【ローズマリー】トスカナブルー

ローズマリー・トスカナブルーが咲いたので、サイトのほうに育て方や特徴などをまとめたページを作成しました。
【参考記事】:ハーブ図鑑/トスカナブルー

こちらがようやく咲いたトスカナブルーです。
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ローズマリーとしてはオーソドックスな雰囲気になりました。

サイトのほうに詳細をまとめていますが、簡単にトスカナブルーに関しておさらいしてみます。


【トスカナブルーの性質】
トスカナブルーは、大型の立性の品種となります。
香りが良いため料理用に好まれます。
素直に上に伸びやすいですが、その分、剪定や摘心を行わないと脇芽・脇枝が増えません。
同じ大型のマリンブルーよりは横幅は取らず、暴れにくい様子です。


【トスカナブルーの特徴】
香りは他の品種と比べると華やかで、やや甘みがあります。
葉は他の品種より幅広なのが特徴です。ただしレックスほどの幅はありません。
花はオーソドックスな薄紫で、他の品種と比べると花の下花弁の縁のギザギザがほとんどありません。
※幅広の葉と、丸っこい下花弁はトスカナブルーの特徴かと思います。


【トスカナブルーの生育環境】
日当たりと、水はけ・通気性の良い土質を好みます。
暑さには相当強いです。
一方の耐寒性ですが、一般的に言われているよりはあるようです。
※これに関してはこの記事で後述します。


【開花に関して】
開花に関しては、他の品種と比べると苗を入手してから初めての開花まで時間がかかります。
3年くらいは気長に待つ必要がありそうです。
※料理用に収穫をしている場合、花のつく若い枝を切ることになりがちなため、花は咲きにくくなります。


【剪定に関して】
まっすぐ上に伸びる性質ですので、剪定しないと枝が増えません。
この時、あまり先端で剪定すると上の方で枝分かれし、頭でっかちになってしまいます。
また、枝が増えた重みで枝が垂れ、曲がってしまいがちです。
枝を増やして伸ばすようにしたい場合は、できるだけ株の下の方で剪定します。
この時、切った部分の直下の芽が育ちますので、切る部分の下に元気な脇芽を残すようにします。

なお、花が咲いた場合、花を放置していると花ガラの隙間や根元にアブラムシが発生しますので、花穂の残りも摘み取るか剪定して取り除きます。


【虫や病害虫について】
性質は頑丈で、葉に関しては虫はつきにくく、うどん粉病や各種のカビはつきにくい傾向にあります。
根に関しては、土壌に菌が入り込むとやられることがあり得ます(腐朽菌・キノコ系の菌、根腐れ系の菌など)。
養分が少なく、排水性の良い土質で育てれば問題は起こりにくくなります。

万が一うどん粉病が発生した場合、初期であれば汚染された枝や葉のみを取り除けば回復しますが、枝や葉を石鹸水で何回か洗うことも有効です。
すぐに食用にしない場合は一考の余地ありです。
生育スピードが速いので、バッサリ剪定して病変部を一掃することでも回復の可能性はあります。


【トスカナブルーの耐寒性について】
トスカナブルーはローズマリーの中では耐寒性が低い方とされますが、一般的に言われているよりは耐えられます。
※トスカナ地方自体、やや山間の地方となり、場所によっては霜や雪が降る地方です。
大体-5度が限度と言われますが、苗を入手してすぐの冬に-5度は確かに厳しく、葉が黒く変色して元気をなくします。
※枯れさえしなければ春になると回復します。
最初の年だけは薄い不織布や白の寒冷紗などで軽い防寒を施すと良いです。
二年目以降は防寒しなくても大丈夫です。
連日ではなく、冬に数回-5度を超す程度であれば無問題です。
二年目以降のある程度寒さに慣れた株であれば、一日二日突発的に冷え込んで-8度くらいになっても耐えてくれます。
※純粋なトスカナブルーの場合

※このブログの管理人サイトに詳細ページがあります。
【参考記事】:ハーブ図鑑/トスカナブルー





もう一つ、トスカナブルーの耐寒性について追記します。
いわゆる【トスカナブルーをベースとした雑種】である可能性の高い苗について記述しますと、こちらの耐寒性はかなり高い場合があります。

日本でメジャーなローズマリーというと、トスカナブルーとマリンブルーがあります。
これらが交雑した実生苗などの場合、マリンブルーの影響なのかかなり耐寒性が高くなります。

管理人が育てている正体不明の品種がどうやらこのタイプらしく、寒冷地(年間において数回-15度よりも冷え込む場所)の冬を薄い不織布一枚の防寒だけで乗り切っています。
純粋なトスカナブルーにはかなり厳しい温度のため、マリンブルーとの交雑種の可能性が高いと判断しています。
葉がわずかに幅広であること、母の下花弁の縁にギザギザがないこと、花の色が薄紫であること、葉の香りにかすかな華やかさがあることからトスカナブルーがベースの系統であることは確実ですが、トスカナブルーよりも横幅が出ていること、やや枝が暴れていること、頑強さでは純粋種を上回ること、とにかく耐寒性が高いこと、他幾つかの特徴から、トスカナブルーとマリンブルーの雑種と判断しました。

大型の立性品種ではほかにレックス・ゴリジアなどが挙げられますが耐寒性が弱いため、これらとの雑種ではなさそうです。
これらとの雑種の場合は逆に耐寒性が弱くなる可能性も考えられます。