「海に眠るダイヤモンド」第10話(最終回 後編) 記憶は眠るきこりのテレビ日記 #203

2024年12月24日

「モンスター」 #11(最終話) 求める者たちへ

「あればあるほど豊かな人生になる?
お金なんていくらあっても足りないんじゃないですか?
どこで満足するんですか?
満足なんてできないんじゃないですか?」神波
「そんなことないよ。
いくらでもあった方がいいだろ」


「では、あなたにとっての豊かさって何ですか?
毒を垂れ流すのと引き換えに便利で効率的な製品を作ることですか?
その製品で多大な利益を得ることですか?
犯罪で資金を作ることですか?
居場所を失った人達に
自分の居場所はここしかないと思いこませることですか?
健康を害してまで賃金を得、
自分の居場所はここしかないと思いこまされ、
未来を閉ざすことですか?
自分達の価値観とは違う人間を排除することですか?
物事を自分の都合のいいように見たり信じたりすることですか?
自分の信念で動かず、
世の中の空気に動かされることですか?」神波

「そんな話はしていない!」
「そうだよ!」
「俺たちは幸せになりたいだけなんだから!」

「では、あなたにとって幸せとは何ですか?」
「幸せは幸せだよ」
「そうだ!」
「そうだ!」
「本当は何が幸せかわかってないんじゃないですか?
自分にとっての幸せや豊かさがわからなかったら
どうやって生きていくのかなんて決められないんじゃないですか?
一体、何のために生きているんですか?」


 神の流した涙は本物か。
神波先生(趣里)が大草先生(YOU)の所に来てから扱った案件全てに通じる言葉。
あなたが見ているものは本物ですか?
あなたが口にしている言葉、そして行動は
本当にあなた自身が望んでいるものですか?
ただ世間の空気や価値観を妄信しているだけじゃないですか?
風見鶏のように無責任に変わる考え、
風向きの変化に合わせ膨らむ欲望、
それがあなたという人間なんですか?
それがあなたの信じたいものなんですか?

 神波先生の言葉で何かが変わるだろうか。
いや、多分帝東電機はケロッとして巨大企業であり続けるだろう。
株価もいずれ元に戻る。
山遥村の人々は生き方を変えるだろうか。
変わる人もいれば変わらない人もいる。

 神波先生は世の中を変えたい訳じゃない。
それでも大海に小さな石を落とし続ける。
自分の言葉と自分のやり方で。
法律というアイテムを手に。
それが多分、神波先生の生きる意味。
幸せなのかもしれない。
ま、今後、アイテム変わるかもしんないけどね ( ̄▽ ̄;)

 粒来(古田新太)は引き続きサカミクリーンの代理人として、神波先生(趣里)は横沢さくらさん(前田敦子)と内海拓未さん(前原滉)の代理人として、共同で帝東電機に対して損害賠償請求を行うことにした。

 で、大草先生(YOU)の仕切りで、粒来が失踪した経緯の説明があったぞ。
14年前、サカミクリーン建設に反対する内海泰造さん(眼鏡太郎)の依頼を受け訴えようとしたら、建設計画は白紙になった。1年後、サカミクリーンの建設が始まったことを知り山遥村へ行ったら、内海さんが亡くなっていることが判明。何が起きているのか探ろうとしたらサカミクリーンから顧問弁護士を依頼され、反社のフロント企業だってことはわかっていたので弁護士登録を取り消し、アドバイザーとして内部に潜入。

 群馬に住むようになり従業員達の不調を知った。自分も血液検査の結果がよろしくない。環境汚染を疑った粒来は、いずれ健康被害を訴えるために従業員達の健康データを長期的に取り始めた。

 粒来の見立てによると帝東電機はもちろんサカミクリーンが反社であることも、有害な物質を処理させていたこともわかっていた。最近、帝東電機の技術が世界的に注目されたもんだから、サカミクリーンの産廃処理のシステムを買い上げて反社を追い出そうとしている。その結果資金源が失われそうになった反社は闇バイトや高額医療ツアーのあっせんを始めたんだって〜。全て繋がっているんだね〜






 健康データが揃った頃、帝東電機が新しいSDGsの方針を掲げる企業発表会を行った。それを見に行った粒来は弁護士の再登録をした。その発表会の映像で粒来の姿を見つけた神波は弁護士になることにしたんだね。

