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以前の記事を修正して再掲載します。

 ねこねこです。松本サリン事件から今日で28年が経過しました。当時、事件現場となった住宅地に住んでいた方が疑われ、警察のリークとマスコミ報道の過熱から、あたかも犯人のように扱われ、一般市民からも攻撃を受けました。ねこねこは何が起きたのか理解できず、唯々恐ろしい事件だと思っておりました。

ここでは、当時文藝春秋社が発行していたある雑誌の記事を紹介したいです。まず、一連の出来事の時系列を示します。

◆時系列
①1994年6月27日 長野県松本市の住宅地でサリンが撒かれる。「松本サリン事件」
②1995年2月1日   マルコポーロ掲載 緊急特集「松本サリン事件は、テロリストの犯行だ。」MARCOPOLO 5巻2号 文藝春秋社
③1995年3月20日 現在の東京メトロで営業運転中の地下鉄電車内でサリンが撒かれる。「地下鉄サリン事件」

マルコポーロの記事内容
 文頭に示したのがマルコポーロの表紙です。モデルは稲森いずみさんです。連続ドラマへのレギュラー出演が25年連続となる大物女優も、この頃は初々しいですね。

文藝春秋社は松本サリン事件について米国生物化学兵器研究所の副所長であるKyle B. Olson(カイル・オルソン)氏に来日してもらい、現場で事件の分析を行ってもらっています。

以下は記事の写真と対応する文章の抜粋です。
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死者七名を出した松本のサリン事件は、半年を経た現在も解決をみず警察の捜査は難航している。それというのも、日本にはサリンを実際に扱える専門家がいないからである。警察は完全に初動捜査を誤り、事件はうやむやのうちに忘れられようとしている。そこでついに、米国生物化学兵器研究所副所長のオルソン氏が事件の解明に乗り出した。事件現場を徹底して歩き、第一通報者河野義行氏との会見は二時間半にも及んだ。オルソン氏は警告する。「事件はもう一度起こる。これをやった人間は『次はもっと大きな舞台でやってみせる』とほくそえんでいる」と。
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 日本では、第一発見者の河野義行さんが、ほとんど容疑者として扱われているようですが、この事件の本質はそんなに単純なものではありません。これがアメリカであれば、すぐに軍が現場を封鎖するとか、CIAやFBIが事件の解明に乗り出すことになる。あるいは、一週間以内に私のような専門家が派遣されているはずです。これは国家安全保障上の重大な失敗と言わざるをえません。

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河野さん、あなたと家族の皆さんはモルモットにされたんです。


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犯人たちは、次はもっと大きな舞台で、大きな悲劇を起こそうとしているのです。

無題

 そして、マルコポーロの発刊の翌月3月20日にオウム真理教は”地下鉄サリン事件”を引き起こしたのです。内戦が起きているわけでもない先進国の首都が神経ガスによって攻撃されたのです。

 無関係な人間をスケープゴートにして、肝心な捜査が疎かになり、海外の専門家に助言を求めるでもなく、さらに一般の雑誌記事でリスクが警告されているにも関わらず、当時の日本政府は第二のサリン事件を防げませんでした。

では、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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