水漏れ、というより、限りなく洪水状態だった事件は、水道屋さんのおかげで無事解決しましたが、決して若くはない水道屋さんも、絶句しておりました。蛇口が真っ二つに割れるなんてことは、初めての事態だそうです…。
今回の事件で、蛇口にも寿命があることを知りました。
考えたら、どんなものだって古くなればダメになるわけで、でも、家電なら用心しても、蛇口のような作り付けみたいなものだと寿命って考えたこともなかった。実際は、10年くらいと思った方がよいようです。
とはいえ、普通は徐々に漏れが気になったりして、「そろそろ交換した方がよいのかも」という緩やかな悪化があるのが普通で、今回のように、いきなりスパコーン!と真っ二つなんでことはないようだから、本当に事件だったわけですが…。
しかし、困ったことが…。
トラウマがすごくて。
とりあえず、事件から二日後の火曜日の夕方に直って、本来は翌日は通勤の予定だったけど、何か起こるのではないかと思うと外出する勇気が出ず、在宅に。一日在宅して、もちろん何もなく、木曜日はどうしても通勤の必要があったので出かけました。家の水栓を閉めていこうかとも思ったけれど、いやいや、大丈夫だろう、と出かけたのはいいけれど、何かあれば、アパートの共通SNSアカウントで誰かが連絡してくれるだろうから、何度も個人スマホを確認してしまって、一日中そわそわと落ち着かず、でした。
帰宅して、何事もない我が家を見て安堵して、昨日金曜日は、少しは安定した気持ちで出かけることができましたが、でも、しばらくトラウマは残りそうです。
そういう日々でしたが、すでに、町はクリスマス一色。
ミラノが一番華やいで美しい時かもしれません。
なんだか例年、クリスマスの飾り付けが始まるのが早まっているように感じるのは、自分の気持ちなのか、または、お祭り気分先取りで、消費者の贈り物買わなきゃマインドを掻き立てる戦略なのか…。
日曜日に水と戦った翌日、在宅勤務のために、会社に置いてあるパソコンを取りにいかねば、と早朝に家を出ました。地下鉄駅から出てきたとき、見事な朝焼け。それがトップの写真です。
かなりささくれて疲れ切っていた気持ちが、スーッと癒されるような空でした。やっぱり結局自然の風景が一番癒しなのかも。
それでも、この時期ならではの人工的なイルミネーションも、決して嫌味ではなく、人の少ない早朝にぴかぴかしているのも、何とも言えない風情があります。
というわけで、こんな事件の前、平和な目に映ったクリスマス風景を、並べてみたいと思います。
まずはやはりこれでしょう。
ミラノの誇るゴシックの傑作、カテドラルDuomo前のツリーは、毎年原産地も発表され、ミラノの守護聖人であるサンタンブロージョの祝日に点灯されることになっています。今年は、祝日前日の土曜日の夜に、点灯されたのだったかな。
サンタンブロージョの日は、これまたミラノの誇るオペラの殿堂スカラ座のシーズン初日でもあり、町が祝祭気分に包まれる一日。そして、クリスマス商戦開幕の日でもあります。
今年もまた、次回の冬季オリンピック推し。ミラノも主催地ですから、盛り上げないとね。
まるで作り物のような風景ですよね。
自分にとっては見慣れた景色だから、違和感ないんですが、ここは本当に華やか。
左手に見えるヴィットリオ・エマヌエレII世のアーケードGalleria di Vittorio Emanuele IIも、とても華やかです。
アーケードは十字になっていて、その交差部のドーム、いつも同じなんですが、建物の様子と相まって、いつも同じだけど、いつもきれいだなって思ってしまうやつです。あ、でもね、去年は灯が青っぽい白でした。意外とそうやってマイナーチェンジはあるようです。やはり備忘しとかないと、そんなことは忘れてしまうわ。
そして、その下には、ツリーが置かれますが、今年はディオールがスポンサーで、大きめの白いツリーでした。同じ白ベースでも、去年のグッチ・プレゼンツのツリーは最低につまらなかったけど、今回のはツリーらしいし、ボリュームもあって、全体の雰囲気はずっと良かったです。
このアーケードから、サン・バビラ広場Piazza San Babilaに抜けるヴィットリオ・エマヌエレII世通りにも、小ぶりなアーケードがあり、そこは去年同様Victoria's Secretスポンサーのツリーでしたけど、ボリュームアップしてた気がします。
緑が見えるのも、オツですね。といっても、こちらは人工物だと思いますけれど。
Duomo前の巨大ツリーは、本物の木なんですよ。
