先生が病気療養に入られた。例の先輩がお稽古中に遊び始めた。代理の先生よりも自分のほうが偉いのよ、と言いたそうな大きな態度が目につくようになった。
初日はだらだらとおしゃべりを始めた。窓から日が差してきたので立ち上がってブラインドを操作したら「私、出来ないことには近づかないことにしているのよね」と、うすら笑いを浮かべてそっぽ向いた。そういえば知らない土地には一人で行くことができないようなことを春に話していたのを思い出した。
2日目は体ごとこちらに向き直って、さあ、話をしますよ、逃しませんよ、みたいなオーラ。そしてお孫さんの帰り支度を手伝いながらお孫さんに向かって大声でこんなことを言い始めた。「私がこのお稽古事を習い始めたときには、たくさん練習させてもらえなかったのよねっ(目が逆三角▽)。」先生が以前、「彼女がよくああういうことを言うのだけれど気にしなくていいからね」と私にささやいたあの言葉だ。久々に聞いたのだが、まだ言っているんだ?しかもお孫さんにそんな話をしてどうするんだろう?
自分の作品はいつもさっさとこそこそと隠してしまうので、私は目にしたことがない。そんなことをしながらも、自分はお孫さんを出汁にして立ち上がる。そして大きくこちらがわに回り込んでからお孫さんのほうに行くのだ。見たいのならば正面からそういえばいいのに。
3日目。教室に着いてすぐにお月謝袋の中身を点検して出す準備をした。すると、焦ったようにそそくさとすかさず一歩先に先生にお月謝袋を出しに行った。
お稽古の時間の間中、お孫さんに先生になったかのようにああだこうだと口出しをし続けた。いつもならとっくに帰っている時間になっても、教室中を飛び回って遊んでいるお孫さんに甘い言葉をかけて構い続けていた。つまり、先輩もお孫さんも全然お稽古しなかったことになる。
そして、私が代理の先生に見ていただいた直後だ。すかさず立ち上がって代理の先生にこう言った。「一度くらいとりあえず見る真似くらいしてもらわないとね。」
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