【感想】アンデッドアンラック 24巻 ランゲージ戦決着!そして次の舞台はステージ!(アイドル)
あらすじ
絶対理(マスタールール)・言語(ランゲージ)戦ついに決着! 幾多の言葉を紡ぎ最後に立つのは!? そして、風子達の次なる任務はアイドル!! そこで出会ったのは意外な人物で? 否定者集めも超佳境!! 辛い運命を乗り越え、全ての否定者と最高の未来を紡げ!!
bookwalker作品紹介より
というお話です。作者は戸塚慶文さんです。
登場人物
出雲風子:『不運』の否定者。この巻では自身の存在をかけて重要なミッションに挑む。
ランゲージ:『上位十理』の第8席。言語を司る。個人的に上位十理の中で一番好き。結果論ではあるが、この辺に登場したキャラが一番掘り下げが深い。
ニコ:『不忘』の否定者。ランゲージとのバトル中に能力に覚醒。その圧倒的な知識量でランゲージと戦う。
イチコ:『不眠』の否定者。一回死んで生き返った。明らかなサポート勢にも戦闘で見せ場があるのがこの漫画の面白いところ。
ファン:『不老』の否定者。セクシー。自分にとって都合のいい造語を必殺技名として即興で生み出すという、しりとりのゲーム性を破壊する奥義の使い手。ええんかそれ。
楓:とある秘密を持つ女性。バック・トゥー・ザ・フューチャー。
感想
ランゲージ戦決着!!そして次の舞台は伝説のアイドルとライブ会場!!
はい!というわけで、今回紹介するのは『アンデッドアンラック』の24巻です!
本誌の連載はもうそろそろ終わるかなというところ。単行本勢的にはまだまだ楽しめる部分がたくさん残っていますので、今後も楽しみですね。次の25巻が2月に発売とかいう加速っぷりが、あぁもうすぐ終わるんだなという感じでちょっと悲しみ。
ではいってみましょう!
宇宙規模の破壊力
不忘の能力に目覚めたニコがイチコとファンを蘇らせ、反撃を開始。
戦いの中で世界の秘密を聞き出してみたりしながら、ついに追い詰められたランゲージが放った言葉は『Supernova explosion(超新星爆発)』です。超新星爆発。それがどれほどの威力を生み出すかというと。
超新星爆発が発生すると、強烈なガンマ線が周囲に一斉に放たれる。このガンマ線の威力は凄まじく、超新星爆発を起こした恒星から半径5光年以内の惑星表面に住む生命体は絶滅し、25光年以内の惑星に住む生命体は半数が死に、50光年以内の惑星に住む生命体は壊滅的な打撃を受けるとされる。
半径5光年以内の惑星表面に住む生命体が絶滅するレベルのガンマ線が放たれるそうです。ちなみに1光年は約9兆5000億kmらしいのでその5倍の距離までは確殺です。
こんな言葉が出てくるのも全ては『UMA 銀河』の存在あっての事です。どう考えても銀河が最上位種のような気がしてなりません。
まぁ『変化』だの『死』だのという概念系が強いというのは能力ファンタジーでのお約束かもしれませんが、宇宙なめんなよという感じ。
もうこの規模で言えばサンとかルナとかクソザコもいいとこだと思うんですけどね。特にルナ。たかが衛星のくせに最強格ぶるとか生意気。まぁそれを言うとセーラー戦士激おこですが。
さて。この地球とか余裕で粉砕出来る破壊力の攻撃を前に、動揺する事もなく落ち着いた感じのニコ。
一休さん風の姿で何やら考えまして、1つアイディアを閃きます。この辺も、読んでる限りではもう確実に詰みの段階に入っているのでなんとなく読んでしまう感じで、なんとなく読んでいると何をしているのかよくわからなかったりします。
ここでニコは『超弩級組織最終兵器対神波動砲魂改(スーパードレッドユニオンリーサルウェポンスペリオルバスターソウルカスタム)』を生み出します。
生み出しますが、これはしりとりとは関係ありません。これはニコが2ターン目に生み出した『Science(科学)』をイメージでさらに強化した姿であり、既存のイメージの流用です。
なのでランゲージに『もはやしりとりで上回る事を捨てたか』と言われます。しかしいくら強い兵器で『改』だったとしても、やはりそれだけではサンを倒す事は出来ません。
この(略)砲を使って、サンが爆発を起こす前にその範囲外まで吹っ飛ばそうとしますがそれも無理。仮にもし地球外まで吹っ飛ばしたとしても何の意味もない程の破壊力。
しかし。ここでニコがさらにしりとりで追加。
ニコ スペイン語語尾選択『explosión de supernova(超新星爆発)』→『agujero de gusano(ワームホール)』と繋げます。
これにより、サンを押し込む『穴』を出現させ、しかもその行先は上位十理のいる円卓のある亜空間。
これなら、押すだけでも勝手に上位十理を爆破出来る。この状況を見てその脳裏に負けのイメージがよぎってしまうランゲージ。
