アルミンの目線
訓練兵団の解散式が終わってから1週間前後。
被験体の巨人が殺された日。ついに皆が所属先を決める時がきました。
調査兵団に入ると言うアルミンと、あくまで憲兵団を希望するアニ。
ふとアルミンは違和感を感じます。
(『進撃の巨人』第21話より)
アニの持っている立体機動装置がマルコのものだったからですね。
この時点で、被験体殺しの犯人はアニかもしれないとアルミンは気づいたのです。
しかしなぜそんなことになるのか、この時のアルミンはあまりにも情報不足だったため、判断しようがありませんでした。
アニが憲兵団を希望する理由
アニはあくまで自分が助かりたいから憲兵団に入ると言います。
そして訓練兵の仲間たちが調査兵団に入ることに対して、否定的な表情を隠しきれません。
冷血な表情で隠していますが、アニは実は情熱的な性格の持ち主です。
無口なフリをしているけど、一度口を開くと雄弁に語りだして止まらなくなります。
(『進撃の巨人』第31話より)
共に過ごした訓練兵の仲間たちのことも実は大好きで仕方ないのです。
だからコニーのピンチを命がけで救ったこともあるし、アルミンを殺すべき場面でもあえて見逃したりします。
アニはこれから調査兵団の兵士を大量に殺すことになります。だからできれば同期の仲間には調査兵団に入ってほしくなかったわけです。
(『進撃の巨人』第18話より)
できることならマーレの戦士を裏切って、壁内の兵士の側に寝返りたいとすら思っていたかもしれません。
しかしアニは故郷に父を残してきました。自分がマーレを裏切れば父も親族も侮辱を受けて「楽園送り」にされてしまいます。だからアニは殺戮戦士に徹するしかないのです。
憲兵団に入るのは、王政や第一中央憲兵を探るという使命を果たすためですね。
本当は自分も調査兵団に入って、同期の仲間のそばにいたかったのでしょう。
だから本来は敵であるはずの訓練兵たちに対し「頼れるアニキ」を気取ってみせている精神分裂野郎のライナーは、アニにしてみれば自分にできないことを平気な顔してやってのけている無神経な男。
そんなライナーに対し、アニは吐きそうになるほどの嫌悪感を示しています。
(『進撃の巨人』第97話より)
最終的に結晶の中へ引きこもったのは、アニの割り切れない心情を表していると言えるでしょう。
(『進撃の巨人』第34話より)
誰も殺さず父も守る。苦肉の策ですね。
新兵勧誘式にて
いよいよ、エルヴィン団長による調査兵団勧誘の演説が始まります。
サシャは改めてジャンに問います。本当に調査兵団に入るのか、と。
巨人が怖くないわけじゃない。使命感に燃えているわけでもない。
第18話でも述べましたが、ジャンが調査兵団入りを決めたのはマルコの死がきっかけです。
ジャンにとって最も怖いのは「自分が弱者や仲間を見捨てて生き長らえること」。
(『進撃の巨人』第21話より)
そんな自分になるぐらいなら死んだほうがマシだと思っているわけです。
でもどうせ死ぬなら「意義のある死」にしたい。
(『進撃の巨人』第22話より)
だからエレンを値踏みしているわけですね。
エルヴィンがイェーガー家の地下について語る理由
訓練兵たちの前でエルヴィンは演説します。
そこでエレンの家の地下には、巨人に関する全ての情報が眠っていることを暴露します。
なぜ訓練兵に対して、わざわざそこまで話をする必要があったのでしょうか。
(『進撃の巨人』第21話より)
それは訓練兵の中に敵が潜んでいる可能性が高いからです。
敵にしてみれば、巨人に関する情報を壁内人類に知られてはならないわけですから、調査兵団がエレンの家の地下室に近づかないよう妨害するはず。
エルヴィンはそうやって敵を揺動し、その正体をあぶり出そうとしているわけですね。
そして1ヶ月後、調査兵団はいよいよ運命の壁外調査へ出発しました。