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これは介護老人保健施設(老健)で働く現役介護士が、実際に施設を利用しないと分からないルールや決まり事をご紹介するシリーズです。
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日中は何しているの?
利用者様の一日として三食&おやつ、10時のティータイム。
ここら辺は多くの老健で共通のことです。
他にはリハビリ(週2〜6回)、お風呂(週2回)、レクリエーション(小さいレクなら毎日している施設もある)、体操(毎日)はどの老健でも行われているでしょう。
その内容や頻度は施設によって違いますし、リハビリに関しては入所してからの期間で回数が変わります。
原則的に入所後3ヶ月以内とそれ以降では、前者の方がリハビリの頻度が高いです。
自立されている利用者様であれば、部屋で本を読む、テレビを観る、電話する、書き物をする等、色々やることがあります。
※この記事での『自立』とは、ご自身で自由に移動でき、認知症もないもしくは軽度の利用者様のことです
勿論、その利用者様の能力によるものの『家事をしなくて良い』こと以外は、施設の中にいる分にはほぼ家とやる事が変わらない。そんな人も居られます。
では自立されていない利用者様はどうでしょうか?
何もない時は大体が以下の四つをされています。
・食堂(リビング)でテレビを観る
・塗り絵や計算問題などのいわゆる知的課題をする
・他の利用者様とおしゃべりする
・ベッドで休むもしくはイスでウトウトする
同じことをされていても、一日中忙しいと嘆かれる利用者様、ずっと寝ていたいと言われる利用者様、やる事が無くて時間を持て余される利用者様、それぞれの意見がおありです。
他には寝たきりの利用者様や、ほぼずっと歩いたり車いすで移動される利用者様もおられますし、一人でずっと話される利用者様など、一人ひとりの能力、疾患、性格、趣味等によって、異なった過ごし方をされています。
老健という施設の特性上、リハビリ重視なので無理のない範囲で出来るだけ起きて頂くのが基本です。
起きて頂いている限りは、時間を持て余す事がないように可能な限り雑談をする、テレビを観て頂く、好きな知的課題を提供する、利用者様同士で仲の良い関係を構築して頂く、などなどをしています。
ただし、施設という縛りから人員の余裕がほぼなく、起きて頂いている利用者様に暇な時間を過ごさせてしまう場合もあり、心苦しいところです。
また、利用者様方に少しでも施設生活を楽しんで頂くため、月一回は何らかのイベント、大規模レクを実施する施設が多いです。
例えば
1月は初詣で近所の神社までドライブ
2月は豆まきになぞらえて、丸めた新聞紙を鬼の面を被った職員に投げるレク
3月はひな祭りにちなんで三色ゼリー等のお菓子作り
4月は近所の桜並木まで花見がてらお散歩
といった感じで、利用者様に非日常を味わって頂きます。
利用者様も職員も楽しみながらイベントを行えた時は最高です。
最後に介護施設の闇の部分を少し書きます。
イベントを成功させる準備として残業をしなければいけないというのが、施設の実情ではあります。
更に、行き過ぎた施設ではイベントの為にサービス残業が当たり前、イベント用品の一部を私費で購入。なんて話も聞きました。
利用者様の笑顔は見たいですが、やり過ぎては元も子もありません。
次回に続きます。