それをきっかけにサンのパワーが弱まったのか、これまで足も浮かなかったサンが宙に浮き、そのままワームホールに向かって押し込まれていきます。
知力を尽くした戦いの果てに辿り着いたのはバトルマニアの脳筋理論。負けと思った方が負け。
力の弱まったサンをワームホールの中にある上位十理のいる亜空間に押し込み、ワームホールが閉じその中でサンが爆発。自らが作ったイメージが破壊された事によりその反動を受け瀕死になるランゲージ。
もし次のターンでランゲージが自分を回復しようとするようなイメージを出すつもりなら、ここで確実にトドメを刺させてもらうがまだ続けるか?というニコの問に
「当たり前じゃない。このゲームを46億年……ずっと楽しみにしてたんだもの」
と答えるランゲージ。個人的には、形はいびつであるもののこれも愛ではないかと思います。
先約がすでにいたのが残念ではありますが。
そして。ランゲージにトドメを刺すためにニコが次の言葉を紡ぎます。
ニコ リトアニア語追加『kirmgrauža(ワームホール)』→『Aradvaras(アラドゥヴァル)』となりました。
アラドゥヴァルというのは、これでスペルが正しいのかもよくわかりませんでしたが、ケルト神話の太陽神ルーが持つ4本の槍の1つ……らしいです。詳しくはわからなかったです。
そして、この言葉を受けて最後のランゲージの言葉。
ランゲージ 『Aradvaras(アラドゥヴァル)』→『sántuoka(結婚)』となり、最後に日本語訳で『ん』がつく言葉を選んだランゲージがルールでの負け。となりました。sántuokaはリトアニア語。
これにてランゲージvsニコ&イチコ&ファンのしりとり対決は終了となり、ランゲージからニコとイチコの指に結婚指輪が送られる事となりました。
ランゲージのエンゲージ(リング)とか韻を踏んでていいですね。あなたの一生の後悔として、添い遂げるよ。外れなくなってしまった指輪みたいに。ずうっといっしょ!
さて。というわけで、前回の記事からの流用ともなりますが改めましてしりとり対決の流れを全て書きます。
1ターン目
ランゲージ 日本語『しりとり』→『りゅうせい』
ニコ 日本語語尾選択『りゅうせい』→『イージス』
2ターン目
ニコ 英語追加 英語語尾を選択『Aegis(イージス)』→『Science(科学)』
ランゲージ 英語語尾選択 『Science(科学)』→『Eruption(噴火)』
3ターン目
ランゲージ アイヌ語追加 日本語語尾選択『噴火』→『カムイフム(雷)』
ニコ 英語語尾選択 『Kamuyhum(雷)』→『Maw(風)』
このMawはたぶんアイヌ語。
4ターン目
ニコ フランス語追加 英語語尾選択 『Maw(風)』→『Wall(壁)』
ランゲージ 英語語尾選択 『Wall(壁)』→『Lance of Longinus(ロンギヌスの槍)』
ロンギヌスは人名。磔になったキリストを刺したとされる槍。キリスト教があるのかこの世界にはと思ったり。
5ターン目
ランゲージ 中国語追加 英語語尾選択 『Lance of Longinus(ロンギヌスの槍)』→『Shen long(神龍)』
イチコ 日本語語尾選択 『しんりゅう』→『うみぼうず』
6ターン目
イチコ 英語語尾選択 『Umi bouzu』→『Un fade(不老)』
ランゲージ 英語語尾選択 『Un fade(不老)』→『Evolution(進化)』
7ターン目
ここからランゲージフェーズ3に。一度に使う単語の数が2に増える。
ランゲージ ラテン語追加 ラテン語語尾選択 『Evolutionis(進化)』→『Sol(太陽)』→『Luna(月)』
ニコ ラテン語語尾選択 『Luna(月)』→『Absoluta nulla(絶対零度)』→ファン 日本語語尾選択『東風弾道脚(とうふうだんどうきゃく)』
『Absoluta nulla』はラテン語。東風弾道脚はオリジナル技。反則ギリギリ。
8ターン目
ファン 日本語語尾選択 『東風弾道脚(とうふうだんどうきゃく)』→『久遠真魂波(くおんしんこんは)』→ イチコ 英語語尾選択 『Apocalypse(アポカリプス)』
ランゲージ 英語語尾選択 『Apocalypse(アポカリプス)』→『Excalibur(エクスカリバー)』→日本語語尾選択『バルムンク』
ファンの『KUONSHINKONHA』を英語表記としてのA繋ぎはかなり際どいライン。なんでもありすぎる。
エクスカリバーは説明不要の聖剣。バルムンクはニーベルンゲンの歌に登場する剣。
9ターン目
ランゲージ 英語語尾選択 『Balmung(バルムンク)』→『Gae Bolg(ゲイ・ボルグ)』→『Gungnir(グングニル)』
