急にスピーチを求められたとき(河瀬大介)

急にスピーチを頼まれたら、思いがけないことであり、覚悟もできていないのでどぎまぎしてしまいます。

できれば断わって、聞き役専門になりたいと思うかもしれません。

しかし、司会者が独断でスピーチを依頼することはまずなく、前もって新郎新婦との打ち合わせがあるものです。

だれか他の人にスピーチを頼むとすれば、だれそれにお願いしたい、というようにおおかたの見当をつけておくものです。

つまり、それだけ信頼され、親しみをもたれているということです。

ここはぜひ、先方の意向に応えてお祝いをのべてあげたいところです。

妙にもじもじと尻ごみするのは見苦しいもので、大人の態度として感心できません。

いさぎよく立って、ふたりを祝福する言葉を、へたでもいいのですから、心から贈るように心がけます。

河瀬大介

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結婚式のスタイル

結婚式には神前・仏前・キリスト教式など、さまざまな形式があります。

近ごろは、友人や知人を証人として行われる人前結婚式や二人だけであげる結婚式など、新しい形の結婚式も流行しています。

昔の結婚式は、嫁入りなら新郎の自宅で、婿入りなら新婦の自宅で行う習わしがありました。

今日では、結婚式を挙げる半数以上のカップルが、神前結婚式の形式で式を行っています。

神前結婚式といっても、宗教的な意味合いよりも、日本人の祖先である神の前で挙式するという、しきたりとしての意味合いのほうが強くなっています。

自分の信仰する宗教にあまりこだわらず、神前で挙式する人もかなりいます。

信仰を持たないのに結婚式だけ神や仏の前で誓うのは無意味だとして、新しい趣向を取り入れたアイディア結婚式が、若いカップルの間では好まれる傾向もあります。

しかし、結婚式はあくまでも人生における最も厳粛な儀式であることには変わりないのですから、あまり度を過ごした趣向のものになってしまっては感心しません。

どんな形の式をあげるにしても、要は多くの人に喜んでもらい、祝福され、二人の愛を誓い、新しい人生の門出を祝うにふさわしいものが盛り込まれていればいいわけです。

式場では式の始まる前に、係員が新郎・新婦の控え室で、それぞれの式に合った席次や式次第など説明しますので、要点を覚えることができます。

式中で指輪の交換をする時は、係員に指輪を渡しておきます。

河瀬大介

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寝具(河瀬大介)

寝具類は、嫁入り道具として新婦側で用意するのが一般的です。

ベッドにするのか、布団にするのか、二人の好みや新居のスペースや間取りなどを考えて、整えます。

自分たち用に一組、来客用に一組あれば、当面は間に合います。

枕・枕カバー・シーツ・毛布など、布団に付随するものも、必要な枚数を忘れずに用意し、できれば多目にしておくと便利です。

新郎側にもふつう、一組か二組程度の寝具の準備はあるものです。

新郎側とも相談し、また、泊まり客がどれくらいありそうかなども考えて、組数を決めるといいでしょう。

ベッドの場合は、ベッドパッドやスプレッドも忘れずに用意します。

河瀬大介

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よく知る人の仲人を依頼された時

本人やその家族をよく知っている場合の依頼は、親しくしているというだけで安請け合いしないのが賢明です。

相手の依頼が真剣なものかどうか確かめることがたいせつです。

「いい人がいたらよろしくお願いします」といった程度なら、一応その場は軽く受けておいて、本人の履歴書、家族書、写真などを用意するように促します。

後日、履歴書などを持参してくれば、依頼が真剣なものであることがわかりますから、そのときはこちらも真剣に応じるように心がけます。

よく知っている相手でも、実際に詳しくその人のことがわかっているわけではありませんから、話し合って、相手の希望や意向を聞いておくことがたいせつです。

本人が縁談の相手に望む具体的な条件をメモし、いったいどんな結婚、どんな相手をイメージに描いているのか確認しておきます。

また本人自身についても、趣味、人生観、将来の生活設計の夢など、できるだけ詳しく知っておく必要があります。

河瀬大介

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宛名の書き損じは必ず書きなおす(河瀬大介)

