ロバート・ダウニー・Jr演じるハンク・パーマーは、金の為なら正義にはこだわらないヤリ手の弁護士。相手の弁護士になじられても全く気にしません。この辺りは、ロバート・ダウニー・Jrのしぶとさが出ていて笑えます。
ところが、生まれ故郷の裁判官でもある父親が殺人の容疑で起訴されます。
ハンクと父親は過去の成り行きから絶縁状態にありました。
そんなギクシャクした中で、ハンクは父親を弁護するところまでこぎつけます。この時点で、既に親子は歩み寄っているのですが、表面的には弁護するハンクと弁護される裁判官である父親のプライドがぶつかり合います。
ハンクは父親の無罪を目標とし、父親は真実にこだわります。
ハンクは父親に認めて貰いたくて、弁護士になったようなものです。
しかし、父親はそんなハンクの気持ちを理解しません。
ですから、弁護をしようにも、ハンクの思い通りにはなかなか進みません。
その上、代理人として依頼した若手弁護士のあまりの無能さに、ハンクはジレンマに陥ります。
この若手弁護士が実にイイー味出してます。
ハンクと若手弁護士のボケとツッコミに注目です。細かい所で、小技が効いてます。
終盤の法廷シーンでは、ハンクは心を鬼にして、父親の真実を暴きます。
裁判官としての父親のプライドを破壊してでも、ハンクは父親の無罪を勝ち取りたいのです。
ロバート・ダウニー・Jrの抑えた演技と迫力が、父親に対するハンクの深い愛情と、自らが暴かなければならない耐え難さが伝わってきます。
このラストシーンは何度観ても泣けてきます。