ニコ 英語?語尾選択 『Gungnir(グングニル)』→『Railgun(電磁砲)』→『Nuclear rocket(原子ロケット)』
ランゲージの厨二感満載のチョイスにはロマンを感じます。
俺としてはゲイ・ボルグと言えば『竜槍ゲイボルグ』です。ロマサガ2。しかしこのゲームにおいては結構怪しい。ゲイ・ボルグは『Gáe Bolg』という名称でアイルランドのお話に登場するようで、そういう意味でこれは何語かという判断が難しい。
同じく『Gungnir(グングニル)』も『古ノルド語』とやらが語源のようです。簡単に調べただけなので間違っていたら申し訳ないです。しかしこれをその語源の言葉とするか『グングニル』という固有名詞にするかでジャッジの分かれるところ。まぁファンのやってる事に比べたらという感じではありますが。
10ターン目
ニコ ウズベク語追加 英語語尾選択 『Nuclear rocket(原子ロケット)』→『Ten good precepts(十善戒)』→ウズベク語語尾選択 『O’nta yaxshi amr(十善戒 ウズベク語)』→『Reanimatsiya(蘇生)』
ランゲージ 日本語語尾選択 『Reanimatsiya(蘇生)』→『生太刀(いくたち)』→『チャンドラハース』
さぁ段々意味がわからなくなってきました。まず十善戒とは?
不殺生(ふせっしょう) 故意に生き物を殺さない。
不偸盗(ふちゅうとう) 与えられていないものを自分のものとしない。
不邪淫(ふじゃいん) 不倫など道徳に外れた関係を持たない。
不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。
不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。
不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。
不両舌(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。
不慳貪(ふけんどん) 激しい欲をいだかない。
不瞋恚(ふしんに) 激しい怒りをいだかない。
不邪見(ふじゃけん) (因果の道理を無視した)誤った見解を持たない。
という事らしいです。wikiから持ってきました。詳しくは自分で調べてみてください(丸投げ)
そして『Ten good precepts(十善戒)』からのウズベク語語尾選択での『Reanimatsiya(蘇生)』がここだけ読んだら全然意味わかりませんが『十善戒』のウズベク語は『O’nta yaxshi amr』らしいのでRが繋がると。いう事で。はい。Microsoftの翻訳を信じろ。
そしてランゲージのターン。
『生太刀』は日本神話に登場する剣。『チャンドラハース』はインド神話に登場するラヴァーナという神の持つ剣。らしいです。ランゲージ厨二すぎる。
11ターン目
ここでランゲージがフェーズ2に戻り、選択単語が1に戻ります。
ランゲージ 英語語尾選択 『Chandrahas(チャンドラハース)』→『Supernova explosion(超新星爆発)』
ニコ スペイン語語尾選択『explosión de supernova(超新星爆発 スペイン語)』→『agujero de gusano(ワームホール)』
チャンドラハースはこれで合ってるのか怪しいですがたぶんこれで正解。ちなみにインドの公用語であるヒンディー語では『चन्द्रहास』です。コメントのしようもありません。
12ターン目
ニコ リトアニア語追加『kirmgrauža(ワームホール リトアニア語)』→『Aradvaras(アラドゥヴァル)』
ランゲージ リトアニア語『Aradvaras(アラドゥヴァル)』→『sántuoka(結婚)』
日本語訳で『ん』がついたランゲージの負け。
となりました。たぶん。後半のハイレベルっぷりがエグイですね。しかし、ちゃんと追ってみれば筋が通っているのでこの筋を考えた大人達は大変素晴らしいと思います。
他の人に例えそうになったけどそれは失礼にあたるかと思うので言いません。
魂の強化と次の舞台
さて。完全に俺側の事情ではあるんですがもうここまで書いた段階でこの記事にとんでもないカロリーを使っている感があり、もうここで終わっていいかな?と言いたいところですが総ページで言えばまだまだこれからというところ。
ビースト戦で魂の使い方に目覚めた風子。そしてランゲージ戦で同様に魂を掴んだニコ&イチコ&ファン。ファンに限って言えば前回の周回の時にすでにその境地に達していたので凄いですよね。
この『魂の感覚』を他のメンバーにも伝授しようと動き始める風子達。言ってわかるもんかね?