 粒来も神波も使命感とか世直しとかじゃない。
ただ自分の中にある好奇心や疑問に突き動かされている。
いつだって自分のゲームなんだよね。

 サカミクリーンの健康データだけじゃ話にならない。
で、住民の皆さんに帝東電機の産廃物に有害物質が含まれている可能性を話し、健康データの提出を呼び掛けたんだけど、みんなあんな大企業がそんなことする訳ない!反社の方が悪いに決まってる!って言うのさ〜

 私もこの村にいたら、そう思うかも。
だって反社でしょ〜?反社の言う事なんて信用できんワって( ̄▽ ̄;)

 環境汚染があるのは粒来の身体で証明されている。
でも水質検査で有害物質が出なかったのは基準が無く、まだ有害な物質だと認定されていないからだそうな。なるほど〜

 粒来と杉浦先生(ジェシー)の会話がまるで禅問答みたいになっている(笑)どこまでも普通な会話を続けようとする杉浦先生が逆にすごい。

 帝東電機の社員の健康データは改ざん疑惑があり、意味なし芳一。
しかし産廃物の資料をデータ化することで「マリシン」が有害物質と特定できたが、これが健康被害を与えているという証拠はない。住民の健康データと照らし合わそうにも1年や2年じゃ検証にならない。そもそも有害物質と国に認定されるにも10年から20年かかるかもしれない。取り敢えず、国が認定に動くよう専門家に有害性評価をしてもらい、それをもって国に訴えかけていく作戦よ。

 長いわ〜長すぎるわ〜
いや〜わたしゃこっから20年後に法廷に立っている神波や杉浦を想像しちゃったよ〜

 「今やれることは何でもやる!」という神波の号令のもと、
ちっちゃいことからコツコツとぉ〜

 ・サカミクリーンのヤカラ社員様たちをけしかけてちっちゃい訴訟(別名いちゃもん)を起こす。
(例・帝東電機から貰った優待チケットで妻が買い物をしたところ、それがきっかけで買い物中毒になった。どうしてくれる?!等)
コレを帝東電機の弁護士がうんざりするほど繰り返す→1人1万対応

 ・マスコミが報じないので帝東電機が訴えられたことをSNSに流してバズらせる→中々バズらず→最終的にバズる

 ・I:Zackのラップとチラシで環境汚染問題を提議→皆さん無視→テレビで流れると注目

 なかなか効果を実感できない日々が続いたが、にゃんと杉浦先生がクリーンヒット!
帝東電機 ファストチップ研究チーム責任者・武内さん(桜井聖)の娘・涼香さん(小島藤子)が法廷で証言してくれることに。処理場の近くに住んでいる帝東電機社員との結婚を武内さんに伝えたら、彼は将来健康を害すると言って反対。会社の産廃物の処理場には汚染物質が埋められており地下水が汚染されていると断言したらしい。さらに生物に有害だと示したデータも存在すると。

 涼香さんの証言を受け、神波は帝東電機の産廃物が生物に対して有害であることが示されたデータを開示請求。

「データが開示されたはいいですけど・・・
生物への影響だけじゃ人体への健康被害との因果関係は完全には証明できないから・・裁判には、まだ勝てないってことですよね?」杉浦
はぁ?」神波・粒来
「・・・勝てるんですか?」
いや」神波・粒来
「勝てないんですよね?」
「勝たなくちゃいけないの?」神波
「いいんじゃない?勝たなくて」粒来
はい?!
シロでもグレーでもクロでも勝つんじゃ?
二人は何を見てるんですか?」
「さぁ・・・」村尾夫婦


 そうして・・・ついにSNSがバズり、マスコミが動いた。
(この流れ、最近多いよね。後追いばかりのマスコミ)
マスコミが動いたことにより帝東電機関係者が動き、世論の流れを受け村の住人達に変化が。賠償金目当てで健康データを提出。結果、帝東電機は和解の意志を表明。一人当たり100万円〜1,000万円の賠償金が支払われることになった。

 高齢者はテレビで動くけど、若者達はSNSで動く。
でもこの中で本気で山遥村の未来を考えている人はどれぐらいいるのか。
そして世間の流れを見て、こいつらは叩いてもいい奴だと思った途端、態度がデカくなる住民やサカミクリーン関係者。

 ほんとうに人間って奴は。
そりゃ神々にも見捨てられるさゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ

 いや〜面白かった!
第1話で神波先生が登場した瞬間から、もう魅了されちゃったわよ。
天才と、常にブレないおとぼけ振りを魅せる正統派凡人。
二人の見ている先が一致することはないだろうけし、
杉浦先生は永遠に神波先生を追いかけていると思うけど(笑
このふたりの掛け合いと、にんまり笑う神波タイムが好きだったな〜
これはシーズン2あるでしょ!

