水洗機の自作シャワーノズルの穴開けもあり、かねてから作ろうと構想していた卓上ミニボール盤を作ります。
構想は以下の通り。スライドレールを2本平行に取り付けて、モータがのるプレートが垂直に動くようにします。(青:ドリルチャック、緑:レバー、オレンジ:電源用DCジャック。奥側の緑:モータコントローラのノブ)
材料
主な部品です。モータとモータコントローラは、かなり前に購入してあったものを使います。
・スライドレース(246mm) 2個
・DCモータ(ドリルチャック付き)
・モータコントローラ
・ベニヤ板等
製作
スライドレールカット
スライドレールの寸法がそのままだと長すぎるので、カットします。ドリルの上下の動きを50mm以上は取れるように、かつ、全体の高さを30cm以下にするとの条件から、外側レールと内側レールをそれぞれ80mm、75mmづつカットしました。なお、最終的な長さを決定したのは、左右端の取付用の穴が残るようにしたのが大きいです。
金ノコでカットするとき、金属粉がベアリング部に入らないようにラップで包んで保護しときました。
スライドレールを最大伸ばした状態です。この状態で長さが約26cmなので、ベースの厚さを考えても高さ30cmには収まります。ただ、切ってみて思ったのは、インナーレールの上側(写真右)は、もう一つ左の穴直前までカットしても良かったです。
ベニヤ板カット
厚さ12mmの余ったベニヤ板をカットして使います。ベースは、120×100mmの大きさです。
スライド機構組立
スライド機構の組み立ては少し工夫がいります。スライドレールが分離できるタイプではないので、固定側、稼働側のプレートにレールをネジ止めするために、ネジ穴が見える位置にレールを上に下に動かして、片方ずつネジを止めていきます。
外側レール
スライドレールを平行かつ鉛直(ベニヤの左が下側)にするのが重要。ネジ止め時にずれないように、レールの裏には両面テープを貼ります。
念のためスコヤで角度を確認。このとまず、右側(上側になる)のネジ穴を固定します。
内側レールを下(左)に下げて、ネジ穴が見える様にしますが、あまりずらすとベアリングの球が外れて大事になるので注意が必要です(1回やってしまった)。組立が終われば、内側レールはベースプレートに底付きするので外れる心配は無いのですが。
何とか、平行も保ちつつ、外側レールの上と下をネジで止めました。ここまでくればあとは内側レール+稼働プレートを付けるだけです。
内側レール&稼働プレート
稼働プレートと内側レールを裏側(写真では下側)からネジ止めします。左右(写真では上下)のレールの位置は厳密に合わせなくても大丈夫ですが、あまりずれると稼働範囲を制限することになります。これも、1回ではネジ止めできないので、上側を止めたあと、内側レールを下(左)にずらして下側のネジを止めます。
このように動かしてもネジ穴が見えるように、レール寸法等をあらかじめイメージして決めておきました。
この状態で、モータ取付用のブラケットを取り付けます。ここでも、モータ軸が鉛直になるように、プレートの角度は慎重に調整しました。
本体組立&鉛直調整
スライド部をベースプレートに固定します。まずは、ベースプレートに置いてみて、モータブラケットが鉛直になっているか再度確認。OKです。
前後は、スコヤを当て、鉛直を出します。ベニヤ板1枚では、力を掛けると前後に歪むと思ったので、下部に1枚補助のベニヤ板を取り付けることにしました。ベースプレートに置けば鉛直になるように、補助のベニヤ板も接着しておきます。
接着剤が乾いたので、一度、ベースプレートから外し、モータ、スピンドルを組立ておきます。なお、補助のベニヤ板が動かないように裏からネジを一本固定しておきました。
改めて、ベースプレートと合体したところ(底から、皿ネジ4本で固定しています)。これで、ほぼ形になりました。
念のため、鉛直を確認します。OKです。
レバー
続いて、レーバーを作ります。レバーは余った薄い板材とアルミ角材の端切れを流用します。穴の位置は、現物合わせで決めました。
本体に組む前に、アルミ板とレバーをネジ止めしておきます。ナットとネジは緩まないように瞬間接着材で固定してあります。あと、動きを良くするため、M3のワッシャーを数枚と、高さ調整の薄板を加工した木製ワッシャーです。
本体に組み込むとこんな感じになります。スライドレールが意外と摩擦があるため、モータの自重を支えられてしまいました。スライドレールにはグリースを塗って滑りを良くするつもりですが、そうなると、モータの重さを支えるバネを仕込む必要があるので、追ってやります。
コントローラ装着&配線固定
最後に、配線の固定とコントローラの装着です。配線は、簡単にグルーで止めました。写真では、コントローラは仮止め状態です。
コントローラを固定するブラケット。
こんな感じでコントローラを装着しました。ブラケットにはちょっとしたレタリングも施しました。
完成
ということで、1日ほどで完成しました。意外とコンパクトに出来たと思います。ストロークも約80mmほどと、卓上ミニボール盤としては十分でしょう。
電源ケーブルは、ATX電源を活用した電源のターミナルに刺さるようにバナナジャックにしました。
baum-kuchen.hatenablog.com0後から見たところ。
最後に
作業台に納めたところ。意外と小ぶりに出来て満足です。これで、卓上でのドリル加工が楽に正確に出来そうです。
今回、半分思いつきで卓上ミニボール盤を作りました。製作時間もそんなにかからず、もっと早くに作っておけば良かったと思う次第です。
今回の記事が何かのお役に立てたら幸いです。
(2022.12.26更新)
追加改修
自分で言うのも何ですが、コンパクトで、とっても便利です。
ただ一つ、スライドレールの摩擦だけでは、ドリルが落ちてきてしまうことがあり、レバーで支える必要があり、若干使いずらいです。
なので、スプリングを買ってきて、スライド部全体を上に引っ張り上げることにしました。
ホームセンターで、固定プレートとスライド部の間に入る径のスプリング2種を買ってきて、合うのを使うことにしました。
スプリングの強さ的には、50mmのスプリングの方がちょうど良さげでしたので、取付て見ました。
スプリングは、いつもは隠れた位置にありますが、スライド部を一番下まで下げた上程での写真です。取付は、ナベ頭の木ネジに引っ掛けるだけのシンプルなものです。
これで、手を離してもドリルが下がらなくなり、より一層使い勝手が良くなりました。
あと、欲を言えば、ドリルのところを照らす照明位かな。また、おいおい改善していきます。