魂の強化って具体的に何よ?という感じですが、それは人によりそれぞれ。というようで。
ニコはこんな感じ。魂を知覚出来た事により、不忘のメモリーを外部魂デバイスに保存できるようになった模様。これはつまり、逆もしかりで『メモリーボム』が使えるようになったんでしょうか。大量の記憶を流し込んで相手の脳を破壊するアポカリプスみたいな技も使えるようになりそう。
ここに至るまでに結構長い時間が経過したのでちょっと忘れかけですが、前回のループにでまさに死ぬほどその記憶に執着していたニコがこんな感じで話しているのを見ると胸にくるものがあります。
本当に前回の最後はあまりに切なかった。
さらに、もしかしたら自対象とか他対象とかの壁も越えられるんじゃないか?ショーンは他人を透明にする事が出来るし。という事で、魂を理解した事でどんどん可能性が広がる否定能力。
個人的にはこれが有りなら最強はビリーの能力を全員にバラまいて不死のゾンビ軍団を作ったりしてみたいところですが。
そして。残る仲間に引き入れたい否定者は3人となりました。
タチアナはよく知っているわけですが、残りのバニーとくるるに関しては前回のループ時にアンダーのメンバーだったのであまりよく知りません。
そして、彼女達を助けながら残ったクエストのサマーとバーンを処理して。これまでで最強のユニオンとなってサン&ルナwith上位十理と戦う!という方針です。
というわけで。
ここからはチームを分けてそれぞれの仕事をこなす事にしました。
まずは、なし崩し的にユニオンの十席のポジションになったファン。(そしてショーンは外された)
ファンは、シェン&ムイに魂の扱い方を伝授する事に。
ニコはタチアナを。イチコはバニーを。そして風子はくるるを担当する事に。
ここでイチコの言う『彼女の前のループの状態』という発言が少し気になるところ。ニコから記憶を渡してもらう技でもあるのでしょうか。
ニコ発案のこのグループ分けに風子は猛反対。なぜなら、くるるはライブ中にその能力を発現させるので、そんないっぱい人がいる所に『不運』の自分が行くわけにはいかない。危ない。という事のようです。
なるほど一理ある。
でも、それでも風子は行くべきだ。とニコ。どうしてそんなに……。
ニコから渡された一枚のポスター。そこに印刷されていたのは、ライブに出場する予定のくるる。
そして……。
そう。そこには、風子の母の姿がありました。彼女の名前は『楓』です。
前回のループ時には風子が発動させた不運によって亡くなってしまった彼女の両親に、なんともう一度会えるチャンスが巡ってきたのです。
さぁ!vsランゲージ戦という、アンデラ屈指の名バトル回に続き、次のシリーズはなんと『風子両親に会う』という事のようです!
これはもう名作始まる予感!絶対泣く!俺はこれを読んで絶対泣く!!
