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【あぁだから】ミスター・ガラス【ヒットしなかったのね】

海山ヒロ

海山ヒロ

言いたいことは、わかる。
最後はなんだかふわっと「希望」をのこして終わる感じも、まぁもしかしたらハッピーエンドと言えなくはないかもしれない。
ただなんというかなぁ……。
観ている間中、不快感のつきまとう映画であった。

最終目的、まぁ「真の」目的といえばよいのか、それがさっぱり見えてこない、視線は合っているのにこちらをみていない借り物の言葉を並べたてる精神科医(サラ・ポールソーン)がいて。
彼女の強迫神経症じみた空疎なことばを我慢して聞いていた結果、まったく目新しくもない彼女の目的が見えた気がする。
つまり、どんな「もっともらしい(と彼らが思い込んでいる)」言い訳を並べたてたころで、彼らがやってることは単なる殺人だ。
べつの言葉で言えば、精神科医とそのお仲間はテリトリー、生存権をかけた競争をしているにすぎない。

生存競争、ニッチの奪い合いというのは、この地球上のあらゆる生き物が日々していることだから、別に非難することではない。
個で闘う能力がないのであれば、集団で襲ってくるのも、やり方のひとつではある。
そこはいい。
観ている間中、ずぅ~っと不快感があったのは、精神科医を含めたお仲間が、ま~皆そろって「普通」で「凡庸」であり、つまんなそうな人間ばかりだったからだと思う。

上質そうな服装をし、まぁ他者を不快にさせないマナーを身に着けていそうな、けれど通りすがりの人の心を奪うような美しい外見も、雰囲気も持ち合わせず。
目が合うだけで自然とひれ伏したくなるような絶対強者の風格も持たず。
背が低すぎもせず高すぎもせず、とびぬけて太っても痩せてもいない。
通行人A、カメラをひとなでした時一瞬映るか否かな群衆のひとり。道で親し気に声をかけてきたら「え~っと、高校、中学の頃のクラスメイト?近所の人?じゃなきゃ家族の友達か……?」と思い出すのにひどく時間がかかるくらいの印象しか持てない、そんな人々。

まぁつまりね。
精神科医の彼女を含む「影の集団」は、なんら秀でたところのなさそうなモブであり、そんなモブたちがえらっそげに「世界の秩序を保つため(ドヤッ)」暗躍してるなんていう設定自体が陳腐でつまらないどころか不快にすら思えたわけだ。
だからこそ、ブルース・ウィルスにジェームズ・マカヴォイ、サミュエル・L・ジャクソンなんていう一流俳優が共演しているのに、ヒットしなかったのだろう。

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