愛に恋

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年  村上 春樹

昔、あれは20代の中版ぐらいだったが、男3人、女2人でよく遊んでいた。ドライブ、海水浴、花火大会にと本当に愉しかった。5人が上手く付き合っていけたのも、私とひとりの女の子が付き合っていたからで、流れ解散のようになってしまった原因も、私たちの破局から男だちだけの付き合いになってしまった。それと同じようなケースが、この本の主題のようになっている。ただ違うのは、本書にあるような5人が絶対的な親友どうしであったかというと、さに非ず。思うにこの本は隙のない完璧な小説ではなかろうかと思う。物語は多崎つくるの一人称と主観で進行し、あまり会話がない。深層心理や情景描写などでかなり時間がかかってしまったが、さすがに村上春樹という人は物知りだね。私としては総じて高得点を与えたい本だったが、どういう訳か殺人事件の犯人や、多崎つくるの恋愛成就は相為ったのかどうかは、結果が書かれないまま終わらせてしまっている。これで良かったのかどうか、私には判らない。

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