……と、思っていたのですが。そうはならなかった。
アイドル編始まる
さて非常に賛否分かれるシリーズとなっていくこのアイドルシリーズ。俺が最初思ってたのと全然違った。
このミッションにまず最初に挑むメンバーは風子、ショーン、ジュリアの3人。
いきなりポイントを剥奪されユニオンのメンバーから脱落するハメになったショーンは最初は不機嫌でしたが、風子の事情を聞いて乗り気に。優しいいい男だよ君は。
というわけで舞台は風子の母(以下楓)のバイト先に喫茶店に。
ここで風子は楓に会う事を少し躊躇しますが『会いてー人には会えるうちに。話せるヤツとは話せるうちにだ』とショーンの後押しで生身のまま楓に会う事に。
感動の再会……という事ではありますが、前回のループの話で言えば両親を殺したのは風子なので、複雑な出会いではあります。
さてそれでは感動の対面……といきたいところではありますが。
楓は超ドジっ子でした。
お水を運べば転んで客にぶっかけ、後に風子の父となる男性が来た時には水をぶっかけながら転んでかかと落としをする……など。もしかして自対象の不運の能力者なのか?と思うほどにガチャガチャしています。
で。
ここの喫茶店での会話で、なにやら楓のバックバンドのメンバーが全員怪我やらなんやらでフェスに出る事が出来なくなり、どうやら次のくるると出演するフェスには参加出来そうにない。という話を聞きます。
その話を聞いた後、突然風子の体が透け始めます。
これは大変!風子の両親が付き合うキッカケになったフェスに楓が出演出来ない事により風子が誕生しなくなる。そのパラドックスにより風子の存在が消失し始めている……。
という事で、ユニオンで急遽バックバンドを結成して楓のフェス出場を手伝おう!という流れになりました。
しかし、この流れを読んで思うんですが、風子がただそこにいるというだけで両親の何かに干渉したわけではないのでこれを『タイムパラドックス』と言ってしまっていいのかどうか少し疑問に思うのです。
この流れのオマージュ元というか、こういう話で個人的にパっと思いつくのはバック・トゥー・ザ・フューチャーです。過去に戻った主人公マーティに過去の母が惚れてしまい本来の歴史と変わってしまうためにマーティの存在が消えかける。というもの。
ここで、風子の父が風子の事を好きになってしまう事によりその存在が消えていく。という流れならタイムパラドックスと言っていいと思うんですけどね。
まぁそれはともかく。
この事態を解消するために『前回のループとのズレ』などを見つけるために楓を観察し接触する風子。
前とのズレとか言ってもそもそも生まれた年すら変わってるメンバーもいっぱいいる中でズレも何も……という感じですが。
ここで初めて風子はステージで歌う楓の姿を見る事になります。
場所はガラガラのステージ。お客さんは数名のお年寄り。そして響く楓の歌声は。
自対象『不協』の否定者(違う)
その個性的(マイルドな表現)な歌声により、なんと楓はクビになってしまいます。ここなんかトリックの山田を思い出す。
隠れてとはいえ、目の前で実の母親がその音痴を理由にクビになる瞬間を見る娘の心境やいかに。あまりに悲しい。
クビになった事で落ち込みながら帰る楓を見守る風子。
とりあえず、まずはフェスのためのバックバンドはなんとか目途がついたという事を報告するために楓の家を訪ねます。
そこで聞かされる今回のフェスへの出場の経緯と思い。
今をときめくトップアイドルであるくるるの推薦で、今回のフェスへの参加権を手に入れたらしい楓。しかも、どうやら2人は元同じグループだったようで。
くるるが先に有名事務所にスカウトされ、一緒にやろうとくるるに誘われたようですが自分がくるるの邪魔になるかもしれないと楓はその誘いを辞退。
しかしくるるは楓をずっと気にかけていて今回のフェスへ招待してくれた。という経緯のようで。
過程はどうあれ親友がくれた大きなチャンス。いつもここぞという時には運がいいのに、なのに、その運に私がついていけていない。と泣きだす楓。
せっかく風子がメンバーも探してきてくれたのに、私がこんなんじゃダメですよね……。と自信を失いかける楓に対して、風子は修行を行います。
ニコの『不忘』の能力を他対象に出来ないかの実験もかねての非人道的な修行の始まりです。
まぁ昔から人権意識が薄い事で有名な組織ではありますので今さらではあります。
というわけで。
猛特訓をへてついにフェス当日となりました。
一方。
恋愛というものは片側の気持ちだけでは成立しません。父である『出雲雷太』のところへ向かう風子。
ここで父雷太の想いを聞く事になります。
風子のおかげでバックバンドが用意出来て、出場をする事が出来たのなら、もう楓の優勝は決まったようなもの。彼女は必ず優勝する。いまごろぶっちぎりでお客さんを沸かせているはずだ。
これをきっかけに彼女は大きく羽ばたいていく。
今回のフェスで楓は人気になる。だからこれからは会うのを控える。彼女の夢の邪魔はしたいくない。と雷太。
実際に、トーナメント形式で行われているフェスで楓のバンドは圧倒的実力差で対戦相手に勝ちました。
しかし。バックバンドが見つかる前の楓のメンタルは崩壊寸前の限界でした。楓にとって、雷太の存在は夢よりも大切な、大きな存在になっている。
なのに、そこから逃げてんじゃねぇよ!!出雲雷太!!!
