったと思っています。
※ 現HEMSシステムでは、家庭内主電源ブレーカー機器自体、電子制御対象として家庭内LAN経由にて、その情報をHEMSシステムに取入れています。そして、買電、売電の制御と連携しています。

 それとは別ですが、今は、電波防護指針がアパート/マンションの(50Wを超える)固定局にも適用されます。こちらは、人体への影響だけを取り扱っての話です。これも建物アースをアンテナ設備だと見なすと同一建物に同居している隣接住民の方々に対しての十分な安全を確保することは、難しいのが本当のところです。
もちろん、バルコニーから突き出した近接アンテナからの放射も上下階や左右隣の方には同様に問題です。
※ この事実が一般の方に広く認知されますと今後は、アマチュア無線の運用自体がマンション組合等の規約で禁止されることも十分考えられます。

(具体事例)
 自宅の具体例でいうと、前回の展開(6)で実施した屋根下地の木材部分の耐電圧検証について、屋根先端部の構造について私の理解不足が判明しました。
 その一番の部分は、アンテナ支持金物{TVステー支線止め金具}は、屋根の先端部(建築用語では、「鼻隠し」という。)は、前回対象にした垂木の先に厚さ30~40㎜程度の木板で家の屋根先端周りを一周する形で取り囲み保護しています。
 ※これだけならば、耐電圧層の厚みが増すため、安全な方向になるのですが....。

 この時に、耐電圧で問題となった部分は、この鼻隠しは、さらに「水切り」のために薄い鋼板で、やなり屋根先端周りを一周しているのです。アンテナ支持金物は、その鋼板を貫いて、2本の木ネジ様の太い金物で先の鼻隠し木板に固定されていることが判明しました。
 ※現物を外観から見てもその内側は確認はできません。工事関係者からの聞き取りからです。
 
 このことから、各アンテナ支持金物は、アンテナ支線経由ではなく、水切り用鋼板で、水平ループ状態で導通していることが考えられます。

 さらにこの鋼板とほとんど密着する形で、すぐ上には、屋根自体の水切り鋼板(昔なら、トタン板での雨じまい処理)がこれに被さっています。

 また、屋根の2か所(南と東)だけですが、太陽光パネルを瓦代わりとして固定する基礎になる鋼板が、アスファルトルーフィング上に設置していることも判明しました。

 これらをMMANAでワイヤーモデル化することは、もはや不可能とも言えます。

 また、建物の壁を支える縦柱と水平梁のH鋼とは、工事現場における現物同士の対比比較だと、それらの大きさ規模が違っていて、今までのモデルだとどちらも50㎜口径の鉄パイプで摸倣していましたが、水平梁だとその倍の100㎜口径の鉄パイプと考えても十分だと見直しつつあります。

 ※銅やアルミと違い、鉄材の場合は電気抵抗損失が大きいため、細い部材だとアンテナとした場合の絶対利得が大きく減少します。ですから、絶対利得の計算値が現実以上に悪くなる場合があります。

 各部材については、未だ、いろいろな情報と照らし合わせて見直している状態です。それと近くの建築中の現物を工事現場近くの場所から観察しながら、実際の工法とそれに適合できる電気的な安全基準を勉強中のところです。

 ※耐電圧の安全確保は「建物アース」の絶対条件です。一度絶縁破壊で通電しますとその部分の炭化が進み、さらなる低電圧でも通電してしまい、最終的には、その部分から発火する怖れがあります。その具体的例は、埃の炭化によるコンセント端子間がショートした発火事故です。
  

この記事へのコメント

ラベルリスト

最近のコメント