昔の人は、手紙のなかで文字を間違えると、書き損じといいました。

もう一度はじめから書きおなすため、貴重な巻紙を損するという意味が含まれていたのでしょう。

手紙は、その書き方で人格がわかる、といわれるくらいです。

誤字、書き損じの多い手紙は、その人の教養を疑われても仕方がありません。

結局損をするのは自分なのです。

手紙の文章のなかで多少の書き損じは許される場合もありますが、宛名の部分の間違いだけは、些細な間違いでも小細工を弄さず、絶対に書きなおしてから差し出します。

なお、官製はがきは書き損じたものを郵便局へもっていくと、新しいものと交換してくれます。

ただし、はがきは5円、往復はがき、郵便書簡は10円の手数料がいります。

河瀬大介

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根も葉もないウワサをたてられたら

事実を書いた文章を関係者に送りましょう。

団地や公営住宅など狭い場所に、密集しておおぜいの人間が住んでいますと、えてして個人を中傷する根も葉もない悪質なウワサが流されるものです。

芸能人ですと、事実とちがったウワサでも一種の有名税と割り切られ、ときには宣伝効果があるため、ワルグチ、スキャンダル大歓迎という場合さえあるそうです。

しかし、ふつうの家庭で、名誉を傷つけられるようなウワサをたてられてはかないません。

ウワサなど相手にしないのが利口とされていますが、どうにも我慢できないときは、ウワサを流したと思われる人、流されている範囲の関係者に事実を文章にして送りつけます。

ときには裁判沙汰も辞さないような態度を示すことです。

河瀬大介

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子どもを預けるときは(河瀬大介)

子どもを預けるときは、先方の子どものおやつも持っていきましょう。

母親がカギをかけて外出したために、幼い子どもが火事で焼け死んだという痛ましいニュースを聞くことがあります。

近所に互いに預けたり預かったりできる家があると助かります。

子どもを預かってもらうときは、帰宅の時間をハッキリ伝え、先方に子どもがいれば、そのぶんのおやつも持ってゆくとよいでしょう。

預かった側ではケガに注意し、食事やおやつは自分の家の子どもと同じように与えます。

でも、悪いことをしたら遠慮せずに注意します。

わが子もよその子も、悪いことは悪いと叱るのが、おとなの子どもに対する義務です。

わが子を叱られた母親も「ありがとう」と感謝できる心がまえを持つことです。

河瀬大介

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正式の挨拶は下座でする

訪問して、客と主人が最初と終わりに交わすお辞儀は「真」が正しいのですが、一般には「行」の程度でよろしいでしょう。

襖をあけてかるく会釈をしたら、ひざでにじって座敷にはいり、襖をしめ、下座、つまり床の間に遠いほうにひかえて主人と正式の挨拶を交わします。

茶の湯の場合は、あとで述べるように、そのまえに床の間を拝見します。

にこやかな挨拶のお辞儀は、はじめも終わりも、「行」か「草」で行なってけっこうだと思います。

手土産を持っていった場合は、正式の挨拶のときに出すのがふつうになっていますが、最初に玄関で渡してしまったり、帰りぎわにさりげなく出すというのも、かえっていい場合もあるのではないかと私は思います。

河瀬大介

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襖は、柱に近いほうの手からあける(河瀬大介)

まずあけようとする襖の正面にすわり、柱に近い取っ手に手をかけて、掌(てのひら)のはいる程度にすこしあけ、その手で下から30センチぐらいのところをもって中央まであけ、べつの手で残った部分をぜんぶあけます。

使わないほうの手は、ひざの上におくか、ひざ先に指を畳につけるような気持ちで、かるく斜めにそろえてもよろしいでしょう。

しめるときはこの反対にします。

このようにして襖をあけたりしめたりするのは、いちばんていねいな方法です。

親しいお客さまの場合や、ふだん家庭では、客側にお尻を見せないようにして、斜めに中腰の姿勢で二度ほど手をつかって、ごく自然に、美しいかたちであけるとよいでしょう。

河瀬大介

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靴のぬぎ方について

自分の履物は、上がってから、外に向けなおすのが常識です。

ずいぶん以前のことになりますが、ある新聞社から、「靴のぬぎ方について」という質問を受けました。

だいたい人前で靴をぬいだりはいたりすることは、欧米人の生活にはないことです。

このように、欧米風の作法にも、日本古来の行儀にも含まれていない行為が、現在の私たちの生活には多いものです。

さて、靴に限らず、履物すべてのぬぎ方は、上がるほうに向かってぬぎ、敷台の上から手をのばして、向きをなおします。

ぬいだ履物を置く場所は、正面をさけて脇に置くのがいちばん自然でしょう。

お茶の作法にある、露地草履に体をのせて茶室のにじり口から上がることの応用です。

河瀬大介

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