という風子の叱咤を受ける雷太。
なるほど。
母である楓は、今まさに自分の夢を叶えるためにトーナメントを勝ち進み、父である雷太はそれを自分の目で見なくても、彼女は必ず優勝する。そして大きくなると確信し、そのため身を引こうとしている。
そういう感じの流れです。2人の男女の悲しいすれ違い。それをなんとかしようとする、娘である風子の、感動的なお話……。
に、なると思ったんだけど。
ここでなんかよくわからない横槍が入ります。
UMAソウルの介入。そこで語られる『どうして風子の体が透け始めたか』の理由。
そして、ソウルの介入により能力が変化したらしいくるるの登場。
そして始まるアイドル直接対決!勝敗やいかに!
それから
というわけで、ここまでで24巻の半分くらいです。ここからはついに楓とくるるの対決が始まります。
なんか、この辺から段々よくわからなくなっていきます。普通に人情物語で終わればよかったと思うんですけどね。
ソウルの謎の介入により、魂をどうにかしてなんか強い能力へと変化したくるるの『不貞』により、なんとユニオンバックバンド達はくるるに取られてしまいます。
ソウルとくるるの間にどんなやりとりがあったのか。また、くるるの不貞の能力が前回に比べてどんな能力に進化したのか。
この辺の説明は一切ありません。なんでなんだ。
本当に『なんかよくわからない理由でなんかよくわからない能力に進化したらしいがよくわからないくるる』という、よくわからないキャラが登場という展開に。
くるるが楓の事を気にかけていてくれたから今回のこの大きなフェスに呼んでくれた。という事前の楓の話はなんだったのか。なぜ、そんなくるるがいきなり楓絶対殺すウーマンになったのか。何もわかりません。
一応、くるると楓の方向性の違いが生まれるシーンみたいなのはあるにはあるのですけどね。そこからどうしてソウルが介入してきたのかなどは一切謎。
そして始まるフェス決勝。お互いが歌い合ってその勝敗をお客に決めてもらうという形のバトルが始まります。
ステージ上で歌うくるるのバンドと新・ユニオンバンド。それを、ショーンに連れてこられて会場の上空で聞くショーン&雷太。
その対決の最中にまたしてもソウルが介入。こいつがでしゃばるとどんどん話が変な方に行く。
能力に頼らず正攻法で雷太を落とそうとするくるると、それを強制的に操り雷太に向かって能力を放つソウル(くるる)。
なんかよくわからん不貞砲が上空の雷太を襲う!!
……えぇ……。という感じ。不貞ってそういう能力なの?
しかし、この謎の不貞砲を楓がなぜか魂の力を使って迎撃しようとしますが、それが雷太に届く直前にその魂の力を分散させます。
よくわからないけど魂の力を自由に操る楓。魂が万能すぎるしなんなんだこれは。
これにより、不貞の能力の直撃を受けた雷太。これで、雷太もくるるの虜になってしまうのか……。
勝負の結果はくるるの圧勝。100対0でした。完封すぎる。
そして、当然雷太の心もくるるのものに……。
しかし。なぜか雷太には不貞の能力は効きませんでした。なんでかは不明です。
想いの強さみたいな話をしてたりもしますが、いやいやいやいや。リップがライラ&ラトラに向けてる愛もかなりのもんだと俺は思うよ?シェンだってビリーだって結構なもんだと思うよ?
なのに、彼らには不貞が効いて雷太には効かないのがよくわからん。
そして、勝負には負けたけど楓と雷太の愛は深まり風子の魂の器も修復されてめでたしめでたし。
……くるるいらんかったなぁ。あまりに当て馬すぎる。しかもそのままくるるを拉致して終了ってのもよくわからん。くるるなんだったんだ。
どうも『魂』の扱いを持て余した感のあるシリーズではありました。
とまぁ、こんな感じでアイドル編は終わりまして、いよいよ次はタチアナ救出編です!
25巻へ続く
画像:「アンデッドアンラック」コミックス24巻より引用
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