(高角度)八木ビームアンテナ6m高モデルの試行設計:狭間隔3mSモデル例

 前回までは、2エレメント両方への給電方法で試行錯誤したのですが、それと並行して、片側給電方式の八木アンテナでも、いくつかモデルを試行しています。

 最初は、今回モデルのような導波器の理論で最大F/Bとなる間隔での試行をしています
 ただ、本来の八木アンテナのメリットである位相給電アンテナよりもエレメント間隔が狭くてすむはずの、このモデルでは、6m高の場合だと、理論どおりの高F/Bでは動作できませんでした。

 この後の性能改善では、純対称位相給電アンテナのベストモデルよりも広いエレメント間隔が無いと利得やF/を向上させることができませんでした。

 八木モデルでも最終形は、ビーム方向前後を電気的に入れ替えできるモデルとしたいと考えていますが、反射器と導波器では、適正なエレメント間隔にかなりの違いを生じます。それの解決する方法は、まだ見つかっておりません。


(本論)
1.アンテナ定義
YAGI40_6mH_3mS_FB_010.PNG
エレメント間隔は、3.164m(0.0748λ)と前回の位相給電の最終モデルの半分近い値です。

2.アンテナ形状と電流分布
YAGI40_6mH_3mS_FB_020.PNG
 地表ラジアルは原点位置です。各エレメントの中間位置ですから、放射器から真上に上がる放射成分への効果は少ないです。しかし、前回の位相給電モデルとの対等に比較するために今のところ、この位置に置いています。
※ 今後、利得等追及の場合には、変更する場合があります。

3.計算
YAGI40_6mH_3mS_FB_030.PNG
No.6は、自由空間の場合で、相対利得Gh:2.38dBd、F/B:6.53dBは、とてもビームアンテナと言えない性能です。

No.7は、都会地の大地で、Ga:5.25dBi、F/B:10.06dBは、ビームアンテナ特性を得ることができています。

No.8は、都会地+5m×12本の地表ラジアルをエレメント間の中間位置です。今回目標になる、この動作における絶対利得Ga:6.31dBi(仰角:48.7°)と水平DPの6mHの同仰角のGa:6.72dB(真上方向Ga:8.4dB最大)となり、最大利得となっている仰角50°付近でもDP単独動作にとどきません。一方、F/Bは11.64dBとNo.7よりは少しですが、改善できました。
※地表ラジアル位置の違いの影響が大きいと予測しています。

4.パターン
YAGI40_6mH_3mS_FB_040.PNG
 No.83のパターン図です。主ビームの仰角は、48.7°と結構低角度になりました。F/Bに関係する後ろ方向の放射は、もっと抑える必要があります。
 それと問題は、Z=13.625-0.445(Ω)と給電点インピーダンスが低下していることです。これを50Ωに持ち上げるためのマッチング回路により、周波数帯域特性は狭帯域となります。

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