サン・バビラ広場の近くに、超の付く高級ホテルがありますが(一泊軽く四桁)、そこはかつての修道院の建物を転用しているんだと思います。今も、修道院当時の建物の様子が残っており、かつて回廊であったであろう中庭に面して、おしゃれなカフェが並んでいたり、また中庭スペースは、多くのイベントに使われます。
そこの灯は、ツリーも含めて、オーソドックスな暖か系の色味で統一されていて、とても落ち着いたクリスマスの風景を作っていました。
大通りから、一歩入っているので、我も我もと人が押し寄せないのもよい感じです。
通勤路にある広場では、こんなモダンなツリーがありました。
後ろの方はオフィスビルで、人々の働いている姿が見えますね、笑。
事務所から、こんなきれいなイルミネーションが見えるのは、しかしうらやましいな。
今年も、ミラノ市内には、20を超えるツリーが飾られているそうですが、とてもスタンプラリーをする余裕はなく…。
でもね、私はウォーキングで通勤しているので、ツリー以外にも、ウィンドウの飾りなども、無駄なく楽しめちゃいます。この時期、11月後半からですが、色々なウィンドウがクリスマス仕様に変わっていくのを、毎朝毎晩、楽しみに歩くことができました。
こんなキラキラなバッグ、普通な感じで持つことができるのは叶姉妹かデヴィ婦人くらいではないか、といったような、びっくりするような意匠の、何も入らなそうなバッグを扱っている小さなお店では、いつもこのくるみ割り人形。めっちゃ可愛いです。
ラルフ・ローレンは、ファッション・ディストリクトの中心の一つであるスピガ通りに店舗を構えていますが、この数年、イベントの度にお店の装飾がめっちゃ力入っています。通りの入り口にあるツリー(写真の一番奥に見えるちっこいやつ)も、スポンサーになっていますから、とにかくプレゼンスを高めたいっていう様子。
とはいっても、ディオールほどではないか?
ディオール、毎年毎年、なんかすげーな、金のかけ方が半端ない。
ドゥオモの脇にあるデパート、リナシェンテのウィンドウをお買い上げ状態のうえ、天井からもぴかぴかやってて、笑っちゃいました。どこまで目立ちたいのか…。ってか、これほど投資して、回収できるってこと?というのが、驚きます。
まぁこの時期、町を彩る飾りは、いくつあっても目に楽しいし、スポンサーは必要なわけですからありがたいことではあるのでしょうが、それにしてもね、毎度すごいわよね。
ハイブランドなしには、様々なイベントが立ちいかないくらい、その経済力に依存もしているミラノだと思いますが、ブランドそれぞれのお金の使い方を見るのも、ちょっと面白いところがあります。
個人的には、現代美術に投資しまくってくれるプラダとかヴィトン推し(とか言って、何一つ購入したことはございませんが…、笑)。
そのヴィトンは、メリーゴーラウンドのショウウィンドウでした。わかりやすくキラキラしています。
そしてプラダは、地味目に、祝祭の食卓をテーマのウィンドウになっていましたが、川で作ったケーキが、ヴィトンの職人技を盗んだような発想で、あれ?って思いました、笑。プラダは、別に革細工出自でもなかろうに。
お菓子屋さんも、もちろん華やかさ200%マシ。
これはCovaのウィンドウ。
このあたりだと、お菓子のお値段もフランス並みなのでは。
イタリアも安くはないんだけど、フランスに比べれば、普通といえると思うんですよね。なんせ、クリスマスのメインは、日本人の感覚からすれば、パンに過ぎないパネットーネとかパンドーロですからね。
でも、こういった有名菓子店は、パンをお菓子に昇華させて、とんでもないお値段をつけていて、それでも買う人がいるってことなんでしょうねぇ。
まぁさ、イタリアのクリスマスからお正月って、食べることが一番の楽しみっていうところあるからね。
そんな本物のイタリアのクリスマス、こちらに来た最初の年に友人宅で過ごしましたが、あれは死ぬよ、笑。24日からずっと食べ続けるの。
今では、そういう家庭も、きっと減っているに違いないけども。
というわけで、ミラノのクリスマスの風景切り取りでした。
ちなみに我が家のツリーは、まだ準備できてなくて、もう出すのをやめようかと思っていましたが、クリスマスのランチに、友人をお招きしているので、遅ればせながら、明日引っ張り出すことにしています…。出すのは楽しんだけどね、しまうのが面倒なのよ。考えるだに…。
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