 パラリーガルの村尾さん(宇野祥平)が司法試験に再チャレンジ。由紀子(音月桂)さんも応援。ほっとするエピソードだったね。
神波と粒来のオセロ対決、結果はどうだったのかな?
神波がいい手を置いたと思われた時の粒来の驚いたような嬉しそうな顔。
親子の会話もこのふたりらしかった。

 『また会える日を』、私も願っていますよ〜

 第1話 悪意の所在
 第2話 嘘と選択
 第3話 幸せの形
 第4話 空気の行方
 第5話 信じたいもの
 第6話 変わらないもの
 第7話 愛の末路
 第8話 数字の鎖
 第9話 価値の正体
 第10話 信じたい者たちへ

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matakita821 at 18:54│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 「モンスター」 

この記事へのコメント

1. Posted by 安立行人   2024年12月24日 20:48
5 モンスター考察、すばらしい。丁寧で痒いところに手の届く文がら。このドラマはちょっと難解でもあって、ゆえに的外れな批評がけっこうあるのですけど、トリ猫家族さんの評を読んで、色々教わりつつ、分かる人には分かるんだと安堵しきりです。これからも拝読させていただきますね。
2. Posted by sannkeneko   2024年12月25日 17:45
こんばんは。

>では、あなたにとっての豊かさって何ですか?
>では、あなたにとって幸せとは何ですか?
圧巻だったけれど、神波先生にとっての幸せって何でしょう?
粒来先生が姿を消した事情は分かったけれど、だからって娘を14年間置き去りにしていいの?
出前がどうのと事務所でワイワイしているみんなを見る表情。
神波亮子が求めていたのは父親だったんじゃないのかな?
だって株主総会に粒来を見つけたから弁護士になったのだから。
弁護士としては粒来は最高のパートナーだと思う。でも14年前の粒来の選択がどうしても引っ掛かって、なんだか消化不良。
面白かったし楽しかったし、私もシーズン2希望ですけど。
3. Posted by きこり→安立行人さん   2024年12月25日 19:03
コメントありがとうございます。
魅力的なドラマでしたよね。
神波先生のドライになりきれない部分の配合がちょうどいいというか。
対する杉浦先生の枠からはみ出さない安定感(笑)でもすこしづつ神波先生の影響を受けながら・・・
大草法律事務所の大らかな雰囲気ながら、きっちり仕事を重ねているのが伝わってくるのが良かった。よけいなもののない見やすいドラマでもありました。
シーズン2是非とも放送して欲しいです。
> これからも拝読させていただきますね。
ありがとうございます。
4. Posted by きこり→sannkenekoさん   2024年12月25日 19:11
こんばんわ〜♬寒いですなぁ。
> 圧巻だったけれど、神波先生にとっての幸せって何でしょう?
住民たちやサカミクリーン、帝東電機に問いかけながら、神波先生も自分の幸せを捜しているのかもしれないね。
> 神波亮子が求めていたのは父親だったんじゃないのかな?
> だって株主総会に粒来を見つけたから弁護士になったのだから。
そうだよね。天才的な頭脳を持ち、孤独に耐えるハートもある神波先生。
でも時々見せる子供のような表情を見ていると、この人には子供時代は無かったんだろうな〜とも思ったり。父親は娘を子供扱いしなかった。そして神波先生もそんな父親の思いに応えてきた。今回一緒に仕事ができて、一緒に生活もできて思いがけなく幸せを感じていたかも。
> 弁護士としては粒来は最高のパートナーだと思う。でも14年前の粒来の選択がどうしても引っ掛かって、なんだか消化不良。
粒来もまた父親になりきれない人間なのかもしれないね。
ポーカーフェイスをしながら、娘とどう付き合っていったらいいのか探っているのかも。二人は似た者親子なんだろうな。
シーズン2でも杉浦先生は賢い凡人でいて欲しいわ〜
サウンドトラック買っちゃおうかしら・・

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